九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

ヘッジファンドが円売り・・・  文科系

2022年07月05日 15時32分01秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨4日朝、新聞のテレビ欄でこんな番組を見つけた。夜のBS-TBS、報道1930で「円急落・物価上昇でも利上げに動かない日銀“異次元”死守のワケ」という討論番組があるという。訳があって途中からしか見られなかったのは残念だったが、こんなニュースで盛がっていた。
 この5月から、イギリスのあるヘッジファンドが猛烈な日本売りに出ていて、日銀が防戦これ務めている真最中とのこと。月5兆円平均だった日銀による円(国債)買いが、この6月には15兆円を優に超えているというのだ。
 近年の日本政府は、国家にとって禁じ手とされてきた「財政ファイナンス」をやってきた。国家がどんどん赤字財政を積み上げて、その赤字分だけ中央銀行が通貨を刷るなどということをすると、これが必ず外国からつかれ、通貨暴落が必ず到来すると言われていたその時がまた来たのかというわけである。

 同番組に出ていた著名な投資家、藤巻健史氏がこれを「そうだ!」と肯定した解説をしていたが、それにしてはアベノミクスの結末の一つとも思われるこの動きを、ほかのマスコミがなにも扱っていないのが不思議で仕方なかった。過去にも、こういう日本空売りまがいの損失が何度か出ているが、今回は大丈夫なのか? マスコミももうちょっとまじめにやれよな! そのうち1度は確か、年間を通してもGPIFが大赤字になったことがあったと覚えているが、今度はどうなるのか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米中争覇とアジア  文科系

2022年06月29日 15時51分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 入院中に、僕が今最も気になっていることを書いてみた。日本の人々の生活のため、孫子のためにということなのだが、僕の友人の方々には、一度ぜひ読んでほしいものとして。時間がないので、ミスも端折りも多かろうが、お読み願えれば幸いである。なお、入院生活はあと一週間は続くだろうが、抗癌剤の副作用が吐き気など強く出て、ちょっと辛い。階段上りはやっている。今日も、ゆっくりと11階からB1に降りて用を足し、18階まで登ってまた11へ戻ってきた。


 正しい知識は構造をなすといわれるが、これは日本の政経、国民生活を見、考える場合も同じことだ。社会・世界全体をより根本的・長期的に規定する要素と、短期にすぎぬ要素、その中間の要素などなどがあるからである。そして人には、目前の要素はわかりやすいが、遠いのは馴染みにくくて知りにくい上に、世界も人びとも目前の困難対処に迫られる激動の時代では、なおさらこれは見えにくくなる。こういう時の政治がまたさらに、こんなことが強調されるから、社会は一種の悪循環に陥っていくものだ。
「現実的」と称される目の前の保守、わが国だけのことが目に入っていれば、いわゆるグローバリゼーション経済の本質、株主利益最大化方針資本主義も、米中争覇も見えてこない。が、このふたつはそれこそ日本の社会・世界全体の生活を、より根本的に規定する要因になってきた。それも大変悪い方向へ。ネットなどで政治を論ずる老人は、時間だけはあるのだからこれを論じないでどうすると、僕はずっと言いたかった。

さて、米中争覇は、日本の政経、国民生活をめぐる最大問題になっていくだろう。同時にこの問題は、現行の新自由主義経済グローバリゼーションの最大原理・株主利益最大化方針資本主義の世界市民生活的改善に向けて不可欠な一例「金融取引税の世界的設定」をめぐっても、これを死守したいアメリカが中国と対立するところだ。なんとなれば、中国は自分のモノづくりを米資本に基本的に支配させないだろうからである。アメリカにこれができなければ、米中争覇は中国の勝ちだ。世界のモノ作りは中国にどんどん集まっているのだから、その金をGAFAMらが奪えなければ、米世界争覇継続はありえない。

 米日中をめぐるアジア、アセアンなど諸国の動向を見ても、ウクライナ・ロシア戦争を見るにつけても、アメリカ情報ばかりが我が国を席巻しているとわかる。それだけに、最近の新聞などにもやっと流れ始めた「アジア諸国の中国寄り情報」とか、ウクライナ戦争のBRICS側情報とかは、貴重なものだと思う。日本の老人の政治論議は、今これにも目を向けるべきではないか。日本を規定してきた世界情勢要素、グローバリゼーションが、今こういう史上ろくなことがなかった「ブロック経済」時代にはっきりと入ってきたということなのだから。

 ウクライナ情報最初の例がこれ。ロシア・ルーブルは全然下がっていないどころか上がっている。ウクライナ以前1ドル75ルーブルだったが、戦後一時150ルーブルに下がって、今は53ルーブルに上がりなおした。中国やインドがロシア原油などを超大幅に買いましたからだ。ちなみにここで、中国にインド、そしてインドネシアを加えると、将来世界の一般消費のどれだけ分になるのかを考えてみればよい。世界最大のマーケットは中国圏の中なのだとも言える。
 そしてさらに、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで形成するBRICSに、アルゼンチンなどが加盟を申し出ているという。

 次に、そのインドネシアなども含めた東南アジア諸国はそういう中国に近づき、むしろアメリカには警戒している。そもそも東南アジアで対ロ制裁に加わったのはシンガポールだけだったし、その多くが「日米以上に中国がパートナー」と振舞っているという情報も広がり始めた。むしろ「アセアンが団結して米中圧力を排し、中立の立場で」と繰り返してきたと、27日の朝日新聞にあった。
 これが当たり前のアジアの認識になっているのは、ウクライナ戦争よりもはるかにひどかったイラク戦争、アフガン戦争や、それ以上に「アジア通貨危機というアメリカの世界的搾取」などをよく覚えているからだろう。庶民はともかく、一国の政経にかかわるほどの人々なら、当然の認識といえる。僕はもう、アメリカの世界覇権は守れないと思う。

 日本でノーベル経済学賞にもっとも近かった人物の一人、森嶋通夫も晩年の20世紀のうちから、こう提言してきた。
「日本はアジアにこそその将来を求めるべきだ」

 日本が今のまま株主利益最大化方針資本主義でアメリカについていけば、その覇権維持の手段にされ、やがて捨てられるだけだろう。それは、東芝の今などを見てもわかるはずだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夕刊フジのこういう思考は誤りだ  文科系

2022年05月23日 18時26分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 夕刊フジに最近よくあるこんな思考が載っていたのだが、これは誤りである。今の人類の普通の感じ方、考え方とは違うけど、今なお世の一部にのさばっている、偏った感性、思考と言うほかはない。

『 北朝鮮支援発言の林外相に批判噴出「放っておけばいいとは、ならない」 横田めぐみさん拉致された新潟で 有本氏「就任以来、発言に『ズレ』が」 配信 夕刊フジ

 林芳正外相の発言に、また批判が噴出している。北朝鮮工作員に、横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=が連れ去られた新潟市で22日に行った講演で、北朝鮮での新型コロナウイルスの感染拡大について、「放っておけばいいとは、なかなかならない」と語ったのだ。来日中のジョー・バイデン大統領と拉致被害者家族会が面会する前日に、一体どういう政治センスをしているのか。』

