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昭和14年の一断面  落石

2006年09月13日 16時40分12秒 | Weblog

靖国の記事に、昭和14年の歌を紹介して下さった方がありました。
そこでその当時の空気を感じて頂こうと思い、
その年の名古屋新聞のコラムを紹介したいと思います。

「病床十年」と題した記者Mさんのコラムです。

病床生活十年・・・この夏は到底凌がれまいという甥を久々に
慰問した。とがった頬、くぼんだ瞳、枯竹のような腕と足。
あはれ痩々たる体である。『よく痩せたなァ』と言えば『人間は
こんなに痩せても生きられるものだとは思はなかったよ』と
寂しい笑みをもらす。

何時頃だったか訪ねた時、丁度、健康強調週間中で、彼、
感懐を述べて曰く『結核は亡国病だ、これを駆逐せよなどと
言われると、全国幾十万の肺病患者は寝床をひっくり返される
ような衝動を受けることだろう。この非常時に安閑と何時
快癒するか分からぬ病気に臥床を余儀なくされている我々には
余りに過酷な鞭だ』と。
彼の言い分にひがみとのみ片付けられぬものを私は感じたことであった。
思えば長い十年の闘病生活である。勿論その間には一進一退あり、
時には家畜類を飼育して、農村の有畜化に先鞭すると力んだこともあった。
村はずれの小川に家鴨を追っていた彼、七面鳥の卵がどうとかと
滔々と理論を述べた彼、そしてまた宗教に縋って念仏を唱えたり、
『悪しきを払え』と踊ったり、アーメンを歌い神の門を叩いた彼、
そしてよく『死を希いつつ生きねばならぬ矛盾』を訴えた彼だったが、
最近は悟性したものか、『死にたいと希うは畢竟わがままな自己が
欲するままに生きられぬゆえの欲望に他ならぬ。なるもならぬも
偉大なる力のまにまにだ』といったことがあったが、長い間の病臥に
幾多の苦闘、懊悩の果、この境地に至ったものであろう。

酷熱の日、痩せ衰えて体を、掃除も行き届かぬ四畳半の部屋に横たえ
自己の運命と現在あるべき姿を透徹した心境で諦観しつつ静かに
瞑目の時を待っている彼の姿は、『魂が肉体を克服した姿』として
崇高と尊厳さを私に感得させ、またそれは灼熱の大陸に正義の剣を
握る戦線の勇士の、一死報国の念があらゆる苦難を克服しつつある
姿にも一脈相通ずるものあるを思わしめたことであった。

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アメリカの保守主義と右翼 その2      千里眼

2006年09月13日 15時46分48秒 | Weblog


3.キリスト教右派-福音派の広まり

 近年、福音派勢力の拡大が目立ち、全米の信者は7000万人に達していると言われる。また、アメリカ人口の25パーセントを有していると彼らは言う。
 福音派とは「聖書に絶対的な権威を置くプロテスタントの流派で、霊的体験から突然、宗教心に目覚めたという信者が多い。特に米国南部で『レッド・ネイク』日焼け首と呼ばれる貧しい白人層に浸透。人間は神によって造られたとして進化論に反対、中絶にも強く反対している」宗派である。(毎日新聞取材班「民主帝国 アメリカの実像に迫る」から引用)(『レッド・ネイク』とはいわゆるプアー・ホワイトのことである) テロ志向の「極右」と同根なのだ。主張も似通った側面を持っている。
 「アメリカ原理主義」の著者河野博子氏のインタビューに答えて福音派の牧師ロバートソン師は次のように答えた。
 「ユダヤ人は、4000年前にメソポタミアに住んでいたアブラハムという名の男の子孫。それを起源とするユダヤ民族からキリスト教は生まれた。イエス・キリストはユダヤ人だ。‥‥キリストの十二使徒もユダヤ人だ。‥‥聖書はユダヤ人の本だ。‥‥聖書は、終末にはユダヤ人が約束の地に戻ると予言し、彼らはすでにもどった。聖書は、終末には彼らは敵に囲まれ孤立すると予言したが、今その通りの状況だ。予言通りなったことはたくさんある」と答えている。聖書の予言通りに歴史は動いていて、必ずキリストは約束の地に再臨し、いわゆるハルマゲドン、世界の終末における善悪の決戦が起こる、とする。
 その将来のキリスト再臨に備えて、この聖なる土地にユダヤ人国家イスラエルを維持しておかねばならぬと主張する。
 ニューズウイークの世論調査(2004年12月)によると、「聖書はキリストがいつの日にか再臨する」としているが信じるかという問いに対して、52パーセントのアメリカ人が信じると答えている。こうしたアメリカ人の意識のうえに福音派の「終末論」は成り立っているのだ。

