原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

弱者をいたぶる金融機関のマイナンバー登録強制

2016年04月28日 | 時事論評
 (写真は、私の手元に届けられた某生命保険会社よりのマイナンバー強制登録指定用紙。)


 皆様のお宅にも、諸金融機関からマイナンバー強制登録申請用紙が届いているであろうか?

 少し前までは“任意”でのマイナンバー登録願いが届けられたが、そもそも断固としてマイナンバー制度反対派!の我が家としては、無視を決め込み放置・廃棄処分して済ませて来た。

 
 ところが、先だって某生命保険会社より届けられたマイナンバー登録は“強制”との事だ。
 しかも、その内容がよ~~く読まない事には分かり辛い事に腹立たしさを煽られる。 (強制ならばせめてもっと万人に分かり易く書けよ!

 上記写真をご覧いただきたい。
 要するに、今回のマイナンバー登録強制に際し、既にマイナンバーカードを取得している対象者と非取得者を分けて登録させる必要があるとの事だろう。
 マイナンバーカード取得者は、当然ながらそのカード自体が現在の我が国に於いて「最高にして最強の自己証明書類」であるため、それをそのままコピーして送付すると済むようだ。

 マイナンバー制度自体に反対している私など、国家に迎合して今後マイナンバーカードなどを作ろうとなどの意思が毛頭ない!
 つまり、現時点で私が所有しているのはマイナンバー「通知カード」のみだ。 まさかその事態を責めようとの民間金融機関の魂胆ではない事には助けられるが、その場合の手続きが実に鬱陶しい。
 私が思うに、金融機関が手書きの書面を送付してそれを返信して済むならばまだしもマシなのだが、そうではないのだ。
 再び上記写真をご覧頂きたいが、あえて“手書き”を回避する手段を採ったと思われる。(要するに、高齢者顧客等に手書きさせたなら誤記の恐れがあると判断したのだろう。)
 これが実に鬱陶しい。 金融機関所定のフォーマットにマイナンバー「通知カード」と「運転免許証」の実物を書面の切り込みに差し込み、それをコピーしたものを送付せよとの指示だ。 
 ちょっと待ってよ。  我が家など自宅にプリンターがあるからそれの実行が可能だが、もしもそれがない顧客には外部のコピー機で自腹出費してそれを実行してでも、強制登録用紙を金融機関まで送れと言うのか??


 それがその通り!である事実こそが、原左都子がマイナンバー強制登録制度を「弱者いたぶり」と結論付ける故だ。

 私自身は上記の措置で済んだものの、現在高齢者有料介護施設に住む義母の場合そうはいかない。

 偶然だが、義母も私が契約している上記の生命保険会社と取引(参考のため取引内容は私も義母も個人年金保険なのだが)があり、義母の手元に当該「マイナンバー強制登録用紙」が送付されたとの連絡があった。
 認知症状が悪化する義母にとって、その書面の読解力が無い事など重々承知だ。 早速義母の住むケアマンションに参上して、その手続きを身元引受人である私が代行する事態と相成った。
 義母の場合もっと複雑なのは、自己証明書類として「運転免許証」を取得していない事だ。 顔写真が無い証明書にて自己証明をするためには、証明書類が2部必要との記載だ。(まったく行政は何処まで弱者をいたぶれば気が済むのか…
 やむを得ない。 ここは身元引受人の私がひと肌脱いで動くしかしょうがない。 
 と言う訳で、一昨日義母の住民登録地である某大都心に位置する区役所へ出かけた訳だ。 (その帰り道で“女優にスカウト”された話題は前回の我がエッセイ集にて公開した。 マイナンバー制度に怒り心頭の私にとって、多少の心のオアシス事件だったとも言えるが。)

 ただ皆様もご存知だとは思うが、国家が国民皆に強制する「マイナンバー制度」とは、国家財政巨額破綻の現状に際し、政権こそが国政失敗を顧みるべきなのにそれを実行せず、身勝手にも末端国民からカネを巻き上げようとの制度である。
 その代行のために、末端に暮らす弱者である私が義母の住む施設を尋ねさせられたり、その義母の公的書面を取得するがために幾日もの日数を費やし、我が貴重な時間を無駄に費やすはめになった事が許し難いのだ! 


 ここで、我が国の政権が実施せんと企んでいる「マイナンバー制度」に関する情報を、以下に国家の公的「マイナンバー」ページより少しだけ紹介しよう。

 マイナンバーは、住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるものです。   マイナンバーは、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤であり、期待される効果としては、大きく3つあげられます。
 1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)
 2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)
 3つめは、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)
 マイナンバーはいつから誰がどのような場面で使うの?
 平成28年1月からマイナンバーを利用します。
  平成28年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが必要になります。 このため、国民の皆様には、年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバーの記載を求められることとなります。
 また、税や社会保険の手続きにおいては、事業主や証券会社、保険会社などが個人に代わって手続きを行うこととされている場合もあります。このため、勤務先や証券会社、保険会社などの金融機関にもマイナンバーの提出を求められる場合があります。
 (以上、現在国家がネット上で公開している「マイナンバー制度」に関する情報より一部を引用。)


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 税制度に関して国家がやるべき事とは、法人等の“巨額脱税”こそを取り締まる方策を強化する事ではあるまいか?!
 ところが、これさえ実施不能な程に「国家と巨大民間組織との癒着」が進んでいると私はずっと以前より把握しているが…

 確かに、底辺に暮らす庶民の中にも脱税を企てている人物や組織が存在するのかもしれない。 
 それを「弱者は潰し易い」との観点で“しらみ潰し”手段で脱税実態をかき集めマイナンバー制度にて増税を企もうとの政権の意図も、分からないでもない。
 あるいは特に安倍政権は(既に廃れた)アベノミクス経済政策に於いて、ここ2,3年は大企業保護・支援に邁進したばかりに経済政策大失策を経験してしまっている。
 だから故に、今後は底辺庶民をいたぶろうとの魂胆か?

 末端に暮らす庶民の立場としては、「マイナンバー制度」とは、弱者虐待制度としか言いようがない。

 私など、義母が契約している金融機関へのマイナンバー強制登録のために、その処理を代行した人件費を国家から今すぐ賠償して欲しい思いすら抱いている!