 このどこが、どう、誤りであるか。たった一言、ここに含まれたこういう思考が、今日まで人類が蓄積してきたこういう感性、文化に対して誤りなのである。

「その国の指導者がその時代の人類感情、常識に照らして酷い人間でありすぎれば、その国民はどんどん死んでいって当たり前だ(と他国は振る舞うべきだ)」

 こういった問題・回答を真っ正面から掲げた人が、現在世界にどれだけ居るかはともかくとして、これが正しいと思う人間がどれだけいるかと、今改めて問うてみたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルトガー・ブレグマン著「隷属なき道」の要約  文科系

2022年05月18日 20時14分37秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 15日のここにごく簡単な要約をしたこの本の、もう少し詳しい要約をします。すべて著者の言葉をつなぎ合わせたものです。よろしく。

 

「現代では栄養失調に苦しむ人の数は、1990年に比べて3分の2以下になった。全世界で、1日2000キロカロリー未満で暮らす人の割合は、1965年には51パーセントだったが、2005年には3パーセントになった。
 中世の世界から見れば現代はユートピアそのものだ。しかし手に入れた世界以上に良い世界を思い描くことができないので、新たな夢を見ることができずにいる。実際、富裕国の人の大半は、子どもたちは親世代より悪い時代を生きることになると信じている」

「1930年、経済学者ケインズは『2030年には人々の労働時間は週15時間になる。・・・』と予言した」
ニクソンは、1969年には、すべての貧困家庭に無条件の収入を保証する法律を成立させようとしていた。例えば家族4人の貧困家庭には、年1600ドル(2016年の貨幣価値に換算すると約1万ドル)の収入を保障するものだった」(文科系注 ニクソンのこのニュースは経済学者なら誰でも知っている有名な話です。法制化あと一歩まで行っていました。)

「第二次世界大戦後も余暇は着実に増え続けたが、1980年代、労働時間の減少傾向が止まる。アメリカでは、むしろ労働時間が増え始めた。個人の労働時間に減少が見られた国々でも、家族単位では、ますます時間に追われるようになっていた」
「週の労働時間が世界で最も少ないオランダの市民でさえ、仕事や残業、介護、教育にかける比重が着実に増えてきた。1985年、これらの活動にかける時間は週に43・6時間だったが、2005年には48・6時間になった」
「そして不変と思われた労働対資本の比率が崩壊した。国民所得の3分の2が労働者の給与になるという状態から、現在の先進工業国では国の富のうち58パーセントしか、給与として労働者に支払われていない。世界が小さくなり、『勝者が独り勝ちする社会』がやってきた」

「1970年には、アメリカの株は平均5年も保持されていた。しかし40年後、平均的な保持期間はわずか5日になった。株の売買のたびに支払いが生じる取引税を課したら、社会的価値をほとんど生み出さない高頻度トレーダーは、瞬間的な株の売買によって儲けることはできなくなる」
「ハーバード大学で行われたある研究は、レーガン時代の減税が、最も優秀な頭脳を、教師や技術者から銀行員や会計士へと変えた、と指摘する。70年代には、ハーバードの男子学生で研究者の道へ進む人は、銀行業界へ進む人の二倍いた。20年後、そのバランスは逆転し、金融業界に就職する人は、研究職に進む人の1・5倍になった」
「結論を言えば、わたしたちはみな貧しくなった。銀行が1ドル儲けるごとに経済の連鎖のどこかで60セントが失われている計算になる。しかし、研究者が1ドル儲けると、5ドル以上の額が、経済に還元される。高額所得者に高い税金を課せば『才能ある個人を、負の外部性を持つ職業から、正の外部性を持つ職業に再配分』できる。税金を高くすれば、有益な仕事をする人が増える」

「テクノロジーの恩恵を手放したくないのであれば、残る選択肢はただ一つ、再分配だ。金銭、時間、課税、そしてロボットも再分配する。ベーシックインカム(金銭)と労働時間の短縮(時間)はその具体的な方法なのだ

「国境は差別をもたらす唯一最大の原因である。2009年、信用危機が勢いを増していたときにゴールドマン・サックスが従業員に支払ったボーナスは、世界で最も貧しい2億2400万人の収入の合計に等しかった。そして、地球で最も豊かなわずか62人が、35億人の総資産より多い富を所有しているのだ」

「アイデアは、どれほど途方もないものであっても、世界を変えてきたし、再び変えるだろう。『実際』、とケインズは記した。『アイデアのほかに世界を支配するものはほとんどない』」

 そして、最終章『「負け犬の社会主義者」が忘れていること』の冒頭が、こんな言葉でまとめられていました。
「この本で提案したのは、大きな路線変更だ。奴隷制度の廃止、女性の解放も、唱えられた当初は、正気の沙汰とは考えられていなかった。そうした『大きな政治』を左派は思い出し、右派も同調する変革へと進むべきだ」

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ戦争の背景  文科系

2022年04月09日 12時10分06秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ロシアのウクライナ戦争に関わっていろいろな物を読んできた。それら諸見解をまとめた物として、以下のような経過認識を改めてまたエントリーしたい。このような事実経過が以降の情勢展開に合わせて、次第に明らかになってくるはずだ。ただし、すべての前に一言。2月24日に始まったロシア開戦がどういう理由を付けても正当化されぬ戦争犯罪であるというのは大前提である。しかも、アメリカ以外の大国のあからさまな戦争は近年珍しいところから、世界史を半世紀前に戻した世界史的戦争犯罪であると、元来反戦である僕は特に言っておきたい。

1 ロシア侵攻前のウクライナ情勢
①  2014年のウクライナ・ロシア抗争終結時のミンスク合意以降最近になって東部ドンパス地域(ミンスク合意でロシア人が多いこの地域を親ロシア地域として尊重すると約束した地域)で自爆ドローンを飛ばす攻撃などほぼ戦争状態と言いうるウクライナによるドンパスのロシア人挑発が続いて来た。ロシアはこれを「合意に反してドンパスをウクライナに組み入れようとするファシストの仕業」と言い続けてきたものである。

②  それとともに、やはりこれもミンスク合意に反して、ウクライナがNATO加盟をあからさまに追求してきた。こういうウクライナ政府諸行動について、ゼレンスキーは2月24日のロシア侵攻まで、こう言い続けてきたのも今は特筆すべきことである。
 「NATOには加盟するが、それでもロシアは攻めてこない」
 この態度をロシアが将来的な安全保障上の危機と捉えて侵攻を起こしたわけだが、「ゼレンスキーのこの『攻めてこない』という状況把握論」が、彼がアメリカに欺されてきた結末だと僕は観ている。

③ ちなみに、以上の間中ずっとアメリカは、まるでロシア侵攻に備えてのように、対戦車ロケット、対空ミサイルをウクライナに大量に供給し続けてきた。これらがウクライナに大量に持ち込まれていたというその後判明した事実と、これらを製造しているアメリカの二社の株が去年からずっと上がり続けてきたことなどがこの証拠になる。

