『五百万石(ごひゃくまんごく)』といえば、お酒を造るための原料になるお米の品種として定着しております。とくに我らが新潟では昭和32年から、平成16年に『越淡麗(こしたんれい)』が出てくるまでの長きにわたり県産清酒を支えてきてくれた大切なお米なのですよ。もちろん今でも無くてはならない存在に変わりはありません。
ちなみに新潟県は昭和32年に県産清酒の振興方策としてお米だけでなく、『清酒 五百万石』の商標登録を行い、その後新潟県酒造組合がこの商標の移譲を受けております。
残念ながら私はこのラベルが貼られたお酒を目にしたことはありませんが、古い資料のおかげで 県を挙げて新潟清酒を盛り上げていこうと努力なさった方々の強い気持ちを感じることはできますわ。
そのような先人たちに敬意を表しまして、あえて今 『五百万石』の昭和33年当時の栽培地域指定図を模写させていただきました。
『五百万石』の特性から出来あがったお酒がやや淡白になることは当時から認識されており、しかし県産の他品種よりは濃厚で醸造適性も高いとして奨励されたそうで。あとは各酒蔵さんの技量でいかに使いこなすかといったところだったのでしょうね。
酒米の王様『山田錦』で造られたお酒と飲み比べてみると楽しいですよ。