TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

南アルプス その4

2015年10月11日 | Weblog
2日目の朝に話しは戻ります。
朝食は5時からなので、済み次第スタートします。あまりのんびりしている暇はありません。
2日目の1日で7峰登らなければなりません。山体の大きな南アルプスの山々はまるで天界へ続いているかのようです。
青い空と初冠雪の稜線は本当に素晴らしく、気分はMAXです。ですが、やはりツラい。今回の山行は急がないと決めていたのに、さらにペースが落ちていきます。焦る気持ちがないので、なおさら遅れ気味になります。
ほかの登山者が居なくなる山頂での時間を待っていたりしていました。独りの時間が欲しくなりました。
とぼとぼと一人で歩くのはとても気持ち良く、大きく深呼吸したり激しくあえいだり飾らない自分を惜しみなく出しながら進み続けて行きます。

やがて荒川三山最後の峰、前岳の山頂に着いて腰を降ろします。
あれ?こんなところに携帯電話が置きっぱなしだ。たぶん今すれ違った2人のどちらかでしょう。
一人はかなり急いで進んで行ったので、追いつかないと思います。もう一人はあっという間に中岳の山頂に登って降りてきました。
あ、外人さんだ。
速いです。追いつきません。
頑張って声が届くところまで近づいたところで『ヘーイ!○×△(ちょっとまって~と言ったつもり)』
振り返ってくれて上着を脱いでいます。やった追いついた。
話かけると日本語は『こんにちは』だけ。まったく通じません。なので英語っぽい言葉でなんとか会話。
チェコスロバキアから来たんだって言ってます。およそ1ヶ月間、日本の山々を楽しんでいる(そう聞こえた)のだそうです。日本の山はすごくいいと言ってくれました。
携帯電話を落とさなかったか?と聞いたつもりが首をひねるばかり。見せて『あなたの携帯電話ですか?(と聞いたつもり)』と聞いてみる。どうやら違うらしいです。最後にありがとうと言ってくれたので、内容は分かってくれたようです。
ならばもう一人の方だな…。
今から追っても追いつけないので、小屋に入ったら皆さんに声をかけてみよう…。

荒川小屋に着くと、数人の方々と一緒になりました。
ここで遅れ気味なのを小屋番さんに指摘されてしまった訳ですが。先着の方は昨晩お隣の寝床になった方でした。何か周りの人に尋ねています。
『携帯電話落としちゃったんだけど…』
は?思っていた方と違ったな。
『これですか?』と差し出すと、『あー良かった。それそれ』
僕も他人の携帯電話を長い時間持ち歩かなくて済みました。良かった。

そこから急な登り下りを繰り返し、800mの登り返しをこなして赤石岳に到着しました。
もう最後は死ぬかと思いました。
だって見るからにつらそうな山の大きさなんだもの。でも、登ってみると割とあっさりと山頂に着いてしまいました。
あとは小屋を目指して降りるだけ。
稜線をあとにする前にコーヒーを淹れて、持ってきたパウンドケーキを食べました。
う~ん、やっぱり美味しい。
遅れているのにコーヒー飲めるのは、これから得意な下りだからという安心感からでしょう。
ここで若いご夫婦と再び一緒になって小屋までの下りを楽しむことにしました。
でも、素直には下れませんでした。登り返しや極悪なトラバースが待っていたのです。『あーもう登りたくなーい』と言いながら頑張ります。
危ない区間を終えた富士見平で最後の休憩を取り、やがて赤石小屋に到着しました。
ヤレヤレ。一時間の遅れを取り戻すことが出来たのも一緒に下山できたご夫婦のおかげです。

そして、その3でお話しした出来事があり、やがて眠りに着こうとしましたが…
となりの寝床から獣声が…(笑)
すごい。すご過ぎます。
一時間頑張ったけど、もうだめ。
頭と足を皆さんと逆にしてなんとか夢の中へと落ちていけました。

翌日はバスの時間までに下山すれば良いのですが、バスを待ちながら旅の記録をしたかったので朝食が済んだら割と早めにスタートしました。
そして到着順で2番の整理券をいただきました。

いい山旅になって本当に良かったです。下山後に寄った温泉も最高でした。帰り道、東名高速で事故があったためまたもや長い運転を強いられたことを除けばね…。
コメント
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