④ 以上について、24日の朝日新聞で元国連難民高等弁務官事務所職員、千田悦子もこういう文章が入った投稿を寄せている。

『14年以降のドンパス地域は、ウクライナ政府の非制御地(NGCA)と制御地(GCA)との境界線を中心に戦闘が常態化し、人々が西へ逃げていた。親ロ派によるロケット弾発射や発砲、それを迎え撃つウクライナ軍の砲撃戦で、家や学校、病院、公共施設などが破壊されたそれらの修復を初めとするプロジェクトの進行調整を私は担当した。日中、砲弾の音を間近に聞きながら仕事をする日もあった』
『ロシアの歴代大統領が恐れてきたNATO拡大についてロシアの言い分を聞きつつ、今後の緊張を緩和する方向性をNATO全体で探る必要があるのではないだろうか』

2 こういうウクライナ戦争は、アメリカの世界覇権死守、特にそのために近い将来の対中国冷戦の勝利に向けた布石の一つとして中国最大の味方・(プーチン)ロシアの実質滅亡狙いで起こしたものであると観ている。これと同じ見方を、元外務省国際情報局長・孫崎享や以下に紹介する真田幸光 愛知淑徳大学教授(BSフジLIVE「プライムニュース」3月28日放送 発言)らも取っているはずだ。つまり、アメリカが親中国国に今まで戦争を仕掛け続けてきた「中国を裸にする政策」の一環であると。シリア、イラン、ベネズエラ、ボリビアなどがその対象とされてきた。

3 以上と同見解を語る人々が増えているその一例として「BSフジLIVE「プライムニュース」3月28日放送」の真田幸光 愛知淑徳大学教授の見解を以下に紹介しておきたい。三菱UFJ銀行出身の国際金融学者である。また、国連における各国のロシアへの立場も、日本、欧米ほどにはロシアに対して厳しくはない。国連人権理事会からのロシア追放総会採決にしても、193カ国中で賛成93国、反対24国、棄権58国であり、賛成が過半数でさえないのである。反対や棄権の理由は、「ウクライナに対する調査委員会の作業が何も済んでいない」ということにあるようだ。それでいて、「ブチャの大量殺人など、一方的な情緒的情報ばかりが流されている」という日本などの現状には、イラク戦争前に作り出された戦争熱狂と逆の作為を感じざるを得ない。 

【 英米が真に狙うはロシアの先の中国叩きか。日本は慎重に様子見を

新美有加キャスター:
国際的な信用を落としてまでも各政策を行うプーチン政権。経済的にはどういう利益が出るものですか。
真田幸光 愛知淑徳大学教授:
基本的にはない。むしろ、そこまでロシアが追い込まれ、貶められている。
反町理キャスター:
プーチンがそうするように仕向けていると。その主体は誰ですか?
真田幸光 愛知淑徳大学教授:
英米だと思います。今の覇権争いにおけるアメリカの一番の敵は中国。中国とロシアがくっつくことは極めて怖い。まず、ロシアの力である資源と軍事力を徹底的に落とす。最近の国際金融筋は、ウクライナ問題においてプーチンの力がかなり落ちていると見ている。そろそろ落としどころを探し、金融で中国の首を絞めることが始まるのでは。
反町理キャスター:
なるほど。ロシアに対して英米は、経済制裁や国際世論、武器供与も含めて追い込み、プーチン大統領が愚策を打たざるを得ないようにした。すると、武力をもってウクライナを救うつもりは最初からなく、ロシアを潰して中国を叩くことに向けたステップとしてウクライナ侵略を見ていたと聞こえるが?
真田幸光 愛知淑徳大学教授:
そう申し上げました。ウクライナが、そして大陸ヨーロッパが踊らされた部分が結構あるのでは。
反町理キャスター:
怖い話だ。畔蒜さんは?
畔蒜泰助 笹川平和財団主任研究員:
これまでの米露の交渉を見ると、アメリカはロシアがウクライナに侵攻する危険性を相当感じていて、かなり警告をしたと思う。一方、私が知っているロシア人の専門家は皆、ウクライナへの侵攻などあまりにも愚策でやるはずがないと言っていた。今は当惑している。プーチンにはもっと別の手もあった。
反町理キャスター:
英米が本当に睨んでいるのがロシアの先の中国であるとすれば、日本はどのようについていけばよいのか。
真田幸光 愛知淑徳大学教授:
難しい。日本の最大の同盟国はアメリカで、価値観の共有という意味ではきちんと合わせる必要があるが、先んじて対露制裁や中国への何らかの動きをし過ぎると、はしごを外される危険性がある。また場合によっては、世界の中でかなりの実体経済を握る中国の側が勝つ可能性もある。どう転ぶかわからず、とりあえず様子を見るのが生き延びる手だて。

BSフジLIVE「プライムニュース」3月28日放送  】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガス料金を梃子に米覇権くずす露  文科系

2022年04月03日 16時41分03秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 田中宇の国際ニュースに本日3日、「ルーブル化で資源国をドル離れに誘導するプーチン」という記事が載った。最も短く要約すれば、こうなる。
 アメリカのロシア制裁を梃子にして、逆に「ロシア産ガス料金ルーブル払い強要によって、ロシアは世界のドル基軸通貨体制を崩そうとしている。インドや中国、イランは大喜びだし、ロシア制裁に加わっている西欧は困り抜くだろう。日本がロシアから輸入しているのは液化ガスであって、これについてロシアはなぜか「ルーブル払い」を強要していない。

 日本のウクライナニュースがアメリカ系マスコミ種ばかりになっている馬鹿な情勢の中で、別系統ニュースは貴重です。田中宇のニュース種は反米系を多くした世界中のマスコミニュース。彼の予測は間違っていたと認めたことも多いですが、大きな構図にはそんな誤りはないと思います。何よりもアメリカの弱みをよく知っている。アメリカの弱み、これこそ日本人の盲点。30日エントリーの真田幸光教授らもここをこそ指摘していました。イラク戦争とリーマンショック以降のアメリカに昔の威光はありません。「金融グローバリゼーション経済は、株価だけ経済」の弱みを知っていないとこのことは分かりにくいですが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ルーブル化で資源国をドル離れに誘導するプーチン

4月2日が過ぎても、EUなど米国側の諸国は天然ガスの輸入代金をルーブル払いしたと報道されていない。ロシアが求めたルーブル払いは米国側に拒否されている。ロシアは今後おそらく数日内に、欧州へのガスの送付量を減らすだろう。ロシアが欧州にガスのルーブル払いを要求したのは言葉だけの脅しであり、欧州がルーブル払いを拒否してもロシアが欧州に送っていたガスを減らすことはないという推測が出回っているが、その見方は間違いだ。

