原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

アインシュタインの夢

2022年07月07日 | 学問・研究
 (冒頭写真は、数日前に宅配にて手元に届いた著書 ミチオ・カク著「神の方程式」『万物の理論』を求めて」。)




 数本前の2022.06.28付 原左都子エッセイ集内に、私は「“不格好な理論”と“美しい理論”」と題するエッセイを公開している。
 当該エッセイは、この本の書評を朝日新聞記事より紹介したものである。


 さて、届きましたよ! その本が。

 早速読もうとしたところ、急遽郷里の実母の処へ行くことになり、その手配やら各種連絡で多忙にしていて当該著書は机の上に置いたままとなっていた。

 本日午前中にやっとこの本を読み始めたのだが。
 とりあえずプロローグ部分のみ読んだところ、何とも読み易いではないか!



 そこで本日のエッセイでは「アインシュタインの夢」と題するプロローグの一部を、要約して紹介したいと志した。 以下に、引用しよう。

 アインシュタインの机の上に、開いたノートが置いてある写真があった。 写真の説明には、現代で最も偉大な科学者が、手掛けていた仕事を終わらせることができなかったと書かれていた。 偉大なアインシュタインにさえ解けない難しいことって、一体なんだろう。

 そのノートには、アインシュタインが統一場理論と呼んだ未完の「万物の理論」について記されていた。 アインシュタインが求めたのは、彼曰く「神の心を読む」ことができるような、ほんの数センチメートルかもしれない方程式だった。
 だが、ほかの人の多くも、その問題に挑んでは敗れた。 統一性理論には失敗に終わった挑戦の屍が散らばっているのだ。
 しかし今日、多くの一流の物理学者が、自分たちはついに答えを絞り込んでいると考えている。
 その筆頭候補は、(著者の考えでは)ひも理論という。 この理論では宇宙は点状の粒子ではなく小さな振動するひもで構成され、それぞれのひもの振動による音が素粒子に相当すると仮定している。
 おそろしく高性能の顕微鏡があったとしたら、電子やクオークやニュートリノなどは、輪ゴムに似た極小のループに生じた振動にすぎないとわかるだろう。 その輪ゴムを何度も違うやり方で弾けば、やがては宇宙に存在するあらゆる素粒子が作れる。 すると、すべての物理法則はこうしたひものハーモニーということになり、化学反応はそれで奏でられるメロディーであり、宇宙は交響楽だ。 そして、アインシュタインが雄弁に「神の心」と書き表したものは、時空に響き渡る宇宙の音楽なのである。 (中略)
 結局、現代テクノロジーのあらゆる驚異は、科学者が世界の基本的な力を徐々に見つけてきたおかげで生まれたのだ。 いまや科学者は自然界のこうした四つの力 重力、電磁力、強い核力、弱い核力 を一つの理論にまとめる考え方に注目しているようだ。 それによって最終的に次に掲げるような、科学の中でもとりわけ深遠な謎や疑問のいくつかに応えられる可能性がある。

 ● ビッグバンの前に何が起きていたのか? そもそもなぜビッグバンが起きたのか?
 ● ブラックホールを抜けた向こう側には何があるのか?
 ● タイムトラベルは可能なのか?
 ● ほかの宇宙へつながるワームホールは存在するのか?
 ● 高次元(4次元を上回る次元のこと)は存在するのか?
 ● いくつもの並行宇宙からなるマルチバース(多宇宙)は存在するのか?

 (以下略すが、以上当該本のプロローグ部分を要約引用したもの。)




 私事に入ろう。

 本エッセイ集に於いて、私は30歳過ぎて入学した2度目の大学時代(我が本来の専攻は「経営法学」であり修士課程にて「経営法学修士」を取得している)に、「科学哲学」にハマった話題を幾度か公開している。 そして、「プラトン哲学」や「量子力学的実在論」に入魂したものだ。

 当時、科学哲学講師氏(国内では著名な科学哲学者でした)の推薦図書を読み漁ったものだが。


 あの時代から既に30年以上の年月が経過したこの夏に。
 またもや物理学分野の素晴らしい最新著書に巡り会えたこの偶然を、喜びたいものだ。