(冒頭写真は、我が大学院時代の講義ノートより「イギリスの公企業の歴史」に関して私がまとめた中の1ページ。)
大学院でも、「修士論文作成」以外に通常の授業があるのだが。
我が記憶によると、2年間で8講座ほど受講しただろうか。
ところが私の場合大学院生時代には、既に夜間は公立定時制高校教諭として採用されていた。 そのため当該教員業務の準備に当然ながら時間をとられるため、大学院へは昼間週2のみ通う体勢をとっていた。
その週2は集中して大学院の授業及び修論作成に励む段取りとなり、自ずと授業はその2日に開講している講座を受講せねばならなかった。
特に表題の「公企業論研究」授業は、諸先輩より“大変厳しい!!”との噂を聞きつけていたものの、我が時間制約によりそれを受講せざるを得なかった。
さて、大学院1年次にこの講座最初の授業に出てみると。
な、な、なんと!! 受講生は私一人ではないか!!!😲
しかも先輩仰せの通り担当教官氏が学内で一番厳しく容赦無いと噂の、退官間近のM教授だ!
こうなったら、もはや腹をくくるしかない。
早速第一回目の講義の最初に、M教授より1年間の課題ノルマの発表があった。
〇 英文著書「公企業論」 200ページを1年かけて読破し、最終講義時に和訳したノートを提出。 (これに関しては、毎授業ごとにそれまでに訳した内容のチェックがあった。 要するに自分でスケジュールを組み必ずや一週間内に訳したものをM先生が授業中に確認する授業内容だった。 参考だが、我が翻訳に関してはほぼ合格点だったが、英語の発音が悪い点を指摘された。😭 確かに、修士を取得せんとしている者がグローバルでなけりゃどうする??とのご配慮であられたのだろう。 その通り!と私も同意する。)
〇 その際に出現する“専門用語”を抜き出し別冊ノートにまとめたものを、最終講義時に提出。
〇 随時「公企業論」に関する小テーマを出題するが、そのテーマに関して自分でまとめたものも提出。
〇 最終講義時に、上記すべてのテーマから試験を実施する。 (その試験を私が受けている間に、M先生は上記課題の採点をして下さっていたようだ。)
さて、冒頭写真に話を戻そう。
これは上記3つめの「公企業論」に関する小テーマをまとめたものの一つだ。
以下に、冒頭写真の続きを掲載しよう。
最後にこの中から英米両国の公企業の歴史に関する、原左都子のまとめ部分のみを紹介しておこう。
<英国の公企業の歴史>
第二次大戦前は保守・自由両党の指示下に公益事業分野が成立発展した後、大戦後には労働党の指示下に一般産業分野に大きく拡大した。
結局、公企業とは政治的な産物の色が濃厚。 二大政党間の論争、政策変更に直面し、不安定な地位にある。
<米国の公企業の要約と特徴>
米国に於ける公企業は、戦時異常事態の下の緊急的・一時的利用、イコール偶発的・消滅的・短命に他ならなかった。
経済分野における政府の不介入、私企業の優越性、反公企業の思考に対する支持の下に。 所有形態は連邦、州、地方に委ねられ。 企業形態は官庁企業以外であるものの形態があいまいだったのが特徴であろう。
公企業の業種としては、民間では対応しがたい社会公共的ニーズを充足する事業に狭く限定された。
(以上、原左都子大学院時代の講義ノートの一部を要約したもの。)
我が国に於いても、“民営化”が叫ばれた時代があった。
その初期の実行過程に於ける展開の授業内容も我が講義ノートに記されているため、また機会があれば公開しよう。