原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

発達障害児指導教育の困難さを改めて実感する

2014年10月02日 | 教育・学校
 「原左都子エッセイ集」2014年7月16日バックナンバー 「可愛い子供の声が“騒音”となる場合もあり得る」 の中で、私は以下の記述をしている。

 どういう訳か我が家の集合住宅の前が入居当初より“私立幼稚園バス”のバス停となっている。 恐らく安全性に基づいて“バス停”場所の判断が下されたのであろうが、これが日々大騒音事態だ! 
 毎朝毎朝9時頃より30間程、幼稚園児達の大騒ぎ音声に苛まれる。 集合住宅前に公道があるのだが、この道を通行する車両が少ない事を親達が安堵しているのか、幼稚園児達を公道で遊ばせつつ日々親達は自分達の会話に夢中だ。 たまに車が来ると「あっ、危ないから気を付けて!」なる声をかけるものの、公道を我が子の遊び場とする事自体を禁止する親がいない事に辟易とさせられる日々だ。  ここは元教育者でもある私が現地に出向いて、親達こそを説諭したい思いに駆られる。  ただ、そんな事をしたところで“おかしなおばさん”の異名を取るだけの結末となる事など承知の上で、諦めているのだが… 


 その後、夏休み期間が過ぎ去り幼稚園が2学期に入ったと思しき頃より、この騒音が更にエスカレートしている現実に日々耐え偲んでいる。

 そんな日々を送る中、元教育者でもある私はある事実に気付いた。
 どうも今年の幼稚園児達は例年に比し、騒ぎ方が半端ではなく極端であるとの事実に。
 
 それとなく室内から騒音の詳細を探る等様子を聞いていた私は、どうやら一人の男児が騒音の元凶となっている事を発見した。
 (仮にこの男児を「Aくん」と名付けるとして)、Aくんが馬鹿騒ぎを始めると未だ幼き周囲の男児を中心とした皆が“右に倣え”をしている図式が読み取れるのだ。
 Aくんの母親らしき女性も、(私が上記バックナンバーで記載したごとく)決してAくんを放ったらかして母達との会話にずっと夢中になっている訳ではなく、その都度比較的冷静な音声でAくんをなだめている様子だ。 それにもかかわらずAくんの暴言暴動は絶え間なく続き、それに周囲男児が同調している現状が見て取れる。

 それにしてもAくんの暴言暴動の程は、一般常識から鑑みて尋常ではない。
 恐らくAくんとは幼稚園バスを待つ時のみではなく、日がな一日常に“奇声”を挙げ、走り回るとの暴動を繰り返しているのであろう。  それが証拠に、Aくんが挙げる大声がかすれている事実が少し痛々しくもある。 おそらく自分の内面から湧き出てくる衝動を自力で抑えきれない幼いAくんは、自分の体を犠牲にしてまでも衝動を表面に出すしか方策が取れないのではなかろうか…

 

 ここで一旦、原左都子の私論に入ろう。

 皆さんは「ADHD」なる教育用語をご存知だろうか。

 以下に、ウィキペディア情報の一部を参照しつつ、ADHDに関して説明しよう。
 注意欠陥・多動性障害( attention deficit hyperactivity disorder、ADHD)は、多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害である。 ICD-10における多動性障害(英: hyperkinetic disorder)もほぼ同一の概念である。
 ADHDは多動性、不注意、衝動性などの症状を特徴とする発達障害の一つと言われているが、じっとしている等の社会的ルールが増加する小学校入学前後に発見される場合が多い。 注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴がある。 日常生活に大きな支障をもたらすが、適切な治療と環境を整えることによって症状を緩和することも可能である。 脳障害の側面が強いとされ、しつけや本人の努力だけで症状などに対処するのは困難であることが多い。
 症状としては、集中困難・過活動・不注意などの症状が通常7歳までに確認されるが、過活動が顕著でない不注意優勢型の場合、幼少期には周囲が気付かない場合も多い。 
 (以上、ウィキペディア情報より引用。)

 何故原左都子が上記Aくんを「ADHD」と診断するかと言うと、ADHDを含めた「発達障害児」教育研究所で、我が娘が過去の幼き時期に一時お世話になったからに他ならない。(参考のため我が娘には決してADHD症状はなく、それとはまったく別症状が表出していたため研究所に通ったのだが…)
 その教育研究所にて、私はAくん同様の症状を呈する男児達に複数接している。 その経験から言うならば、自分の子の“異常さ”に早期に気付き、専門教育研究機関を頼る事が叶った家庭はまだしも恵まれているのであろう。
 
 それに比し、幼稚園バスを待つAくんの親御さんは、果たしてAくんの現状を如何に捉えておられるのか大いに気にかかるのだ。
 Aくんのお母上が朝の一時バスを待つ時間帯に“比較的冷静に”Aくんに対応出来ている事実を鑑みると、もしかしたら既にAくんが持って生まれている特質を見抜いて、ケアするべく行動出来ているのかもしれない。

 それにしても、Aくんの暴言暴動に日々巻き込まれる周囲の母親達の心配の程とは如何なものであろうか?
 いい子に育てようと日々努力しているのに、こんな多動性を抱えた異常男児といつも一緒に行動せねばならないのなら、いっそ幼稚園を転園させてでも息子が育つ環境を整えたいとの願望もあろうか。

 はてさて暴言暴動を繰り返す男児を抱える私立幼稚園側は、日々如何に対応しているのであろうか? 
 小学校以上の公教育現場に於いては、ADHD等周囲に迷惑を及ぼす発達障害児童生徒の指導に関して別枠で対応しているとの情報は把握している。


 私自身が「サリバン先生」として娘の最大限の成長を願いつつ、今尚精進する日々である。 (母としての贔屓目に過ぎないが、おそらく一般女子に引けを取らないレベルで立派に成長している我が娘だが…)

 我が家の前で幼稚園バスを待つ Aくん との特異的な男児を産んだお母上の心情を思い、綴った今回のエッセイである… 

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