ランブータンという果物のことを、ハワイに来るまで知らなかった。
ファーマーズマーケットで見かけるけれど、買ったことはない。
職場の奥にあるトロピカルガーデンで採れたランブータンを、いくつかもらった。
親指と人差し指で〇を作ったよりも大きく、てのひらの窪みに乗っかるぐらいの大きさ。
全体に柔らかい「毛」でおおわれている。
これは「毛」といっても植物の繊維のようなもの。
皮を剥くと、こんな感じ。
そう!これはまさしくデカいライチだ。
味もライチそのもの。
ランブータンがこんなに美味しかったとは。
真ん中の種は大事にとっておいて、家に帰ってから土に埋めた。
芽が出て育って、実がなったらいくらでも食べられるぞ。
「ランブータンは成長して実がなるのに15年ぐらいかかるらしいよ」
と言うのは夫。
なに!!15年!!
可愛がっていた猫を亡くした、私よりもいくらか年上の知人が、猫は飼いたいけど、最後までみてあげられるかわからないから飼えない、と言っていた。
そういわれてみれば私だって、うちのチーズケーキ達があと10年、コーちゃんは15年は生きてくれるとすると、そのあとはもう猫が寿命を全うするだけの時間が私にはないだろう。
若いころは、残された時間など考えたこともなかった。
老いたら死ぬのはわかっていても、それはどこか遠くの国の物語のようだった。
それが気がつけば、手が届くような近さに感じられる。
私もいよいよ、何かをするのに残りの時間を計算する年齢になったのだな。
果たして私は植えたランブータンを食べられるのだろうか・・・