兵庫県立美術館で開催されている怖い絵展、9月2日にやっと観に行くことができました。
中野京子さんの講演会のあった日(8/20)に、あまりの混雑に怖れ^^をなして出直したのですが、さらに混雑^^していました。
この日(9/2)は学芸員の解説会があって、開館時間も午後8時までと長い土曜日だったので、もう出直さないで待とうと覚悟しました。
学芸員さんの解説会は当初100名定員のはずが、希望者が多く急きょ250名入れる部屋が用意されました。
スタッフさんたちの臨機応変の決断に感謝です。
解説会ではちょっとしたトラブルがありました。
幼稚園の年長さんか小学校低学年ぐらいのお子さんと誕生日前の赤ちゃんを連れたお母さんも参加していました。
部屋の変更もあったりして、チケットを買うために並んだ人たちの間をぬって、ベビーカーと上のお嬢さんを連れて移動するのも大変だったでしょう。
解説会前に授乳して、赤ちゃんを眠らせたかったのかもしれません。
直前に部屋にもどってきて、部屋が暗くなったとたん、赤ちゃんが泣き出しました。
最初の1枚の絵の解説中泣き止まなかったのですが、お母さんは部屋を出る気配がありません。
学芸員さんは絵が怖かったのかな? なんて言いつくろってくれましたが、さすがに次の絵の解説が始まった時に後ろの方に座った何人かの方たちから泣き声で解説が聞こえませんと声があがりました。
スタッフのかたが、お母さんに、ひとまず出ましょうと声をかけました。
一番前に座っていたお母さんはその方に「(上の)子どもが来たいと言ったから来たのです。ずっとおとなしくしていたのに・・・」と訴え、キッと後ろを振り向いて、「子連れはこういうところに来ちゃいけないっていうことですか?」と叫ぶように言いました。
う~ん、そんなことはないけれど、大人だって解説会で雑談なんかで騒がしくしたら、そういう人には部屋を出てほしいと思う人がほとんどでしょうね。
時と場合によりますね。
ほんとに強いお母さんで、部屋を出るときに会場を振り返って「年金で・・・(不明)・・・いいですね」と捨て台詞を残していきました。
周りから苦笑的な笑いが起こっていましたが、私には聞き取れませんでした。
上のお嬢さんはたまたま2列目で私の隣りに座っていたので、授乳で外に出ていた時に、お母さん間に合うかなぁと、話しかけたりしていたので、なんとそのまま大人しく50分ほどの解説を聞き遂げました。
きっと、しっかり子育てをしているお母さんなんでしょう。
そのあとロビーで、出会ったので、「今日は大変でしたね」と声をかけました。
同じ年頃の女性たちから「非常識だ」的な声があがったのが、悔しかったようでした。
でもね、学芸員さんに、追い出した形になってしまってごめんなさいとあやまっていた人もいたんですよ。
困ったなぁとは思っても、子連れでレクチャーを受けちゃいけないと思っている人は少なかったはずです。
で、解説を聞いてから回った怖い絵展、最高におもしろかったです。
6章あって、最後の部屋に展示されている、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は251cm×302cmの大作。日本初公開です。
この絵1枚観ただけでも、この展覧会に来た甲斐があります。
もちろん、ほかの絵だって見逃せません。
ルドン、モッサ、ドラクロワ、ムンク、セザンヌ、ターナーなどの怖い絵を観られるんですよ。
この絵をロンドン・ナショナル・ギャラリーで観た夏目漱石の逸話なども盛り込んで、吉田羊さんの音声ガイドはそれだけで、一人芝居を聞いてるよう。お薦めです。
時間に余裕があったら、常設会場のプレミアム展もどうぞ。