ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇8月15日

2021年08月15日 20時42分25秒 | 短歌

永田和宏選

何にでも「はい」と返事をする人形買ってあげよか夫の退職   宮崎市 野田由美

 笑っちゃうけれど、そう思いますね。面白くて選びました。妻はたくさん我慢してきたんだよって文句言いたくなるけど。

馬場あき子選

エノラ・ゲイまもなく飛んできた時刻オリンピックの空も同じ青 アメリカ 大竹幾久子

ウイルスに勝てない証 観客のいない五輪の開会式は      観音寺市 篠原俊則

声を掛け白杖の人と歩きおりコロナ・熱中症をこもごも語る   町田市 山田道子

 一首目、広島に原爆を落としたエノラ・ゲイ、時刻は8時15分。真夏のオリンピックは朝早くから競技を行っていましたね。6日の朝は何だったかしら?二首目もオリンピックを詠んでいます。開会式もほとんどの競技も無観客。それでもコロナ感染はどんどん増えてしまいました。無観客でまだよかったのかもしれませんが、コロナに打ち勝ったオリンピックとは言えませんでしたね。やるしかなかったのか?まるで先の戦争みたい。三首目、私も経験あります。ちょっとしたことで街中で全く知らない人と話すことになり、いろんな話をしながら歩いたり。それは何か縁を感じたりしますね。

佐佐木幸綱選

酒出せぬ緊急事態の居酒屋でやけに目につくアルコール液    川崎市 五島文彰

うちつけに夏は来にけり一夜明けまっしろな雲まっしろなシャツ 逗子市 織立敏博

 一首目、アルコール類は出せなくて、アルコール消毒液ばかりが目に付く、つらいですね。気持ちわかります。二首目、なんだかきもちいい歌です。まっしろな雲にまっしろなシャツ。これをよんだのが逗子市の方。ああ、逗子の夏、いいなあ!

高野公彦選

戦死した兵の数だけ母がいて母が支えた戦後の平和      三郷市 木村義煕

仰向けにジタバタしている黄金虫を水より救って余生の一善  三島市 渕野里子

 一首目、どれだけ若者が無残に殺されていったか、そして若者を戦争に出すことが国のためだと思い込まされ、無謀な戦争に当然負けた日本。今日、特攻の番組をテレビで見ましたが、「生きるために戦争をしているのに、死ぬために戦争するのが信じられない」といった米兵の言葉が印象に残りました。未来のある若者の命を犠牲にして、軍の上層部はあまりに無責任。特攻で生き残っても恥だと言われ、次は絶対に死んで来いって、なんて世界でしょうか。そりゃそうですよ、母親は国に裏切られたようなものです。それでもいまだに男社会のままですよね。おろかなミソジニーが蔓延しています。女性は男性に奉仕する存在じゃないんだよ。同等の権利があるんだから!二首目、私もよく、マンションの廊下などでひっくり返った虫をなんとか救おうとしています。素手ではできないけど。戸建ての時はベランダに蝉がひっくり返って暴れているのが怖かった。虫の生涯は短い。せめて何とかしてあげたい。人間は長生きしすぎたのかもしれませんね。人類のせいで地球温暖化が進み、異常気象が頻繁に起こるし、新型コロナは地球という生命体が人類を滅亡させようとしている手段なんじゃないかと思ってしまいます。だって、おかしいじゃないですか。たった数分の無重力宇宙飛行に億単位のお金を使う富裕層、どんなに働いても貧しさから抜け出せない貧困層。こんな人類に未来はある?

 今日は終戦の日。戦争を想像してみてください。もう、それを語る人も少なくなってしまいました。

コメント (4)
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