この件でロシアが欧州へのガスを減らし、ロシアのガスに強く依存している欧州経済が大混乱に陥り、欧州が最終的にルーブル払いに応じると、それは世界的なエネルギー代金決済の非ドル化の流れを誘発し、ドルの基軸性と米国覇権の低下をもたらす。それが今回のルーブル化の狙いなので、プーチンは欧州へのガスの送付を必ず減らし、欧州に大混乱を引き起こす。プーチンの行為は脅しでなく、米国側とロシア側(非米側)の地政学的な果たし合い・覇権争奪戦なので、ロシアはその戦いに勝つために、これから必ずガス送付の削減や停止を挙行する。

ロシアは欧州へのガスの輸出を止めても困らない。石油ガス鉱物など資源全体が世界的に大きく値上がりしており、欧州へのガス送付の削減による収入減少は、他の資源の輸出収入の増加によって穴埋めされている。米国側はロシアの資源を買わなくなったが、中国やインドはどんどん買い増している。米国はインドに加圧してもロシアの石油を買うのをやめないので、インドの露石油輸入を「一定量まで」容認した。インドはロシアの兵器もどんどん買っている。米国から睨まれたら何もできなくなる他の同盟諸国が馬鹿を見ている。何だかんだでロシアの収入は増えている。対照的に、欧州はこれから深刻なガス不足に陥り、大混乱になる。

欧州は、ロシアからのガス送付が急減したら大混乱に陥るとわかっていたので、できればロシアのルーブル払いの要求に応じたかっただろう。しかし欧州の親分である米国が、それを許さなかった。ロシアが求めるガス代のルーブル化が実現すると、資源保有する世界中の非米諸国がロシアを真似て「ドルでなくうちの通貨で払え」と米国側に要求し始め、ドルの基軸性と米国覇権が低下してしまう。米国は、それを許すわけにいかないので、欧州に命じて、ガス代をルーブル払いを拒否させた。

しかし今後、ロシアからガスの送付を減らされた欧州はとても困窮し、最終的にガス代をルーブルで払う。それはイラン、イラク、サウジアラビアなど産油する非米諸国がロシアを見習って、米国側に石油ガス代金の決済をドルでなくイラン・リヤルなど自国通貨建てで払ってくれと求めることを誘発する。ロシアは最近、イランに対し、一緒に米国の経済制裁を迂回していこうと持ち掛けている。イランは大喜びだ。結局、ドルの基軸性と米国覇権の低下が引き起こされる。プーチンの策略が成功し、米国側が覇権を喪失する。

ロシアから欧州へのガス送付の削減がこれから長引くと、欧州の政治状況も転換していく。独仏など西欧諸国の市民がガス不足に非常に困らされ、欧州市民の心境は、輸出を止めたロシアを恨む状態から、事前準備せずにロシアを敵視してガス不足を引き起こした自国や米国の上層部を恨む状態に変質していく。それが続くと、やがて西欧諸国で反露・対米従属の既存の政権が選挙で転覆され、親露・対米自立の新政権に転換していく流れになる。すでにフランスでは親露反米のマリーヌ・ルペンの人気が上がっている。

▼日本はルーブル払いを免れている

一昨日に配信した記事に間違いがあった。私は、ロシアのサハリンから日本に輸出される液化天然ガス(LNG)も、4月1日から日本側が代金をルーブルで支払わないと売ってもらえなくなると思っていたが、それは間違っていた。ルーブル払いを義務づけられるのは非友好諸国(米欧日。米国側)がロシアから輸入する「気体状の天然ガス」(ガス田から気体のままパイプラインで輸出される天然ガス)だけが対象だ。プーチン大統領が3月31日に発した大統領令にそう書いてある。
(中略)

プーチンが決めた今回のガス代ルーブル払いの義務化は気体状のガスだけで、液化して液体状でロシアが輸出するLNGは含まれていない。日本はロシアから気体のガスを買っておらず、液体のLNGしか買ってないので、ルーブル払いを義務づけられていない。米国側で、気体のガスをロシアからパイプラインで輸入しているのは独仏EUなど欧州大陸諸国だけだ。EUは消費するガスの4割が、ロシアからパイプラインで送ってくる天然ガスで、ガスを止められたらとたんに経済が破綻する。プーチンはEUを狙い撃ちして困らせる策をとっている。

日本の政府や権威筋は、日本がプーチンによるルーブル払い義務化攻撃の対象にされていないことをよく知っている。それなのに日本政府は「ルーブル払いは全く認められない。断固拒否する」と怒ってみせる演技をやっている。日本政府は、日本がルーブル払い義務の対象になっていないので大混乱を免れて良かったと心底思っているが、その気持ちを全く表に出していない。表に出せない。

米国の覇権低下が続く中、いずれ米軍は日本から出ていき、日本は対米従属だけで生きていけなくなり、ロシアや中国との敵対を解消していかざるを得なくなる。日本政府は、こうした国際情勢の先行きを知っているので、本当はロシアと敵対したくない。今の日本は「素」の姿は、どこかの外国を敵視するほどの国際パワーを持っていない。素の日本は、反露でも反中でも反韓でもない。反露と反中は、米国が反露や反中だからやっている。反韓は、日韓が仲良くして安保協定を結んだりすると、そのぶん在日と在韓の米軍がいなくても良いことになり、日本も韓国も米軍撤退はダメだということで、相互に敵対(というより痴話喧嘩)を続ける策をとっている。

(以下略)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歴史的戦争犯罪と一つの謎  文科系

2022年03月01日 09時36分36秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 ウクライナ問題見通しでは、僕がここに書いてきたことは完全に誤りとなった。ロシアがウクライナに侵攻することはないとずっと述べてきたからだ。ロシアは、今後長きに渡って取り返しがつかぬと思い知らされることになる重大な国際戦争犯罪を犯した。そもそも、このロシアの戦争は、その原因であるとロシアが述べてきたはずのウクライナのNATO加盟を正しいものであったと事後に証明したことにしかならないではないか。それほどに、ロシアという国が国際的無法戦争国家だという証明を、この戦争がしたことになる。また、今時こんな無法戦争ができるほどに、ロシアがプーチン独裁国家だとも証明したことになる。

 ただ、この戦争勃発にはサッカー選手本田圭佑もネット論議を呼んでいたように、どうしても不思議な一点がある。彼は、事前にこう述べていた。
『 プーチン大統領の記者会見を見たけど、もうウクライナがNATOへの参加拒否するしかないなという感想。僕が知ってるロシアのリーダーってのはここからの交渉は一切通用しない。「解決のために窓口は開いてる」というのはウクライナがNATOへ参加しないという1択しか受け付けない窓口やと思ってる』

 この同じ事を、元外務省国際情報局長・孫崎享もそのネット記事でこのような歴史的解説をしていたのである。
『ウクライナ問題の根幹は①ウクライナのNATO加盟問題と②「ドネツク」と「ルガンスク」の独立問題。西側が真に沈静化を望むなら、かつて米独が約束した通りにNATOを東方に一段と拡大しない、ウクライナへの加盟は露の理解得られるまで棚上げと約束することだ。』

