永田和宏選
プーチンもゼレンスキーも名を残す無名の人は死にゆくばかり 千葉市 塚谷隆治
ウクライナ侵攻でたくさんの民間人が殺されています。名前も残らないまま・・、きっと私たちも同じ目にあったかもしれない。安全な国なんか、この地球にはないのではないでしょうか。
佐佐木幸綱選
動物がおびえていると園長は戦火の中に留まるという 前橋市 荻原葉月
ジャベリングやスティンガーなど昨年の春には知らざりし武器を覚える 昭島市 西山美津江
一首目、キーウの動物園のことだと思います。私もウクライナ侵攻がはじまってから、動物園やペットたちがとても心配でした。上野動物園では、第二次大戦のとき、動物は国の方針で殺されたのです。戦争はあまりに残酷です。二首目、代理戦争で、すでに兵器宣伝のための戦争かとまで思ってしまいます。武器商人は笑いが止まらないのでしょうか?ひどい話ですよ。
高野公彦選
百四十三個のテディベア並ぶロシアの奪いし子どもらの数 観音寺市 篠原俊則
再上映「ひまわり」見つつウクライナの別れあまたを暗がりに泣く 我孫子市 松村幸一
一首目、この戦争でたくさんの子どもの命が奪われました。こんなことするなんて、ロシアはひどすぎる!二首目、映画「ひまわり」の舞台がウクライナです。第二次大戦が終わって、戦争の生で離ればなれになった男女の、一人の棲む土地があのひまわりが咲く平原だったんですよね・・。ひまわりと、小麦畑の平和だった平原を、一瞬にして戦地に変えた罪は大きいですよ。先日、図書館で借りた林周作著「世界の郷土菓子」に、彼が10年前に訪れたウクライナのことも書かれていました。登場している人たちが今、どうしているのか本当に気がかりです。ウクライナの郷土菓子は、スィルニキとモルコヴニツェのふたつのレシピが載っています。