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アラル海上の細菌兵器基地の島。     まもる

2006年09月09日 15時14分40秒 | Weblog
さてそのアラル海。かつてはソ連国内にあったわけだが、ソ連解体で北はカザフスタン、南はウズベキスタンと2つの国に接する湖となった。そして湖に浮かぶボズロジェーニエ島の上にも国境線が引かれて、南北に分断された状態。島に住んでる人はさぞ不便になったろうと思いきや、ボズロジェーニエ島は無人島、というか人が住むなどトンでもないという状況だ。

ボズロジェーニエ島にはかつて住民がいた。1936年にソ連はこの島に生物兵器の実験施設を作り、軍隊や研究者が常駐していた。島では炭疽菌やペスト菌、ボツリヌス菌、ブルセラ菌、ツラレミア(野兎病菌)、ベネズエラ馬脳炎ウィルス、天然痘ウイルス・・・などなどを使った動物実験が続けられていたが、ソ連の解体に伴って、実験施設は91年に閉鎖。ロシア軍は残っていた菌やウィルスを殺菌処分して引き揚げた・・・はずだったが、2000年にアメリカの調査チームが調べたところ、殺菌されて地下数メートルに遺棄された炭疽菌の胞子数十トンのうち一部がまだ生きていることが判明したらしい。

ところでアラル海は、かつては世界で4番目に大きな湖だったが、1950年代から周辺一帯で大規模な綿栽培が始まり、アラル海に流れ込む川の水が灌漑用水に使われて減少したため、アラル海の面積は急激に減少。それに伴って雨も減り、周辺一帯は砂漠化が進んで、現在ではアラル海の広さは3分の1以下になってしまった。一方で湖が干上がるにつれてボズロジェーニエ島の面積は広がり、もともと200平方km足らずだった島は10倍以上に拡大している。

そこでいま懸念されているのは、いずれ島が本土と陸続きになり、島で生き残っているという炭疽菌が、ネズミなどの動物に感染して本土に撒き散らされること。「2010年頃にボズロジェーニエ島は本土と陸続きになる」と予想して、アメリカの援助で炭疽菌の除去作戦が予定されていたが、最近の衛星写真 を見るとすでに島の南部は本土と陸続きになり、「島」ではなくなってしまったようだ。

もともとソ連がここに生物兵器の実験施設を作ったのは、本土と隔絶された島なので病原菌が外部に広がる恐れはないだろうと考えたため。それでも86年には周辺一帯でペストが流行し、88年には家畜50万頭が死んで周辺住民に避難命令が出る事件が起きた。最近、アラル海南岸では、乳幼児の死亡率が上昇していると言われており、住民への健康被害が深刻になりつつあるようだ。

     



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地球のうめき                まもる

2006年09月09日 13時43分17秒 | Weblog
 画家のマテボスヤン(Matevosyan)(82歳)は1962年、カザフスタンとウズベキスタンの国境に位置する内海であるアラル海に居を構えた。それ以来アラル海を描き続け、その数は数百枚に上る。

 ヨーロッパとアジアを分けるカスピ海、北米スペリオル湖、アフリカのビクトリア湖に次ぎ、アラル海は世界第4位の大きさを誇る湖だった。

 ところが、1960年代に人の行為が原因で水位の減少が始まる。当時ウズベキスタンは大量の灌漑用水を取水して綿花を栽培し、ソ連邦の一員として大量生産用の加工原料として提供していた。今日、アラル海の水量は以前より9割減の1,150立方キロメートル、表面積は73%縮小して17,600平方キロメートルとなった。
                  

 アラル海は南北に分断され、南アラル湖と北アラル湖ができた。何百万ヘクタールもの湖底が干上がり、砂漠化してアラルカン砂漠と名づけられた。

 この砂漠から風に乗って7,500万トンもの砂塵、塩分が空中に飛散し、到達範囲は半径1,000キロメートルにおよぶ。

 ウズベキスタンの詩人であり、ジャーナリストのライム・ファラディ(Raim Farhadi)はアジア・ウォーター・ワイヤの取材に応じ「マテボスヤンの描く絵は、アラル海の悲劇の歴史だ」と表現した。初期作品では豊かな水量に支えられた活発な漁業活動が描かれ、最近の作品には干上がった湖底に打ち捨てられた船が描かれている。

 マテボスヤンはアラル湖畔に移って来てから2年たったとき、アラル海が縮んでいることに気づいた。ウズベキスタン西部のモイナクという町はかつて漁業の中心地であり、加工も盛んに行われていた。

 この町の魚缶詰工場を描いた絵がある。工場は湖の中に打った杭の上に建てられていた。時がたち、杭は乾いた湖底から突き出し、工場は廃墟となった。

 マテボスヤンはウズベキスタンのサマカンド市の出身。両親と共にカスピ海西岸アゼルバイジャンのバクーに移った。そこで30年過ごすうちにカスピ海と黒海を描いた。内海である黒海は南東ヨーロッパと小アジアの境界に位置し、ボスポラス海峡、マルマラ海、アゾフ海、ケルチ海峡と抜けて地中海に出る。

 さらにマテボスヤンは子供艦隊で訓練を受け、バク芸術大学を卒業。ファラディによれば、マテボスヤンは人間と環境の悲劇の歴史の記録者であり、土と海の「実態」を感じさせる。

 インタビューでアラル海の移り変わり描き続ける理由を尋ねられたマテボスヤンは次のように応えた。

 「アラル海が干上がるにつれ、新しい砂漠が現れ、砂塵や塩の嵐を引き起こしている。アラル海周辺の土地には塩と有毒な化学物質が堆積し、これらが大気中に舞い上げられ、周辺地域に拡散している。植物も動物も死んでいる。今や魚は何千キロメートルも離れたバルト海から運ばねばならない。アラル海周辺の住人は新鮮な水を手に入れることができず、病気になっている」

