本ブログでは大変珍しいことなのだが、今日は“主婦業”に関する話題を取り上げることにしよう。
当ブログのその他オピニオンカテゴリーのバックナンバー「料理嫌いな女」においても既に取り上げた通り、私は“主婦”としての殊勝な心がけなど一切持ち合わせていない「主婦失格女」である。
と言う以前に、この“主婦”という言葉には結婚前より大いなるアレルギーがある私は、結婚後外部に対して自ら“主婦”と名乗ったことなど一度もない。 (不労所得はあるものの)ここ数年職業らしきものから離れている現在、例えば履歴書の職業欄に何と書くべきか等、現在の自分の身分を表現する言葉にいつも困惑するのであるが、まかり間違っても“主婦”などとは記載しないで“無職”の表現を用いることを好む私である。
このように、普段“主婦”という自覚がまったくない私であるが、その実はと言うと、料理以外は日々結構まめに“主婦業”に励んでいる種の人間なのである。
それには理由がある。 私の“主婦業”行動は、根っからの「綺麗好き」気質に端を発しているのだ。
独身時代の一人暮らしの頃から、例えば外で飲んだくれて深夜に帰宅しても、必ずシャワーは浴びて、その日着ていた衣類を手洗いで(洗濯機は騒音を発するため)洗濯してから就寝した。翌日の朝起きてその記憶がおぼろげな私は、ベランダに衣類が干されているのを発見して、自分の“頑張り”にいつも驚きつつ感心したものである。
仕事のない休日の午前中は、必ず部屋の掃除と布団のシーツ等の大きいものの洗濯、そして晴れた日には布団干しに勤しんだ。
休日の日課はこのノルマが最優先で、これをこなしてからでないと外出しないことに決めていた。 例えば彼氏に休日朝からの遠出ドライブ等に誘われた場合も、我が“綺麗好きノルマ”達成のために約束の時間をずらしてもらったりしたものだ。
独身時代からのこの習慣が現在も“主婦業”という形で続き、掃除洗濯、布団干し、部屋の整理整頓等に日々勤しみ、休む間のない私なのである。
話が変わるが、5月16日付朝日新聞「声」欄に、82歳主婦からの“雨上がりの布団干し避けよう“と題する、一風変わった“信憑性”に乏しい投書があった。
この投書を少し紹介すると、どんなに晴れていても雨が降った翌日は湿気が多いので布団干しはいけない、と女学校の家庭科で教えられ、母からもきつく言われそれが常識と思っている。ところが、今は雨の翌日に平気で布団を干している家が多いのに驚く。お天気との付き合い方などの教えや知恵がだんだん失われていくようで、寂しい…、とのことである。
82歳という人生の大先輩に対して物申すのも気が引けるのだが、ここでは「その言葉、ちょっと待った!!」と異論を提示するしかない。
布団干し暦30余年の“ベテラン布団ホッシャー”(何じゃそれは??)の私に言わせていただくと、この投書内容は明らかに“がせネタ”である。 たかが主婦の一仕事でしかない“布団干し”と言えども経験がものを言うものだ。
この道のエキスパートともなれば、外の空気を鼻で一瞬嗅いだだけでその日の湿度のパーセンテージがほぼ正確に分かるのである。 空気を鼻で嗅がずとも、ベランダの雨の残り具合や排水溝の乾き具合を少し観察すれば、その日の湿度の状態が一目瞭然で、今日は布団を干せるか否かが一瞬にして分かるのものだ。
(もちろん、この投書の女性は高層集合住宅など皆無だった頃の教えに基づき投書されたのであろうが。)
私論に入るが、雨の翌日が必ずしも湿度が高いとは言い切れない。湿度は気圧配置や風の向きに大いに左右され、たとえ雨の翌日と言えども爽やかに晴れ渡る日は多い。
“布団干し”と湿度は確かに切り離せないものである。だが、その日や前日の天候のみによって杓子定規に布団を干すか干さないかを判断するのではなく、たとえ馬鹿でもできる(失礼!)“主婦業”の中の一仕事であれ、昔伝授された知識に頼るのみならず、自らの経験により得た勘等も活かしつつ日々取り組むべき業であろう。
ついでの話になるが、布団干しには“危険も伴う”事実もわきまえるべきというアドバイスを“ベテラン布団ホッシャー”の私からご伝授しよう。
我が布団干し歴30余年の間に、ベランダに干した布団を風で飛ばす、という大失態を経験している。
特に高層住宅の上階では強風のビル風が吹き荒れ易いのであるが、我が家が超高層タワー物件に居住していた時に、この失敗を経験している。
この超高層タワー物件においては、物件購入契約締結時の「重要事項説明書」にベランダに布団を干すことを禁止する条項が盛り込まれていた。入居後も「管理組合規則」としてベランダへの“布団干し”禁止を厳しく指導していた。 なぜならば、激しいビル風で飛ばされた布団が凶器と化すからである。飛んだ布団が下を通行している車や人に当たった場合の惨事をご想像いただくと、布団が凶器と成り得ることは想像がつくであろう。
それが理解できていながら、当時まだまだ人生経験が足りず未熟だった私は、自らの“綺麗好き”の本能に任せて超高層タワー物件で果敢にも布団を干したのだ!!
