太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

通勤路で

2022-12-13 07:47:23 | 日記
通勤時、車で走っていて、前方の車線の上に何かが見える。
あーどうか猫じゃありませんように、と祈る。
通り過ぎるとき、見ないようにしつつ、視界の端でそれがココナツの葉だとわかって安心する。
またココナツの葉が見えてきて、風が強いからなあと思っていると、気の毒なニワトリだったりする。



海沿いを、海を右手に職場に向かう。
海に面した家々は庭先がもう海で、天然の海水プールがあるようなもの。
アラモアナで働いていた時に比べたら、渋滞も信号すらもない、こののどかな通勤路が好きだ。


左手はコオラウ山脈



ハワイには、こんなふうに公共所有の広い場所や、路肩に広がる芝生がたくさんあって、定期的に草刈りをするので常にきれいに保たれている。
犬の散歩をしたりピクニックをしたり、ただ座って景色を眺めている人もいる。


職場に向かう十数分の間に、時々私は両親のことを思う。
両親の魂が、幸せでありますようにと祈る。
そうすると、前方の路肩で、マラソン選手を応援する人みたいに両親が並んで手を振っているのが見える(ような気がする。)
ひょうきんな父は、両手を大きく振って私の名前を呼んでいる。
母はその隣で笑顔で右手を降りながら立っている。
そして、「ああ、もう両親はいないのだ」とそのたびに気づき、まだ、日本に行きさえすれば会えるような気が、どこかでしていることに呆れる。
母の死に目には会えなかったが、父には会えて、葬儀にも出られたというのに。

明日、父が他界して3年になる。