 さて、今回ウクライナは、本田の言うように、どうして対ロ約束を破って加盟しようとしたのか。さらには、ゼレンスキー大統領は、どうして最後までこのふたつのことを述べていたのか。
「NATOには加盟する」
「ロシアの侵攻はない。あるという人はその証拠を見せて欲しい」

 今となっては、元俳優であった政治素人のゼレンスキーが、誰かにこう信じ込まされていたとしか思えないのである。僕もまた、このゼレンスキーの見方に賛成だったことになるのだが。
「ウクライナがNATO加盟を図っても、ロシアは攻めてこない」
 
 戦争を起こしたロシアが歴史的な戦争犯罪を犯した。が、それは前提として、ウクライナはどうして、国際的約束通りにNATO加盟棚上げを継続すると改めて表明し直さなかったのか。今となっては、これだけが明確に戦争を避ける道だったのだけれど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

半世紀前の時価まで円低落  文科系

2022年02月24日 11時48分17秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 23日の朝日新聞7面に、「日本円の購買力低下」と見出しされた記事があったが、これは日本の政経を見る場合にとても大切な知識だ。『通貨の購買力を示す国際指標「実質実効為替レート」』という数値なのだから。日本のこれは、2010年を100とすると現在は67・55で、1972年以来の低さだという。安倍政権のもとで、特に酷く落ちたわけだ。特にこの10年でこれだけ急に落ちたのは、アベノミクス金融緩和政策が招いた結末であり、外国産品が高くなって国内製品を買わせようとすることにもなって、意図的にこれをやれば「近隣国窮乏化促進国」とか、為替操作国とかと批判されるものでもある。
  まさにこの数値が関連してくることとして、つい最近、あるブログにこんなコメントを付けたことがあった。

『一人当たりGDPは二つあって、単純なそれとその国の購買力を含めた購買力平価の、と。日本は円を異常に安くしているから、外国産品がとても高くなってその分輸入品の購買力が下がります。結果としてたとえば、外国産の肉はどんどん高くなり、太い毛のセーターなどはどこで売っているのでしょうとか、最も高価なジーパン・リーバイスやカシミア・セーターなどは高くなりすぎて売れないとか。根強い人気があるリーバイスなどはアメ横などで中古品を売っているが、これがユニクロジーパンよりもずっと高い。
 この購買力平価一人当たりGDPでは、20年だったかに韓国に抜かれています。だから平均賃金も当然韓国に抜かれたわけです。政府はこの関係の数字をいつも誤魔化そうとしてきました。』

 GDPにはいろんなものがある。このブログを訪れた一右翼君は、安倍総理大臣を見習って「日本のGDPは世界3位」と大いばり。が、こんな大いばりはこの反論ですぐに粉砕した。「じゃあ、2位の中国は日本より豊かなの?」。人口が何倍かになれば食費だけでも大変なものになるからであって、そこで出てくるのが国民一人当たりGDPである。これについてこそ、上のコメントのように名目と「購買力平価」と二つがあって、日本政府はいつも名目の方だけを出してくるようだ。ここで、上の朝日の記事「円の購買力」が登場するわけである。

 永年の金融緩和政策が円の購買力低下を招いたと上の新聞記事も問題視しているのだが、この緩和政策こそ実はアベノミクスの柱。円を日銀にジャブジャブ刷らせるというこの政策は、第二次安倍内閣が出来てすぐに当時の日銀白川総裁を屈服・方向転換させたもの。ただし、この「通貨ジャブジャブ政策」は従来の政経学問では財政ファイナンスと呼ばれて、「いつかその通貨の大暴落を招く禁じ手」とされて来たもの。それを今は、「現代貨幣理論」という名でもってこのように正当化されているのだ。「日本国の借金証書・国債が日本国民に買われている間はノープロブレム」とか「国家の大きな借金も、個人貯蓄などそれ以上の国民資産がある場合には問題なし」とか語る理論である。ということは、将来はこうなることもあるということか? 
「円が急に、異常に、安くなって紙切れになりそう。これでは、ガソリン、肉、薬など輸入物品が買えなくなってしまう。国家の借金が国民資産を超えたから信用問題になったようで、その赤字分を税金としてすぐに頂かねばならなくなった」。

 親の金で勝手に手形を切って豪遊・破産の若旦那とアベノミクスとは、どこが違うのだろう。破産つまり「円紙切れ」「税金3倍増」などというようなことが起こらなくとも、円はすでに1972年以来の安さになっているのだが、昔のことは忘れた? 昔を覚えていれば、外国旅行をした場合に2010年と比べて1万円札の3分の1ほどは紙切れになっていると気づくわけだが・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もう手遅れ、米「新インド太平洋戦略」 文科系

2022年02月14日 00時08分29秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 この11日、米バイデン政権が包括的な「インド太平洋戦略」を発表した。その解説にもいかめしく、「地政学上最大の試練」と位置づける「中国の挑戦」に対して、「友好国との連携強化で対抗する」を狙いとして。が、この戦略はもうすでに遅すぎて、あちこち穴だらけに見える。

 まず「特に関係が悪化している日韓両国に言及」なのだそうだが、中韓関係はすでにもう、ほとんどの日本人が知らないこんな重大事態にまで至っている。このことについて旧拙稿を抜粋すると・・・

【 日韓断絶ここまで、韓国国防白書  文科系 2019年01月16日 
 目立たない記事だが、今日の中日新聞3面に大変なニュースが載っている。日韓断絶がここまで来てしまったかとため息が出るような。18年版国防白書の内容を抜粋してみよう。
 何よりも問題と言えるのは、こんな下り。
『南北関係の改善を受け、北朝鮮を「敵」とする従来の表記を削除した。日本については、「自由民主主義と市場経済の基本価値を共有している」との文言が消えた』
『日本に関しては、周辺国との軍事交流・協力の記述では、16年版は日本、中国の順だったが、中国、日本と入れ替えた。』

 北朝鮮を敵とする記述を消して、日本とは基本価値を共有しているとは言わなくなり、軍事協力でも日本より「まず中国と」と国防白書に明記したというのだから、その日本関係変化を一言で言えばこんな姿勢、表現になる。日米に対して背中を向けて、中国の方へと、遠ざかって行った、と。
 そしてこのことは、近未来の米中関係予測からして、従来世界政治地図をも塗り替える途轍もない行動だと解釈するほかは無い。隣国韓国は日米に根本的不信を持つに至ったのだ、と。トランプ暴政下になってもなお揉み手を擦るようにしてアメリカに近づいている安倍日本政権に対して、文政権がそんな日本よりも中国との軍事協力を重視し始めたというのであれば、韓国はアメリカからも距離を置く決意をしたということである。(以下略)】

 こういう経済・外交政策と韓国内格差是正政策によってこそ、国民一人当たり購買力平価GDPや平均賃金で韓国は日本を追い抜いていったのである。国内最低賃金を時給1000円に上げて内需拡大に韓国が方向転換した時には、日本マスコミは「求人がなくなる」と軽蔑の眼差しを投げていたのではなかったか。