干したはずの布団の姿がベランダに影も形もない光景を目にした時には、心底怯えたものである。(布団って、本当に飛ぶんだ…… )
急いで飛んだ布団を探しに外へ出た私は、命拾いをした。布団はタワー敷地内の植栽の上に落ちていた。 (ホッ…) 人目を気にしつつ飛んだ布団を持ち帰った私は自分の愚かさを恥じつつ、(こんな超高層タワー住居では、ホカホカの布団で寝るというような人間らしい暮らしは所詮無理なのかなあ…)との感覚を抱いたものだ。
その後、我が家はまもなく(他の理由もあったが)低層住宅地に住居買換えの運びとなる。
太陽光を浴びたホカホカの布団のぬくもりは毎晩はずせないよなあ。あれは「布団乾燥機」では到底味わえない贅沢であるのかもしれない。
これからもまずは自分の安らぎのために、私は“ベテラン布団ホッシャー”でい続けるぞ。
当ブログのその他オピニオンカテゴリーのバックナンバー「料理嫌いな女」においても既に取り上げた通り、私は“主婦”としての殊勝な心がけなど一切持ち合わせていない「主婦失格女」である。
と言う以前に、この“主婦”という言葉には結婚前より大いなるアレルギーがある私は、結婚後外部に対して自ら“主婦”と名乗ったことなど一度もない。 (不労所得はあるものの)ここ数年職業らしきものから離れている現在、例えば履歴書の職業欄に何と書くべきか等、現在の自分の身分を表現する言葉にいつも困惑するのであるが、まかり間違っても“主婦”などとは記載しないで“無職”の表現を用いることを好む私である。
このように、普段“主婦”という自覚がまったくない私であるが、その実はと言うと、料理以外は日々結構まめに“主婦業”に励んでいる種の人間なのである。
それには理由がある。 私の“主婦業”行動は、根っからの「綺麗好き」気質に端を発しているのだ。
独身時代の一人暮らしの頃から、例えば外で飲んだくれて深夜に帰宅しても、必ずシャワーは浴びて、その日着ていた衣類を手洗いで(洗濯機は騒音を発するため)洗濯してから就寝した。翌日の朝起きてその記憶がおぼろげな私は、ベランダに衣類が干されているのを発見して、自分の“頑張り”にいつも驚きつつ感心したものである。
仕事のない休日の午前中は、必ず部屋の掃除と布団のシーツ等の大きいものの洗濯、そして晴れた日には布団干しに勤しんだ。
休日の日課はこのノルマが最優先で、これをこなしてからでないと外出しないことに決めていた。 例えば彼氏に休日朝からの遠出ドライブ等に誘われた場合も、我が“綺麗好きノルマ”達成のために約束の時間をずらしてもらったりしたものだ。
独身時代からのこの習慣が現在も“主婦業”という形で続き、掃除洗濯、布団干し、部屋の整理整頓等に日々勤しみ、休む間のない私なのである。
話が変わるが、5月16日付朝日新聞「声」欄に、82歳主婦からの“雨上がりの布団干し避けよう“と題する、一風変わった“信憑性”に乏しい投書があった。
この投書を少し紹介すると、どんなに晴れていても雨が降った翌日は湿気が多いので布団干しはいけない、と女学校の家庭科で教えられ、母からもきつく言われそれが常識と思っている。ところが、今は雨の翌日に平気で布団を干している家が多いのに驚く。お天気との付き合い方などの教えや知恵がだんだん失われていくようで、寂しい…、とのことである。
