原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

やみくもに上昇し続ける健保の料率

2016年04月23日 | 時事論評
 昨日(4月22日)付朝日新聞記事によると、2016年度の大企業の会社員らが入る医療保険「健康保険組合連合会」の健保平均保険料率は、過去最高の9.1%になったとの事だ。

 早速、当該記事を要約して以下に紹介しよう。
 健保連が4月21日、全国9組合のうち、1378組合の集計結果を速報値として公表した。 それによれば、保険料率を引き上げたのは215組合(15.6%)、引き下げたのは86組合(6.2%)、1077組合は据え置いた。
 会社員の医療保険料は月収に保険料率を掛けて計算し、原則として会社と本人が折半する。 
 保険料率の平均が上昇したのは、高度な医療が広がり支出が増えたことが要因だ。 健保連副会長の白川氏は、75歳以上が入る後期高齢者医療制度への負担が17年に増えることが予想されるとして、「今年度は引き上げを見送り、来年度の引き上げに備えた組合が多かったのではないか」と分析した。
 (以上、朝日新聞 4月22日記事より一部を要約引用したもの。)


 一旦、私事に入ろう。

 一昨日、私は義母が入居している高齢者有料介護施設へ出かけた。 今回の訪問は、義母の認知症状の進み具合に関して、身元引受人の立場でケアマネジャー氏と話合いを持つ事が主たる目的だった。
 予想通り他の入居者の皆さん同様、例外なく義母の認知力は低下の一途を辿っているとの認識で双方が一致した。
 
 その一方、施設より身元引受人宅に届けられる「月報」の中の一資料「調剤薬剤一覧表」に記載されている処方薬剤がまたもや増加している事に気付いた私は、その資料を持参しケアマネ氏に質問した。
 「“アルツハイマー様症状を抑える薬”とやらを処方されたと義母からも聞いているが、そうでなくとも劇薬の数々を処方されてしまい、その副作用と自らの体調の悪さが混合した状態で苦悩している高齢者相手に更なる薬剤を処方するとは、担当医療業社は一体全体高齢者の命を如何に捉えようとの主旨で医療を実施しているのか!?」 (実際は慎重に言葉を選び失礼無きよう丁寧に表現したのだが…。 我が訴え趣旨の真意はそういう事だ。
 この我が質問に対し、ケアマネ氏は後に施設のナース氏に確認を取ってくれ、「身元引受人(私の事だが)のご意思の程は十分に把握しておりまして、当該薬剤の処方は担当医とも相談しまして取り止め措置を採りました。」との事で、ホッと安心した私だ。

 上記義母の事例の場合、施設担当者氏が身元引受人の意思を尊重してくれるお陰で、認知症高齢者に野放図な医療を施す事態を最小限に留められていると言えよう。

 ところが一旦世の中を見渡してみれば、高齢者医療が大手を振ってのさばり続けている。 現在の末端医療とは、高齢者無くして成り立たない程に健康保険収入に依存した医療機関が多発している有様だ。
 2年程前に不覚にも骨折して整形外科に通ったことがある私だが、その際にも患者の8割が高齢者だった。 足が痛い、腰が痛いと訴える高齢患者に対して病院がやっている事とは、その効果の程が不明の“リハビリ”とやらだ。 まさに“信じる者は救われる”論理で成り立っているのが現在の高齢者医療と言えよう。 極論するなら“高齢者詐欺医療”と言いたくもなる。

 この高齢者医療にカネがかかるから、現役世代の保険料率を上げるだと!?!  健保連副会長こそが国家の言いなりになる事なく、遠い昔から野放図に繰り返されている国家と医療との癒着現象の実態を少しは把握して欲しいものだ。 医療業界も市民からの保険料収入にまんまと依存する体質を、反省したらどうなのか?
 私など常に「予防医学」こそが現在の医学が目指す真の姿と認識して、それを実行する日々だ。
 そんな私は、「病院に行かない」「健診も受けない」主義を還暦過ぎた今も基本的に貫いている。

 
 私事が続くが、我が家に於いては亭主が(義母譲りの)医療依存派を現在尚貫いている。 これを医学経験がある私から如何様に指導しても、(晩婚故知り合った時に既に年齢を重ねたいたせいか)その姿勢を改めない。 ただその亭主も義母の「薬依存・医療依存」に関しては厳しい事が、私にとっては不可解だ。
 まあ要するに“医療依存派”とは、基本的に“我が身息災派”の軟弱・単細胞人間、もっと悪く言うと“無知派”“他力本願派”でもあるのだろう。(言い過ぎたならばお詫びします。

 それにしても我が家が現在支払っている「国民健康保険料」など、互いの収入の大きな比率を占めている。
 この私など、(現在歯科医に通院している程度で)ほとんど医療に依存しない現実だ。
 昨日も上記の朝日新聞記事を見て亭主と話し合った。 「私など健康保険に入らない方がずっと経済的かもしれない。」と訴えると、亭主が言うには「入院などした際には、やはり入っておいた方がいい。」


 最後に私論だが、まさに「保険制度」とはそんな市民の“弱点を突く制度”と理解している。
 そもそも「保険」とは相互扶助観点に基づき成立している事実を、経営法学修士取得時にも学んでいる。

 原左都子とは「相互扶助」も回避したい程(左欄の“プロフィール”をご覧下さい。)の集団嫌いの人間だが、亭主のアドバイスに従って今後も「国保(国民健康保険)」に無駄金を費やすべきか??
 我が“死生観美学”に照らしても、今すぐ「国保」を脱退しようかと本気で悩んでいる。