 次に、韓国以外の米の「インド太平洋の(主要)友好国」はどうなのか。豪州は別にして、フィリピンとタイにプラスしてインドだが、それぞれを観てみよう。

 インドは最近、主要国防ミサイルさえロシアから買って、アメリカが怒り狂った国である。この同じロシア・ミサイルをトルコも買うことになって、やはりアメリカが怒り狂ったのも有名な話だ。というように、インド・中国に国境紛争があるにしても、外交にはとてもしたたかな国であって、アメリカの言うがままになる国ではなくなっている。

 フィリピンはと観れば、中国との南シナ海問題ではアメリカの言うとおりにはならずにまず「両国で独自解決を図る姿勢」だし、そもそも米軍地位協定を長く破棄していたが、やっと去年維持表明をし直したというような間柄でもある。この国の物経済の対中接近が大きくなる一方だからこうなっているというのも、明らかだろう。
 また、タイはと観れば、ミャンマーと同じでクーデターをやったことがある上に今も政府実権を握っているに等しい軍がアメリカの言うことを聞かず、中国に接近している。タイ軍部の反米姿勢がまた韓国政府と同じで、アジア通貨危機がタイ・バーツを起点として起こったことによって日米金融にいじめ抜かれたその嫌悪感から来るものだというのも明らかなことではないか。

 これら東南アジア諸国すべてが、「新自由主義経済」を標榜して金融では他国から大儲けしながら物経済ではブロック経済や保護貿易主義を取って理論でも利己的暴力国家になったアメリカから距離を広げて中国にどんどん近づいて行ったのだから、物経済が弱いアメリカがこれらを巻き込むなどはほぼ不可能なことだと言いたい。


 僕はこうしてもう、トゥキディデスの罠でいう覇権超大国からアメリカは落ちていくと確信している。西欧諸国もウクライナのNATO加盟無しでロシアとの調整を進めているようだし。アメリカもまさか中国に核兵器は使えないし、世界大戦も起こせないだろうし。物貿易で負けたアメリカに対して、その金融進出も半ば閉ざしたアジア諸国になっていくだろう。

 こうして日本だけが、なぜかアメリカ以上に「対中先制的防衛体制構築」、「そのために軍事のGDP比2%国へ」と大音声しているのだ。安倍晋三ご一統がそんな時代錯誤の国民貧窮路線の旗頭なのだが、僕には面白いほど国際的頓馬に見えるのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誰が作った? 政治対案も難しい日本惨状  文科系

2022年02月09日 13時22分52秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 与党は野党の批判に対してすぐにこう応える。「じゃあ、対案を出せ」と。ところがこの日本の生活・政治は、長期間かかって悪くされすぎて来たから、短期に実効性ある対案などなかなか出ない状況と言える。そのことを描き出してみよう。これだけ悪くしたのは自公政権。それで対案出せとは、よく言うわという話。

 まず国のGDPはと観れば、世界GDPに占める日本の割合は極端に落ちてきた。2001年から2020年にかけて、13%だったものが実に6%に落ちている。その結果国民一人当たりGDP世界順位も極端に下がって、20年度の購買力平価のこの数字で観るとIMFで33位、世界銀行で37位だ。この日本の順位は前世紀の最後ごろには、一桁台の5位前後だったのである。
 これでは当然個人の給料も全く上がらない。上がらないどころか下がっているという先進国では珍しい国である。2月4日の中日新聞に載っていたある研究所の数字だが、1997年から2020年にかけて、平均手取額で419万円から373万円へと、46万円も落ちている。そして、この数字こそ、「結婚相手に選んでもらえない男性が急増、50歳まで結婚経験なし男性が4人に1人」に近づいているという有様。孫がいない家もさぞ増えていることだろう。日本の一路少子化・小国化への一因となっているのである。
 
 これらの急な生活悪化には、21世紀になって特に長かった小泉・竹中政治およびアベノミクスに責任があることは明らかだ。が、そのアベノミクス政治は、「国家基幹統計の四割に不適切処理」という事実と呼応しているはずだ。たとえば建設受注統計は2013年から書き換え開始など、アベノミクスの元で、基幹統計の四割がなんらか書き換えられていた。これは、こういう統計推移などから政治の現状を判断する基準そのものがうやむやにされたという、日本国家にとっては取り返しのつかぬ重大事態なのである。意図的なものである可能性も極めて高いから失態ではなく、国家史的重大犯罪かも知れない。

 さて、以上の下で軍事費だけは知らぬ間に増えている。補正予算その他を入れればいつの間にか対GDP1・24%になるという数字もあった。アメリカに対する「2%約束」もあるやに言われ、安倍腹心の高市早苗氏らによる「対中先制的防衛論議」が急台頭して来た。これは、「日本の第一位貿易相手国は中国で、こことの輸出入はますます増えている」という現実と、矛盾し過ぎているのである。中国と手を切れと言っているに等しい先制的防衛論者らは、一体どうやって日本の貧困化、少子化(未婚者も含めて子どもを諦めている人の観点から見て)を止めるつもりなのか。その穴を埋めるための欺瞞政治言論が日本会議の「日本主義思想」宣伝なのだろう。国民生活と政治が悪くなっている国ほど、「わが国のここに誇りを持て」と、歴史上いつも上から吹聴されてきたものだ。

 

 このように大変な困難、岐路に立っている日本国民は今、よほど考えないといけない。ちなみに、台・中問題はウクライナ・ドンパス問題と同根のものである。西欧諸国は、決してアメリカの言うままにはならないだろう。現に独仏は、アメリカの意思に反して、「ウクライナのNATO非加盟」に向かって懸命に努力していくことだろう。対するに、日本の対中「先制的防衛論議」はアメリカが命ずるままに一体どこへ向かっていくのか??

 

 なお、これを読まれて得心された方、この拙稿もお読み願えれば嬉しい。『 世界諸悪の根源を巡る現状  文科系 2022年02月04日 』

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「佐渡金山」でも「韓国逆撫で」  文科系

2022年02月07日 14時54分25秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 本日の朝日新聞2面連載コラム「いちからわかる」の「世界文化遺産に佐渡金山が推薦されたね」は、その内容に「不承知」である。韓国が最も反対する点、その理由部分が書かれていないからだ。その該当部分はこう表現されているだけだ。
『15年に「明治日本の産業革命遺産」が登録されたときも』で始まるコラム末尾部分に、肝心な点が抜け落ちている。この15年には結局、韓国は「欺された」と考えているはずだ。それがあるから今回は強硬なのではないか。政府は「今回の佐渡金山登録申請は江戸時代だけに限定している」と逃げ道を作っているようだが、その後にここで韓国人が強制労働させられたことには変わりはないのである。そして、前回15年には、日韓の間にこんなことがあった。

 