82歳という人生の大先輩に対して物申すのも気が引けるのだが、ここでは「その言葉、ちょっと待った!!」と異論を提示するしかない。
布団干し暦30余年の“ベテラン布団ホッシャー”(何じゃそれは??)の私に言わせていただくと、この投書内容は明らかに“がせネタ”である。 たかが主婦の一仕事でしかない“布団干し”と言えども経験がものを言うものだ。
この道のエキスパートともなれば、外の空気を鼻で一瞬嗅いだだけでその日の湿度のパーセンテージがほぼ正確に分かるのである。 空気を鼻で嗅がずとも、ベランダの雨の残り具合や排水溝の乾き具合を少し観察すれば、その日の湿度の状態が一目瞭然で、今日は布団を干せるか否かが一瞬にして分かるのものだ。
(もちろん、この投書の女性は高層集合住宅など皆無だった頃の教えに基づき投書されたのであろうが。)
私論に入るが、雨の翌日が必ずしも湿度が高いとは言い切れない。湿度は気圧配置や風の向きに大いに左右され、たとえ雨の翌日と言えども爽やかに晴れ渡る日は多い。
“布団干し”と湿度は確かに切り離せないものである。だが、その日や前日の天候のみによって杓子定規に布団を干すか干さないかを判断するのではなく、たとえ馬鹿でもできる(失礼!)“主婦業”の中の一仕事であれ、昔伝授された知識に頼るのみならず、自らの経験により得た勘等も活かしつつ日々取り組むべき業であろう。
ついでの話になるが、布団干しには“危険も伴う”事実もわきまえるべきというアドバイスを“ベテラン布団ホッシャー”の私からご伝授しよう。
我が布団干し歴30余年の間に、ベランダに干した布団を風で飛ばす、という大失態を経験している。
特に高層住宅の上階では強風のビル風が吹き荒れ易いのであるが、我が家が超高層タワー物件に居住していた時に、この失敗を経験している。
この超高層タワー物件においては、物件購入契約締結時の「重要事項説明書」にベランダに布団を干すことを禁止する条項が盛り込まれていた。入居後も「管理組合規則」としてベランダへの“布団干し”禁止を厳しく指導していた。 なぜならば、激しいビル風で飛ばされた布団が凶器と化すからである。飛んだ布団が下を通行している車や人に当たった場合の惨事をご想像いただくと、布団が凶器と成り得ることは想像がつくであろう。
それが理解できていながら、当時まだまだ人生経験が足りず未熟だった私は、自らの“綺麗好き”の本能に任せて超高層タワー物件で果敢にも布団を干したのだ!!
干したはずの布団の姿がベランダに影も形もない光景を目にした時には、心底怯えたものである。(布団って、本当に飛ぶんだ…… )
急いで飛んだ布団を探しに外へ出た私は、命拾いをした。布団はタワー敷地内の植栽の上に落ちていた。 (ホッ…) 人目を気にしつつ飛んだ布団を持ち帰った私は自分の愚かさを恥じつつ、(こんな超高層タワー住居では、ホカホカの布団で寝るというような人間らしい暮らしは所詮無理なのかなあ…)との感覚を抱いたものだ。
その後、我が家はまもなく(他の理由もあったが)低層住宅地に住居買換えの運びとなる。
太陽光を浴びたホカホカの布団のぬくもりは毎晩はずせないよなあ。あれは「布団乾燥機」では到底味わえない贅沢であるのかもしれない。
これからもまずは自分の安らぎのために、私は“ベテラン布団ホッシャー”でい続けるぞ。