世の中に“凄腕の女”は実在するものである。
テレビドラマによく登場するような、見てくれだけ“キャリアウーマン気取り”で空威張りしている割には脳みその中身が疑わしいような女には、私は昔からちっとも興味のないひねくれ者である。
こんな私も、過去の職業遍歴の中で何人かの“凄腕の女”に実際に遭遇している。
その一人が、朝日新聞9月29日(月)朝刊求人欄「あの人とこんな話」に登場した、㈱グレイス代表取締役社長の安井悦子氏である。㈱グレイスを設立して代表取締役社長になられていることは存じていたのではあるが、やはりビッグにご活躍のお姿を紙面で久々に拝見し、とても感慨深いものがあった。
この安井悦子氏には、私は30代前半頃に大変お世話になっている。ちょうど私が勤労学生をしていた頃のことだ。私は安井氏のお陰で、学業を全うしつつ自己所有不動産物件の住宅ローンも短期間で独力で完済できる経済力を手中にしたと言っても過言ではない。
当時、安井氏は別の人材派遣会社で営業部長をしていらっしゃった。(と記憶しているのだが私の記憶違いでしたら失礼をお詫び致します。)この会社は理化学分野の人材派遣に我が国では本格的に着手した第一人者であるとも記憶しているのだが、ここに私は理化学部門の派遣社員として登録し安井氏にお世話になったのである。
私の場合、勤労学生であるという大きなハンディがあった。平日昼間は学業に専念したいため、大学の夏季、春季長期休暇の2ヶ月間ずつのみ派遣社員として集中的に働いたのであるが、こんな身勝手な勤労条件を安井氏は嫌な顔ひとつせず引き受け歓迎して下さった。
大学の長期休暇が近づくと、いつも絶妙なタイミングで電話を下さるのだ。「そろそろお仕事出来ますよね。いい仕事がありますよ。」と。私の場合、単独派遣がほとんどだったのだが、多忙にもかかわらず私一人のために派遣初日には派遣先に必ず同行下さり、いつも「○○(私の名前)は、わが社が自信を持って派遣する優秀人材です。」と先方に紹介して下さるのだ。まさか、“二番手人材”だとか“いまいち人材”と紹介する訳にはいかないのだろうが、それにしても私自身が身の引き締まる思いである。この安井氏のわざわざのご足労のお陰で、どこの派遣先でもとても重宝いただき仕事に没頭できたものである。
そんな中、派遣先から契約外の業務を依頼されたり等の多少のトラブルの発生もある。その状況について派遣元に一報を入れると、次の日には必ず安井氏自らが派遣先までご足労くれ問題解決のために所属長と話し合って下さるのだ。
とにかく安井氏は頭の回転が早く、派遣社員思いの気配りの細かい行動派でいらっしゃった。
その後私は教員として就職し派遣社員は退職したのだが、派遣会社主宰のホテル宴会場でのクリスマスビュッフェパーティにOBとして招待いただいた。もう退職して1年近く後のことである。
安井氏は大勢でごった返す会場の中、OBひとりひとりに挨拶をして回っていらっしゃる。そして私を見つけると「○○さん(私の名前)、教員なんか辞めて早く理化学の世界に戻って来てよ、待ってるから。」と声をかけて下さる。その抜群の記憶力の良さ、OBに対してまでもの気配り、営業力に脱帽であった。
その安井悦子氏が、今回の朝日新聞求人欄に以下のように記されている。
どのような仕事でもそうであるが、学校で学んだ知識があるとかスキルが高いから自分はいい仕事ができると思い込むのは早計だ。働くというのは、自分の人生の経験や人間性、感受性などのすべてを動員する総戦力である。
さらに、自分の仕事が社会にどのような形で役立つのかをきちんと自覚しないとパワーがでない。仕事の意義をまず自分が理解し社会と繋がっていることを理解する。そうなると、意欲がふつふつとわいてくる。そこからが楽しい。働くことが面白い。だから人生が充実する。
履歴書がどれほど立派でも、面談してその人の心が見えなければ派遣紹介はしない。その徹底した方針には一人ひとりを輝かせたいという思いがある。
(以上、安井悦子氏の記事より引用。)
なんだが、私も働きたくなってきたぞ。
安井さん、あれから年月が流れ、少々とうが立ち過ぎた私ですが、今から㈱グレイスの理化学分野で働かせていただけませんか???
