私の車がリコールで、塗装し直しに出している。
そのいきさつは過去記事にもしてきた。
かいつまむと、2年前に屋根の塗装が剥がれてきて、大手の塗装会社に塗装に出したのだが、
13万円も払ったのに、塗装時に使ったマスキングテープを剥がした部分の塗装が剥がれたまま、車が返って来た。
苦情を言っても、「どうせそこもそのうち剥がれてくる」と言うだけ。
頭に来て、会う人ごとにその店の悪口を言いまくっている(陰湿~)。
そしてそのマスキングテープを剥がした跡から再び塗装の崩落が始まり、見るたびに気分が落ちるので、別の店を探して車を持ち込んだ。
ぺりぺりと崩落してゆく
すると、その工場のオーナーが、「うちでも塗装するけど、これはトヨタのリコール案件だからトヨタに電話したほうがいい」、と言ってくれたおかげで、タダで全車塗り替えられることになった。
トヨタから代車を出してもらったので、日数がどのぐらいかかろうと平気。
屋根を塗った大手の会社は何も教えてくれなかったのに、正直に教えてくれたその工場には感謝している。
それで今日、でっかいマフィンの詰め合わせを持って、お礼を言いに行った。
道路から工場までのドライブウェイに、これから作業する予定の車が縦に何台もとめてあり、そのうちの1台に見覚えが・・・・・
と思ったら、それはまさに私の車ではないか。
トヨタはいくつかの工場と提携しているのだろうが、よりによってこの工場に私の車が来るとはなんたる偶然。
工場の入り口で、男性が3人立ち話をしていた。
一人はオーナーで、来た訳を説明すると、両手を上げ、肩を叩き、3人ともが大げさに感動してくれた。
「今日び、こんなふうにお礼に来る人なんて滅多にいないよ。いやー、嬉しいなあ!」
しばらくそこで話し込み、帰り際に彼らが
「こうなったら、もう特別にピカピカに塗り替えちゃうよ、楽しみに待ってな」
そう言って笑顔で見送ってくれた。
数時間後、その工場から電話があった。
連絡先が夫の番号になっていたので、電話を受けたのは夫。
「ああ、それはいいよ、その車はもう10年選手だし、使わないし」
と言っている。
電話を切ってから、内容を聞いたら、
屋根についているアンテナが壊れているから、新たに注文して取り付けようか、と聞いてきたという。
「あなた運転中にラジオを聞かないし、いいよねー。あ、マフィンをありがとうだってさ」
な!!!なにを断ってる!私の断りもなしに!!
やってもらえるならやってもらえばいいじゃないかッ!タダなんだし。
とは心の声。
がめつい根性が丸見え。
もし私の携帯にかかってきたなら、絶対にやってもらったのに。
もちろん、申し訳ありませんね、助かります、と言うけど。
時すでに遅し。確かにラジオは聞かないし、アンテナなくたっていいっちゃいいんだが・・・・・
感謝したら、その気持ちを伝えたい。
それは私と夫の共通点だ。
高価なものでなくていい、言葉だけだっていい、感謝しているということを直接伝えたいと思う。
もし私が、感謝はしてもその人たちに伝えなかったら、その工場はただの「良い印象の店」で終わっただろう。
でも、出向いて伝えたことで、人同士の「縁」ができた。
その縁は小さなものだけれど、1日の終わりに思い出すと心がホッとするような、良い縁だ。