原左都子は、生まれながらに「歯」が弱いというDNA資質を運命付けられている。
今冬実行したイタリア旅行出発直前にも微熱を出したが、その原因は歯の痛みと歯茎の腫れによるものだった。
ここ10年程は高熱こそ出していないものの、微熱は何度か繰り返している。 2年程前に経験した右手首、左鎖骨同時骨折時にも38℃近い熱が出たが、その他のほとんどは「歯」を原因とする発熱だった。
今回の発熱もその例外ではない。
去る4月4日(月)午後に歯科医院にて抜歯を施したが、その夜から徐々に熱が上がりその後2日間に渡り38℃超の発熱に苦しめられた。
昨日朝になってやっと微熱まで下がり、午後に歯科医へ抜歯後点検のため受診したところ、発熱原因はやはり“抜歯”によるものとの医師の判断だ。 今回抜いたのは上顎奥歯の大臼歯なのだが、元々すべての歯がドデカい私の口の中で一番の面積を占めている奥歯だった。 先生がおっしゃるにも、「抜いた後の傷口が大きいため、発熱もやむを得なかったでしょう」との説明だ。
参考だが、今回抜いた歯はイタリア旅行前に痛んだ歯とは別である。 私の奥歯は“親知らず4本”を含め既に10本抜歯済みだが、現在ブリッジを支えている残された奥歯のすべてがX線映像によれば根が傷んでボロボロ状態… いつまた抜歯の運命を辿るやら… との心細さだ。
今回の場合2日間で高熱が下がってくれたため、まだしも命が繋がり助かったとホッとする思いだが、これが何日も続いたら… と、布団の中で我が命の絶える近き日を想像し、もだえ苦しんだりもした。
還暦を過ぎる事とは、自分の身体に関して弱気にならざるを得ない病人にそんな心理状態をもたらす事を実感だ。
しかも今回運が悪い事には、一番苦しんだ火曜日に2名の訪問者を予定していた。
(参考だが元々亭主と娘には依存しない生活を営んでいる我が家の場合、雨が降ろうが槍が降ろうが家中のほとんどの業を私一人で執り行っている。 今後も我が命の終期が迫ろうとその状況は永遠と続くだろう…)
訪問者の一人は、ダスキンの交換目的だった。
月1回の交換日には必ずダスキンモップで家中の一番汚れた箇所(窓サッシや玄関ポーチ、ベランダの排水溝付近等々)を掃除した後交換するスケジュールと決めている。
今日のこの日、それをこなして新しいモップに取り替えてもらわない事には、この先1ヶ月間汚れたモップで掃除せねばならない。 潔癖症の私はその事態がどうしても気持ち悪く耐えられず、寝込んでいる訳にはいかない。 布団から這いずり起きてそれを実行し無事に交換し終えた。
次なる訪問者とは、2週間ほど前より約束があった我が個人年金死亡受取人変更手続きのため担当者が我が家に来る予定なのだが、それも自力でこなさねばならない。
この事案に関しては一旦日程を変更しようかとも考えた。 だが、その日程変更願い電話を掛けてヘラヘラ丁寧に喋る負担の方こそ高熱の私にとっては勘弁して欲しい気分だ。 10分もあれば済む手続きと承知していたため、約束通り来訪して頂き、その手続きを実施した。
その際38℃の発熱がある事を担当者に告げつつ、「還暦過ぎますと何の病気を患いいつ何時命を落とすやもしれませんから、早めに死亡受取人を実母から娘に変更して良かったです。」と朦朧とした頭で話した。 「何をおっしゃいますやら。○さんはお若いですよ。 直ぐ治るでしょうが、くれぐれもお大事に。」とお世辞を言いながら、(インフルエンザでもうつされたら大変!)との危機迫る様相で他の営業は一切せず、資料のみ置いてそそくさと我が家から去ったのには結果として幸いした。
さて今回の発熱原因だが、医学経験者の私の診断によっても直接の要因は「抜歯」である事には間違いないと断定している。
ただ我が推測によれば、別の心理的要因が抜歯でダメージを受けた体に追い打ちをかけ、我が身に予想以上の高熱をもたらし、解熱までに長時間を要したものと自己分析している。
その要因とは??
やはり、我が最愛の娘だ。
そもそも、私が“ボロ奥歯”の抜歯を4月4日に実行したのには理由がある。
何分、母の私がサリバン業を貫いて来た娘が無事大学を卒業し、4月1日から新人として社会に旅立つまではその姿を見守る事を最優先課題として実施して来た。
その間も、我が(抜歯奥歯)の“ボロぶり”がとてつもなく悪化の一途を辿っていることは当然自覚していた。 ボロ歯の根っこが歯茎を貫き飛び出て上顎が痛むし、腐った根っこが異様な悪臭を発しその匂いに私自身が耐えられない程だ。 それに拍車をかけ歯茎から飛び出た歯の根っこがぐらつき始めた1ヶ月前頃より、私自身が既に「抜歯」を視野に入れていた。
そうだとしても、娘の新社会人としてのスタートを是が非でもサリバンが見守ってやりたい!