えっ、年寄りはお呼びでない。 こりゃまた失礼致しました……
テレビドラマによく登場するような、見てくれだけ“キャリアウーマン気取り”で空威張りしている割には脳みその中身が疑わしいような女には、私は昔からちっとも興味のないひねくれ者である。
こんな私も、過去の職業遍歴の中で何人かの“凄腕の女”に実際に遭遇している。
その一人が、朝日新聞9月29日(月)朝刊求人欄「あの人とこんな話」に登場した、㈱グレイス代表取締役社長の安井悦子氏である。㈱グレイスを設立して代表取締役社長になられていることは存じていたのではあるが、やはりビッグにご活躍のお姿を紙面で久々に拝見し、とても感慨深いものがあった。
この安井悦子氏には、私は30代前半頃に大変お世話になっている。ちょうど私が勤労学生をしていた頃のことだ。私は安井氏のお陰で、学業を全うしつつ自己所有不動産物件の住宅ローンも短期間で独力で完済できる経済力を手中にしたと言っても過言ではない。
当時、安井氏は別の人材派遣会社で営業部長をしていらっしゃった。(と記憶しているのだが私の記憶違いでしたら失礼をお詫び致します。)この会社は理化学分野の人材派遣に我が国では本格的に着手した第一人者であるとも記憶しているのだが、ここに私は理化学部門の派遣社員として登録し安井氏にお世話になったのである。
私の場合、勤労学生であるという大きなハンディがあった。平日昼間は学業に専念したいため、大学の夏季、春季長期休暇の2ヶ月間ずつのみ派遣社員として集中的に働いたのであるが、こんな身勝手な勤労条件を安井氏は嫌な顔ひとつせず引き受け歓迎して下さった。
大学の長期休暇が近づくと、いつも絶妙なタイミングで電話を下さるのだ。「そろそろお仕事出来ますよね。いい仕事がありますよ。」と。私の場合、単独派遣がほとんどだったのだが、多忙にもかかわらず私一人のために派遣初日には派遣先に必ず同行下さり、いつも「○○(私の名前)は、わが社が自信を持って派遣する優秀人材です。」と先方に紹介して下さるのだ。まさか、“二番手人材”だとか“いまいち人材”と紹介する訳にはいかないのだろうが、それにしても私自身が身の引き締まる思いである。この安井氏のわざわざのご足労のお陰で、どこの派遣先でもとても重宝いただき仕事に没頭できたものである。
そんな中、派遣先から契約外の業務を依頼されたり等の多少のトラブルの発生もある。その状況について派遣元に一報を入れると、次の日には必ず安井氏自らが派遣先までご足労くれ問題解決のために所属長と話し合って下さるのだ。
とにかく安井氏は頭の回転が早く、派遣社員思いの気配りの細かい行動派でいらっしゃった。
その後私は教員として就職し派遣社員は退職したのだが、派遣会社主宰のホテル宴会場でのクリスマスビュッフェパーティにOBとして招待いただいた。もう退職して1年近く後のことである。
安井氏は大勢でごった返す会場の中、OBひとりひとりに挨拶をして回っていらっしゃる。そして私を見つけると「○○さん(私の名前)、教員なんか辞めて早く理化学の世界に戻って来てよ、待ってるから。」と声をかけて下さる。その抜群の記憶力の良さ、OBに対してまでもの気配り、営業力に脱帽であった。
その安井悦子氏が、今回の朝日新聞求人欄に以下のように記されている。
どのような仕事でもそうであるが、学校で学んだ知識があるとかスキルが高いから自分はいい仕事ができると思い込むのは早計だ。働くというのは、自分の人生の経験や人間性、感受性などのすべてを動員する総戦力である。
さらに、自分の仕事が社会にどのような形で役立つのかをきちんと自覚しないとパワーがでない。仕事の意義をまず自分が理解し社会と繋がっていることを理解する。そうなると、意欲がふつふつとわいてくる。そこからが楽しい。働くことが面白い。だから人生が充実する。
履歴書がどれほど立派でも、面談してその人の心が見えなければ派遣紹介はしない。その徹底した方針には一人ひとりを輝かせたいという思いがある。
(以上、安井悦子氏の記事より引用。)
なんだが、私も働きたくなってきたぞ。
安井さん、あれから年月が流れ、少々とうが立ち過ぎた私ですが、今から㈱グレイスの理化学分野で働かせていただけませんか???
えっ、年寄りはお呼びでない。 こりゃまた失礼致しました……
普通だったら電話で済ませれるような時でも、足を運ぶ・・・、営業経験がそうさせているのでしょうか?
女性ならではの気配りができる人なんでしょうね?
「働くというのは、自分の人生の経験や人間性、感受性などのすべてを動員する総戦力である。」には、共感させられます。
私の会社でも、総戦力ではなく、学校の知識ばかりで問題解決しようとする人が多いですよ!
加えて、気配りと派遣社員を信頼する心の大きさも備えた方で、まさにご自身が総戦力で仕事に挑まれていました。
こういうビッグな人物と巡り合えると、得るものが大きいですね。あちらはご存知ないでしょうが、私は安井氏から多くのものを学ばせていただきました。
まったく、ただ知識だけをひけらかす人間なんて端で見ていてみっともないだけで、職場においては大して役に立ちませんよね。