昨日の我がエッセイ集にて、“医学部新卒者の9年間地域枠締め付け”問題を取り上げ、私論を述べた。
本日のエッセイ内容も、 ビジネスマンの報酬を取り上げる内容だが。
昨日取り上げた「医師」とは対照的に、それ程の高度専門力を身に付けていない“一般的サラリーマン”を対象とした話題となるであろうか。
早速以下に、「年収は『スキルや努力よりも“今いる場所”で決まる』という残酷な現実 」2021/12/28 と題するネット情報の一部を、以下に要約引用しよう。
「新卒入社した某転職エージェント事業部で働いていた頃、僕は様々な業界や企業の求人情報と、たくさんの履歴書や職務経歴書を見る機会に恵まれました。そこで、身も蓋もない現実に気づいたのです。それは、年収に与えるインパクトは、個人のスキルや実績という実力より、『業界や事業が成長しているか?』『収益性は高いか?』『会社が人件費についてどう考えているか?』といった外部要因のほうが影響が遥かに大きいということでした」
そう話すのは、SNS上で転職やキャリアに関する考え方を発信する森山大朗氏だ。 28歳の頃は無職だったにも関わらず、これまで7回の転職を通じてグローバルなプロダクト開発のキャリアを積んできた。 年収を増やすだけでなく、転職マーケットで市場価値が高い領域へと自分をシフトさせてきたという。
「リクルート在籍当時から僕は、『年収は何によって決まるのか?』と疑問を抱いていました。だから土日もオフィスに行って社内データベースを検索するのが日課だったのですが、ある日、大手電機メーカーで働く30代リーダークラスが年収600万円である一方、大手金融やマスコミの社員は入社数年でその年収を超えているのを見て、不思議でならなかったのです」
自分なりに傾向を分析した結果、「そもそも個人の年収は、4つの要素のかけ算で決まる傾向が強い」という事実にたどり着いたそうだ。
「僕は、個人の市場価値は①『業界の成長』②『事業の成長と収益性』③『会社の人件費に関する方針』④『個人の実績』という、 4つの要素のかけ算で決まると考えています。そして、最初のほうになればなるほど、その影響は大きくなります。だからこそ、急成長する企業やマーケットを見つけ、先回りしてポジションをとることが重要だと気づいたのです」
森山氏はその“仮説”を自ら実践し、どんどん「個人の市場価値」を高めてきた。すなわち、テック領域という急成長マーケットにどんどん自分をシフトさせていったのだ。
「テクノロジーの発展による社会の変化は誰の目にも明らか。ならばそれを活かして急成長する事業を展開する企業・業界に飛び込み、その成長に自分の成長を“かけ算”する発想をしたほうがいい。これは僕が人一倍、努力をしてきたからではありません。急成長企業に身を置いてきた結果であり、どちらかと言えば場所選びの問題です。事業が急成長する環境で必死に働いているうちに、普通の日系企業では味わえないような成長機会を与えられて、いつの間にか自分も成長できたという感覚です」
そんな経験をしたからこそ、森山氏は「転職するなら急成長企業、一択だ」と続ける。
「極論かもしれませんが、『事業は成長がすべて』です。なぜなら、事業は成長しなくても、人は年をとるからです。事業が成長しなければ、会社を支えながら歳を重ねた社員たちに、新たなチャレンジやワクワクするような成長機会を提供できなくなります。社内では限られたポジションのイス取りゲームが始まり、そんな組織に嫌気が指した優秀な人材から離れていきます。だからこそ若手も、経験を積んだベテランも、新たな領域で急成長が始まっていたり、大きく成長するポテンシャルと戦略がある会社を見つけたなら、なるべく早く飛び込んだほうがいいと、僕は思っています」
(以下略すが、以上ネット情報より引用したもの。)
原左都子の私事と私論に入ろう。
「転職エージェント」ねえ。
要するに、バリバリ理系の医学とは真逆の世界なのだろう。
医学部生の場合、世間でも「偏差値の高い職業訓練校」と揶揄されているがごとく、まさに一歩その学部に入学したものならば、医学専門学問を徹底的に学ぶと同時に、実習また実習の厳しい日々だ。
そして就職する直前期に国家試験を受験するのだが、それに合格しないことには「医師」等の医学専門職名称を名乗れないし、まず就業が叶わない。
それを叶えて就職した暁には、初日からその専門力が容赦なく求められる。
医学専門職の年収は就職先の如何にかかわらず、ある程度一定であろう。
故に、上記引用文中に記されているがごとく、「自分の年収は如何に決定するのか!??」と頭を悩ませることもなかったと言えようか。
ただし原左都子の場合は民間企業へ就職したが故に、医学専門職員としては多少例外的であったかもしれない。
民間企業故に業界内での「競争」が存在し、それに打ち勝つ努力を日々課せられたのは事実だ。
私など若くして“係長”に任命された立場でもあり、その業界間競争はいつも視野にあった。
専門職にして業務の生産性を高める方策を模索したり、また部下に対してその指導をしたりもした。
(我が所属医学企業は、当時医学同業者の中でも群を抜いて優秀な企業として医療界に名を馳せていたこともあり、報酬は高く、年に9か月のボーナスを全社員に配れる基盤があったものだ。)😁
引用文記述者である森山氏が言われるところの。
「転職するなら急成長企業、一択だ。 極論かもしれないが『事業は成長がすべて』」。
これに関しては、確かにその通りであろう。
私が新卒で入社した民間医学企業も、当時未だ創立10周年程の新鋭企業だった。
当初より「全員参加の経営」を掲げ、毎月「社内報」にて経営データを全社員に公開していた。(とは言えども、非公開の極秘データもおそらく存在したのであろうが。) これを毎月確認することを好んだ私は、それにより「経営学用語」に詳しくなったとの恩恵もある。)
私が(2度目の大学受験を目指し)退社する頃に東証二部上場を果たし、その後一部上場も叶え、今となっては押しも押されぬバリバリ国内トップ医学企業に発展している。
医学関係新卒者にとって、今となっては入社難関企業とも言われている。
最後に表題の「年収は、何で決まるか?」に話題を移そう。
もちろん、元々の職業・職種間での年収格差が存在するのは、社会構造上自明の理であろうが。
確かに、新卒時点とは言えども、如何なる学部出身者であろうが。
社会や業界構造にも興味を持って就職活動を成す姿勢が、自身の高年収ゲットに繋がるとのことではなかろうか?