 アラル海周辺の住民はガン、肺の疾患をはじめとする疾病罹患率が高い。

 マテボスヤンはアラル海の将来に楽観的になれない。「アラル海に注ぎ込むアムダリヤ川とシルダリヤ川は中央アジア6カ国(アフガニスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)を流れる。各国がほしいままに大量の水を取り込む。たとえバケツ一杯ずつでも大樽から水を汲み出していけば、水はなくなる」

 1960年代までは、アムダリヤ川とシルダリヤ川は毎年58立方キロメートルの水をアラル海に供給していた。

 しかし灌漑の拡大にともなって、80年代半ばをすぎるとアラル海に流入する水量は大幅に減少した。さらに、アラル海から毎年30から35立方キロメートルの水分が蒸発している。

 科学的根拠に基づき生態系的に許容されるアラル海流域の取水量は毎年80立方キロメートルを超えない量である。しかし現実の取水量は、すでに許容される水準を上回る毎年102立方キロメートルとなっている。

 現在、アラル海の災害支援に様々な方面から寄付が集まっているが、あまり役立っていないとマテボスヤンは言う。「住民は西側諸国から多額の寄付金を受け取り、これを使っている。この状況は、ウズベキスタンにおける存在感を確保しようとする西側諸国の代表にとって有利ともいえる」

 マテボスヤンは、アラル海周辺の住民のための資金集めに絵が役立つと信じ、旧ソ連諸国、ドイツ、トルコ、アメリカ、旧ユーゴスラビア諸国で展覧会を開催。また、業績をまとめ『人と海』を著した。

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音楽のエピソード  へそ曲がり

2006年09月09日 12時02分44秒 | Weblog
「文化系」さんに倣って、時々、「閑話休題」を投稿しようかと思ったのですが、試しとしてやってみます。「9条」とは関係ないとのお叱りを受けるかも知れませんが・・・。


 クラシック音楽が好きである。勿論、ラテン・タンゴ・なつメロも・・・。
 
 好きな指揮者のひとりに「ハンス・クナッパーツブッシュ」がいる。もう過去の人である。
 世界中に知られた人ではない。しかし、彼が活躍したドイツのミュンヘンでは“われらのクナ”と呼ばれ、現在でも親しまれている。
 日本へは、評論家の「宇野功芳」氏によって紹介された。紹介されるや、その反響は凄まじかった。
 レパートリーは決して広くない。しかし、彼の指揮するワーグナーやブルックナーなど、そのスケールの大きさは他の指揮者の追随を許さない。「タンホイザー序曲」を聴くだけでそのことがよく判る。

 さて、当時の指揮者の世界では、指揮台の前に楽譜を置かず、いわゆる暗譜で指揮することが流行であった。いまでもそうである。しかし、彼は必ず楽譜を前に置き、ページを捲りながら指揮した。
 ある日、彼は記者から尋ねられた。“トスカニーニやカラヤンなどは暗譜で指揮しているのに、あなたはどうして楽譜を見ながら指揮するのですか?”、と。
 「クナ」氏、答えて曰く“わしは楽譜が読めるんじゃよ”。

 「オットー・クレンペラー」も好きな指揮者のひとりである。彼も過去の人である。CS放送の736チャンネル「クラシカ・ジャパン」では彼の姿を見ることが出来る。最晩年期で、椅子に座っての指揮である。体は殆ど動かさないが、オーケストラが奏でるベートーヴェンの交響曲はじつに素晴らしい。
 練習の際の指揮者は、その殆どがユーモアを語りながら楽団員をリラックスさせる。しかし、彼には厳しさはあってもユーモアはない。楽団員は練習の始まりから終わりまで神経をピリピリさせなければならなかった。
 
 ある日のことである。レストランで食事中、彼に激しい生理作用が襲った。急いでトイレへ行ったが、あいにく男性用は満員である。困った彼は隣の「女性専用」に入ってしまった。
 用を足してほっとして出ようとした彼は、美しく着飾った1人の女性と鉢合わせしてしまった。
 キッとなった女性は大きな声で彼を非難した。“ここは女性専用です!”。
 クレンペラー氏、自分の股間をポンと叩いてからおもむろに言った。
“マダム、ここも女性専用です”。

 こんなのでいいのでしょうか?

 
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消える巨大湖                  まもる

2006年09月09日 09時15分11秒 | Weblog
 地球環境破壊の例として流れの途絶えた「黄河」の話題が投稿されています。
 今、私の手元に岩波新書「地球環境報告Ⅱ」石弘之著がありますが、その三章干上がる地球に「黄河」と並んで「アラル海が消えていく」の報告がありました。
 アラル海はカスピ海の東カザフスタンとウズベキスタンにまたがった位置にある世界四位、琵琶湖の百倍の面積の巨大塩湖です。
 著者はかつての湖岸(といっても三十年前)に立って「唖然」とする。湖岸の鉄柵はさび、柵の向こうには茫洋とした砂原が地平線まで続いていて、かつての水面ははるか九十キロ先まで後退してそこからは見ることは出来ません。
 かつて「中央アジアの真珠」と呼ばれた湖の変わり果てた姿を著者は冒頭に記しています。
 何故このようなことが起こったのか? それはソビエト時代の無計画な巨大灌漑事業が主な原因だといいます。
 今では衛星写真を見ると広大な湖沼の跡に白い塩が噴出した大地が広がっています。
 この自然破壊による影響は深刻かつ多岐にわたっているといいます。                                                                      
 
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