【  徴用工問題、蒸し返される訳  文科系 2019年08月05日
書評、『前川喜平「官」を語る』(宝島社、2018年7月第一刷発行)として

 入院中に読んだ本の一つに、『前川喜平「官」を語る』(宝島社、18年7月第1刷)があった。毎日放送、朝日新聞に勤めていた山田厚史を質問者・聞き手とする対談本だ。そのなかに、徴用工問題応酬が近年再燃した発端とも見える、ある事件が報告されている。文科省に勤めていた前川氏の体験報告なのだが、安倍政権の韓国に対するこういう構え、態度が、この問題が韓国側から蒸し返されていつまでも終われない原因になっているのではないか。体験報告を要約し、僕としてのその批評を述べてみたい。

①2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」がユネスコ世界遺産に登録された。長崎の軍艦島、八幡製鉄などの明治以降産業遺産群である。これが今で言う「首相案件」。長崎キリスト教遺産群など先行候補を強引に追い越して急浮上、年に一つの日本代表に推されることになった結果のユネスコ登録だった。

②この問題のユネスコ審議過程において、これらの遺産群における徴用工の扱いで韓国が反発、紛糾した末に、この様な決着があったという。まず、こんな形で。
『そのとき日本は、徴用工の正しい歴史や資料を訪問者に啓蒙するインフォメーションセンターを設置することを約束しているんです。
 実は、この約束はきちんと履行されているかモニタリングされることになっており、チェックされるのがまさに今年、2018年です。しかし、私が知る限り、現段階ではまだ設置されていない』

③ところが、この約束に関わって文科省がこんな相談も受けることになったという。
『私は文科省在職時代、和泉洋人・首相補佐官に呼ばれ「徴用工に関するインフォメーションセンターを六本木の国立新美術館の別館に作ることはできないか」と聞かれたことがあります。(中略)できるだけ現地から遠い、東京にひっそり作りたかったのでしょう』

 どうだろう、「地方創世」という名の「観光地作り」を「首相案件(その上での実績作り、功績)」として急ぐ余り、韓国とユネスコに急場しのぎの心にもない約束をして、後で見かけだけという辻褄合わせに努めようとしたと、韓国からは見えないか。このようなインフォメーションセンターは実質が伴わない「羊頭狗肉」、謝罪の心もないから、言うならば嘘の約束である。これでは、韓国が怒ることさえも予期できたはずで、どこか何かで韓国が怒ったら今やっているようにこう返せばよいと、初めから考えていたとしか思えないのである。
『徴用工問題は1965年の日韓条約でもう終わっている』

 こういう誠意のない「謝罪も、償いもした。もう終わっている問題だ」とは、慰安婦問題にも通じるもの。終わっているのだから、日本が何をどう語っても、どう振る舞っても文句など言うなということにはならないはずだが。こういう態度は、「こちらの『歴史的恥部』をずっと言い募ろうというのなら、上等、いつでもケンカに応じてやる」と常に居丈高に対すること。

 歴史的加害者の方がこれでは、日韓紛糾は永久に終わらない。度々よく伝えられてきたように、こんな構え、考え方をさえにじみ出しているのではないか。
『当時の法では、植民地は合法。文句など言うな!』
 まともな時代なら、国家の品格が問われる態度だと言いたい。 】

 ちなみに、ビグローブのレコード・チャイナ2月5日の記事として、こういうものもあった。

【 ユネスコ側は、「日本政府が軍艦島に関する約束(朝鮮半島出身者の強制労働についての歴史を説明する)を守っていないことは、今回の佐渡島の金山の登録に影響を与えるか」との質問に対しては直接の回答を避けたが、昨年に世界遺産委員会が「強い遺憾(Stronglyregret)」を示した決定文に言及したという。】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界諸悪の根源を巡る現状  文科系

2022年02月04日 00時13分54秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 現代世界は今や苦難に満ちている。世界の負債は200兆ドルを超えて、世界隅々の必要なところの金まで他所に掻き集められていく有様だし、日米など旧先進国では格差が激しすぎるようになっただけでなく、不安定労働者、失業者が溢れ、国家財政はどこも大赤字である。国連の支援がなければ食えない国も増えているだろう。これらの元凶が、ここ数十年の株主利益最大化方針を採る金融資本主義の仕組にあることは、誰の目にもすでに明らかになっている。株価に連動して巨額報酬を受け取る社長たちは、コストダウンに励んで作った利益を税にさえ回さぬように工夫しつつ株主に還元し、その金がまた株に投資されるという仕組によって、働く者は二重三重に貧しくなって株価だけの景況が謳われるようになった。これら世界の大株主達のご本家・アメリカでも流石に反省が始まっていて、そのことをここでも何回か書いてきた。

 2019年の夏、全米経営者団体ビジネス・ラウンド・テーブルが「これからは、ステークホルダーの利益も考えるようにしていく」と言う声明(これを「パーパス文書」と呼ぶようだ)を内外に発したのは有名な話である。このことは、2019年の当ブログ8月21日、26日エントリーで扱い、以降も折に触れて言及してきた。

  ところがここに来て、この声明がいかに口だけのものであって、株主資本主義の暴力はいっそう大きく続いていると、この1月29日の朝日新聞「強欲の代償 ボーイング危機を追う⑤」が明らかにしている。この文末結びの部分を抜粋してみよう。

『「改心」の本気度が、コロナ危機で試された。20年春、(パーパス)文書に署名した企業の行動をペンシルベニア大の准教授タイラー・ライが調べた。署名しなかった同規模の企業よりも、署名企業は2割多く株主に還元していた。人員削減した割合は2割高かった。物資増産や緊急支援、商品の値下げも署名企業はむしろ消極的だった。「株主に多く還元してきた企業ほど、今回も『悪い』行動を取る傾向が強かったのは注目に値する」とライは言う。
 環境・社会・ガバナンスを重視する「ESG投資」が一段と広がり、むき出しの株主至上主義は後景に退いたかのようにみえる。とりわけ地球環境というステークホルダーに対する経営者の意識は様変わりした。
 しかし、株主資本主義を支えてきた株価連動型の経営幹部への巨額報酬を見直そうという議論や、富裕税導入に向けた動きは鈍い。コロナ禍で経営幹部と働き手の所得格差は一段と広がった。経営者は身を切らず、最重要の利害関係者である働き手を置き去りにして「ステークホルダー資本主義」はおぼつかない。』

 なお、以上の内容に関連して、当ブログ最近のこのエントリーもお読み願えれば嬉しい。パーパス文書、SDG、ゴールドマンなど世界大金融450機関が関与した「グラスゴー同盟」の動きという三つが絡み合った、今後世界の巨大舞台が展開され始めたというものだ。
SDGには国連イニシアティブが必要  文科系 2022年01月25日

 アジア通貨危機など打ち続いた世界の金融危機や、リーマンショックなどを起こした世界の金融暴力を抑えうるものは、国連金融規制しかない。リーマンショック総括として話題になったこの規制論議(たとえば、「国連スティグリッツ報告」)をアメリカ政府は猛烈に妨害し続けてきたが、アメリカ現在の国連無視は今や「金融規制妨害」と同義語なのでもあろうか。 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SDGには国連イニシアティブが必要  文科系