その間に抜歯した場合、その後サリバンの私が発熱する恐れがある事など想定済みだ。 ここは、娘が無事に入社を迎えるまで自分の歯の治療は控えるべきと心を決めていた。
そして、やっと娘が4月の新年度に入り入社を遂げた。
ここぞとばかり、先だっての4月4日に歯科医を訪れ抜歯したとのいきさつだ。
その我がサリバン判断は一応正解だったと言えようが、私の歯に関しても、娘の新社会人入社後の成り行きに関しても、今尚様々な懸念を抱える現状だ…
ただ、本日この通り「原左都子エッセイ集」を綴ろうとの気力が我が心身に復活した事実だけでも大いなる前進と捉え、公開させていただいた今回のエッセイである。
今冬実行したイタリア旅行出発直前にも微熱を出したが、その原因は歯の痛みと歯茎の腫れによるものだった。
ここ10年程は高熱こそ出していないものの、微熱は何度か繰り返している。 2年程前に経験した右手首、左鎖骨同時骨折時にも38℃近い熱が出たが、その他のほとんどは「歯」を原因とする発熱だった。
今回の発熱もその例外ではない。
去る4月4日(月)午後に歯科医院にて抜歯を施したが、その夜から徐々に熱が上がりその後2日間に渡り38℃超の発熱に苦しめられた。
昨日朝になってやっと微熱まで下がり、午後に歯科医へ抜歯後点検のため受診したところ、発熱原因はやはり“抜歯”によるものとの医師の判断だ。 今回抜いたのは上顎奥歯の大臼歯なのだが、元々すべての歯がドデカい私の口の中で一番の面積を占めている奥歯だった。 先生がおっしゃるにも、「抜いた後の傷口が大きいため、発熱もやむを得なかったでしょう」との説明だ。
参考だが、今回抜いた歯はイタリア旅行前に痛んだ歯とは別である。 私の奥歯は“親知らず4本”を含め既に10本抜歯済みだが、現在ブリッジを支えている残された奥歯のすべてがX線映像によれば根が傷んでボロボロ状態… いつまた抜歯の運命を辿るやら… との心細さだ。
今回の場合2日間で高熱が下がってくれたため、まだしも命が繋がり助かったとホッとする思いだが、これが何日も続いたら… と、布団の中で我が命の絶える近き日を想像し、もだえ苦しんだりもした。
還暦を過ぎる事とは、自分の身体に関して弱気にならざるを得ない病人にそんな心理状態をもたらす事を実感だ。
しかも今回運が悪い事には、一番苦しんだ火曜日に2名の訪問者を予定していた。
(参考だが元々亭主と娘には依存しない生活を営んでいる我が家の場合、雨が降ろうが槍が降ろうが家中のほとんどの業を私一人で執り行っている。 今後も我が命の終期が迫ろうとその状況は永遠と続くだろう…)
訪問者の一人は、ダスキンの交換目的だった。
月1回の交換日には必ずダスキンモップで家中の一番汚れた箇所(窓サッシや玄関ポーチ、ベランダの排水溝付近等々)を掃除した後交換するスケジュールと決めている。
今日のこの日、それをこなして新しいモップに取り替えてもらわない事には、この先1ヶ月間汚れたモップで掃除せねばならない。 潔癖症の私はその事態がどうしても気持ち悪く耐えられず、寝込んでいる訳にはいかない。 布団から這いずり起きてそれを実行し無事に交換し終えた。
次なる訪問者とは、2週間ほど前より約束があった我が個人年金死亡受取人変更手続きのため担当者が我が家に来る予定なのだが、それも自力でこなさねばならない。
この事案に関しては一旦日程を変更しようかとも考えた。 だが、その日程変更願い電話を掛けてヘラヘラ丁寧に喋る負担の方こそ高熱の私にとっては勘弁して欲しい気分だ。 10分もあれば済む手続きと承知していたため、約束通り来訪して頂き、その手続きを実施した。
その際38℃の発熱がある事を担当者に告げつつ、「還暦過ぎますと何の病気を患いいつ何時命を落とすやもしれませんから、早めに死亡受取人を実母から娘に変更して良かったです。」と朦朧とした頭で話した。 「何をおっしゃいますやら。○さんはお若いですよ。 直ぐ治るでしょうが、くれぐれもお大事に。」とお世辞を言いながら、(インフルエンザでもうつされたら大変!)との危機迫る様相で他の営業は一切せず、資料のみ置いてそそくさと我が家から去ったのには結果として幸いした。
さて今回の発熱原因だが、医学経験者の私の診断によっても直接の要因は「抜歯」である事には間違いないと断定している。
ただ我が推測によれば、別の心理的要因が抜歯でダメージを受けた体に追い打ちをかけ、我が身に予想以上の高熱をもたらし、解熱までに長時間を要したものと自己分析している。
その要因とは??
やはり、我が最愛の娘だ。
そもそも、私が“ボロ奥歯”の抜歯を4月4日に実行したのには理由がある。
何分、母の私がサリバン業を貫いて来た娘が無事大学を卒業し、4月1日から新人として社会に旅立つまではその姿を見守る事を最優先課題として実施して来た。
その間も、我が(抜歯奥歯)の“ボロぶり”がとてつもなく悪化の一途を辿っていることは当然自覚していた。 ボロ歯の根っこが歯茎を貫き飛び出て上顎が痛むし、腐った根っこが異様な悪臭を発しその匂いに私自身が耐えられない程だ。 それに拍車をかけ歯茎から飛び出た歯の根っこがぐらつき始めた1ヶ月前頃より、私自身が既に「抜歯」を視野に入れていた。
そうだとしても、娘の新社会人としてのスタートを是が非でもサリバンが見守ってやりたい!
その間に抜歯した場合、その後サリバンの私が発熱する恐れがある事など想定済みだ。 ここは、娘が無事に入社を迎えるまで自分の歯の治療は控えるべきと心を決めていた。
そして、やっと娘が4月の新年度に入り入社を遂げた。
ここぞとばかり、先だっての4月4日に歯科医を訪れ抜歯したとのいきさつだ。
その我がサリバン判断は一応正解だったと言えようが、私の歯に関しても、娘の新社会人入社後の成り行きに関しても、今尚様々な懸念を抱える現状だ…
ただ、本日この通り「原左都子エッセイ集」を綴ろうとの気力が我が心身に復活した事実だけでも大いなる前進と捉え、公開させていただいた今回のエッセイである。