4.キリスト教右派福音派の主張は

 ここで、福音派の教義や主張を要約して記しておく。
  ① 独特の終末論、キリストの再臨を信じている。
  ② 終末のなかで、神に選ばれたイスラエルとアメリカのみが生き残れる。
  ③ パレスチナの地はユダヤ人に神から約束された地であるとして、イスラエ    ルを支持する。キリストの再臨に備えてこのユダヤの地を維持することが    必要。
  ④ アメリカは神の使命を帯びた特別な国である。
  ⑤ キリスト教倫理を絶対視し、中絶・同性愛に強い嫌悪感を持ち、反対す     る。建国以来の伝統的家族観を持ち、その点からも中絶・同性愛に対し強    烈な拒否反応を示す。
  ⑥ 聖書は科学的・歴史的に正しいとし、それにそむく進化論を学校で教える    ことを拒否する。
  ⑦ 地域コミュニティー、家族、個人に対する連邦政府の過度の介入を嫌う。
  ⑧ 国連など国際機関は反ユダヤ色が強く、世界政府を作ろうとしているとい    う疑惑を持ち、拒否する姿勢が強い。
  ⑨ グローバリゼーションの進展は終末への進行過程と捉え、攻撃の対象には    していない。
 
 こうして見てくると、「極右」と「福音派」の主張が非常に似通っていることに気づく。しかし、大きな差異もある。それは、「極右」が持っているあの白人優越主義・人種差別的要素と反ユダヤ的要素が拭い去られていることである。
 一方、ネオコンの主張との対比ではどうなるのであろうか。イスラエルを強烈に支持する点では完全に一致している。国連や国際機関を否定する点でも完全に一致する。その他の点でも似ている面が多々ある。ブッシュの最大の支持基盤である福音派がネオコンを認め、支持するのは当然のことと言わざるをえない。
 ブッシュが退いても、ネオコンが政府中枢から追放されても、ネオコンの論理が形を変えて継承されていくだろうという私の視点は、ここに論拠があるのだ。
 60年代及び70年代には、ベトナム戦争反対の論調のなかでリベラリズムを基本主張として大きく変容したアメリカ社会は、こうして80年代及び90年代には保守勢力による巻き返しがアメリカの底辺で大きく進行していたのだ。キリスト教倫理を軸にすえてアメリカ社会を大きく右方向に引っ張ってきたのが、この宗教右派なのだ。
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靖国神社に行ってきました。  落石

2006年09月13日 09時34分19秒 | Weblog

先日、十数年ぶりに九段坂を上って靖国神社に行ってきました。
土曜日の昼下り、途切れることなく坂を上って行く人々。
家族連れ、若いカップル、熟年の男性、中学生らしい二人連れ、
どちらかといえば、女性より男性が目立ちました。
観光バスから男性ばかりの一団が降り立つと、ちょっと異様な感じが
するほど、昔とは違って、観光地の雰囲気がありました。
坂を上り切った所に石灯籠があり、三味線を弾いていた男性に
「ずいぶん人が多くなりましたね」と、言えば
「ありがたいことです」との返事。
若い白人が感想をメモする姿もあります。
マスコミの取材も多いらしく、必ず社務所に事前に届けて欲しい、
という立て札も、ちゃんと立っています。
手水鉢の近くに、机を出して、署名を集めている人がいました。
近づいて見ると、中国の南京虐殺記念館に展示されている
二人の軍人の写真を撤去して欲しいという内容でした。
二人は南京事件とは関係がないということのようでした。
茶店には「純ちゃん饅頭」も売られていました。純ちゃんの参拝した
8月15日は大変な人出だったそうです。

神殿のご挨拶をして、話題の遊就館に。   つづく

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