2022年01月25日 06時55分05秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 この17日エントリー「世界・日本の今後への最重要動向」に、『「グラスゴー金融同盟」、この動きはずっと注意深く観ていきたいものだ』として、こういうことを書いた。

【 今朝の朝日新聞7面オピニオン「記者解説」欄に、耳寄りの記事があった。朝日を取っていない家が多い中部地方の方々に、この内容を紹介したいと思い立った。「脱炭素の原動力」と見出しされた記事の主内容はこういうもの。
『世界の脱炭素の潮流を作った立役者は、前英中央銀行総裁ら欧米の金融界だった』
 この前総裁なる人は、マーク・カーニーと言い、ゴールドマン・サックスの出身で、作春「グラスゴー金融同盟」なるものを設立、こんな事をしているのだそうだ。
『この有志同盟は45カ国から銀行や保険会社、資産運用会社など450機関が参加。世界中の投資資金を脱炭素に集中させるための運動を進めようとしている』
『「脱炭素のために今後30年間で100兆ドルの投融資が可能」と発表している』 】

 さて、このグラスゴー金融同盟に、米経済界の以下のようなこんな重大反省が生かせる保証はあるのかかどうか。これは、21世紀の地球、人類にとって、最大問題になっているのではないか。

【 英米流経済 歴史的敗北宣言?? 文科系  2019年08月21日 
 どうやら、数十年続いた英米流経済に世紀の歴史的敗北宣言が出されたようだ。本当にこの様に正すかどうかは今後を観なければ何も信用出来ぬが、少なくとも内外に向けてのポーズとしては。小さな記事だが、20日夕刊に標記の内容と分かる人には分かる出来事が、報じられている。今になってなぜと考えてみたが、その意図も以下のように既に明白。この大事な記事の見出しは、『株主最優先を米経済界転換』?? この記事の書き出しはこうなっている。
『米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は19日、株主の利益を最優先する従来の方針を見直し、従業員や顧客、地域社会など全ての利害関係者の利益を尊重する新たな行動指針を発表した。これまで米経済界は「株主利益の最大化」を標榜してきたが、大きな転換点となる』】

 事はこういう話だ。SDGとは、この地球とここに生きる人々の死活を左右する、しかも、21世紀の世界最大の成長産業部門とも言えるもの。これを、アジア通貨危機やリーマンショックを引き起こして世界中の金や職場を奪って(自分だけは国家資金によって救われて)きた英米金融業者任せにして良いのかということ。SDG経営分野で「株主利益の最大化」の弊害を制御する保障がどこにあるのかという話だ。この「株主利益の最大化」方針の弊害として、人の職業を少なくするだけという側面によって国際的に極貧国、極貧の人々を生み出して来たその点から批判したい。

 SDGを国際金融に任せるべきではない。リーマンショックを引き起こしたアメリカに任せるべきでもない。この部門こそ、国連史上初とも言える新たな国際民主主義的イニシアティブが必要である。世界的成長産業部門は、世界の国々、庶民のために経営されていくべき時代である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米の「世界」への罪の一つ?   文科系

2022年01月19日 14時22分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 今や世界の負債が160兆ドルで、1京6000兆円と報道された。それも、リーマンショック前から1・6倍に増えたとも。わずか10年ちょっとで借金がこれだけ増えたって、一体これは誰が作ったのか? 英米のファンドや銀行などだろう。20世紀末から世界中で起こった通貨危機のことを日本人は何も知らないから、このことにも無知なんじゃないか。「アジア通貨危機」の時も、米英と日本などが起こし、タイ、台湾、韓国などに貯まった小金を奪い取っていった。100年に一度の経済危機と言われたリーマンショックではやはり世界の小金が奪い取られたのに、これを起こしたアメリカの投資銀行、ファンドなどは彼らの債権を保障していた保険会社とともに、国家資金によって救われているのである。これらの投資銀行はすべて潰したが、それぞれの本元の銀行などに吸収合併させることによって、その銀行が救われているのである。世界の金を奪っておいて、偽装倒産にも等しいもんじゃないか。

 この金融にも長けているはずの国・日本でさえ、サブプライムバブル破裂によってどれだけの金が奪われ消えていったことか。愛知県の裕福な私立大学などの貯金がそれぞれ100億というような額で消えて、訴訟沙汰に近いことが起こっていたと覚えている。N大学、H大学・・・。こういう英米金融が今、世界の先頭に立ってSDGに世界中の金を投資するのだと組織的動きに息巻き動き始めた。この「世界政策的」イノベーションで作られる富はそもそも一体、世界の庶民にどう還元されていくのだろうか。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界・日本の今後への最重要動向  文科系

2022年01月17日 08時34分38秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 今朝の朝日新聞7面オピニオン「記者解説」欄に、耳寄りの記事があった。朝日を取っていない家が多い中部地方の方々に、この内容を紹介したいと思い立った。「脱炭素の原動力」と見出しされた記事の主内容はこういうもの。
『世界の脱炭素の潮流を作った立役者は、前英中央銀行総裁ら欧米の金融界だった』
 この前総裁なる人は、マーク・カーニーと言い、ゴールドマン・サックスの出身で、作春「グラスゴー金融同盟」なるものを設立、こんな事をしているのだそうだ。
『この有志同盟は45カ国から銀行や保険会社、資産運用会社など450機関が参加。世界中の投資資金を脱炭素に集中させるための運動を進めようとしている』
『「脱炭素のために今後30年間で100兆ドルの投融資が可能」と発表している』

  欧米の金融業界と言えば、過去の彼らに僕が思い浮かぶのはこんな事しかない。日本の住宅バブルを弾けさせて現在の貧乏国ヘとスタートさせたのも、アジア通貨危機でタイや韓国などアジア経済を一時どん底に落とし込んだのも、100年に一度の世界経済危機リーマンショックをもたらしたことなどを通じて米日現在の超格差をもたらしたのも、彼らであると。そんな彼らが今、SDGの立役者??

 さて、ここにも世界の二つの道があると思う。世界のSDG実践が世界各国、世界庶民にさらなる格差をもたらすものになっていくのか、あるいは全く逆に世界の底辺の人々にもこの経営の富自身を行き渡らせることができていくのか。ちなみに、英米金融が後者の道を国際民主主義的に成功させることができなければ、残念ながら、中国型の国家経営に対抗できなくなっていくのではないか。これもちなみに、現在のコロナ下世界で、社会の底辺にこそブラジルやインド並みに死者が多いなどもっとも庶民が苦しんでいる国家が、アメリカである。このアメリカは、沖縄を通じて日本にもどんどんコロナを持ち込んでしまった。こういう国を作った世界金融に世界のSDG運営を任せておいて、はたして良いのだろうか?? 

「グラスゴー金融同盟」、この動きはずっと注意深く観ていきたいものだ。日本が世界に誇る経済学者・故森嶋通夫の言葉を借りれば、このSDGは現在世界最大の政策的イノベーションとも言えるのだから。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする