小切手がなくなりそうだったので、新しい小切手帳をオーダーした。
オンラインでできるということなので、やってみたのだが、何回やっても同じところでエラーが出てしまう。
仕方がないので、休日に銀行に出向いて窓口で頼んできた。
珍しく愛想のいい銀行員が、ちゃちゃっと手続きをしてくれた。
「いつ頃できます?」
「15ビジネスデイ(週末を除いて15日)」
3週間みれば、家まで郵送されてくるはず。
私はカレンダーに、『小切手オーダー』と書き込んでおいた。日本と違って、いろいろと信用できないことが多いので、こうして何かをした日付を書き付けておく習慣がついているのだ。
それが、6月20日。
今日でまるまる1か月になるのに、まったく音沙汰ナシ。
今日、銀行に行く用事があり、そのときに聞いてみた。
担当は、顔も体もまんまるい、はちきれそうなテイラー。
「1か月前に小切手オーダーしたんだけど、オーダーが通ってるのかどうか調べてもらえますか」
「ちょっと待ってねー。あーー・・・オーダーされてませんねえ」
なにィッ!!
まあ、十中八九、そんなこったろうと思ったさ。いまさら驚きませんわ。
私は大人になって、穏やかに言った。
「それじゃあ届くわけないよね、ここで新たにオーダーすることにします」
「その前に、ちょっと確認してきますのでお待ちください」
ドコドコと戻って来たテイラーは、付箋紙を持っていた。
「えーと、オーダーは受けているんだけど、ID確認のアップデートが必要だったみたいで」
私はIDを提示して、その内容をテイラーがコンピューターに打ち込んでいる間に付箋紙を盗み見したら、
IDアップデート必要、電話したが応答なし、7月13日
と書かれていた。
銀行に届けてある代表電話番号は、固定電話の番号で、それは義両親の家にある。今はなんでも携帯電話で、固定電話など、ただの置物になっている。
義両親が留守のときに、銀行は電話をかけたのだろう。
しかし、銀行には義両親の携帯電話番号を知らせてある。私の使う小切手には義両親の名前も連名になっているのだから、代表電話がだめなら、そちらに連絡してみようとは思わなかったのか。
思わなかったんだな、うん。
「オッケー!これで完了!あとは・・・」
「15ビジネスデイ待つんですね」
「あ、よくご存じで( ^ω^)・・・」
まあね。
カレンダーに、
7月20日小切手オーダー。テイラー
と書き込んだ。さて、届くかどうか。