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「激流・中国」続編その3  文科系

2006年09月07日 09時14分35秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
3 今後に予想されること
こんな訳で論文作者は言う。食糧問題が最大原因になって国家補助枠も減っていることだし、今後は、退耕ではなく荒廃地緑化重視に替わっていくのではないかと。しかしながら、補助金があって急に進んできた対策がもしそれ無しになるならば、過去の例から見ても還林政策成功は実に心許ないことだ、と。

4 総括的考察として
①中国国土全体の様子
僕は、以前の投稿「激流・中国」で以下のようなことを、2冊の著作から紹介した。
中国の人口は13億人、地球上の2割が住む国となった。農村人口が6割、国の労働力人口で言えば、農民が5割を占めている。
水不足問題が深刻である。もともと世界2割の人口に世界淡水の6%しかないのだ。その水、水流停滞と汚染が酷い。水流停滞では、黄河下流で全く流れないという水流停滞、一時的断流が88年の年10日から、97年は230日へと増えている。揚子江、珠江も乾期にはよく停止する。汚水処理率も悪く、先進国平均が8割に対して、中国は2割だ。北部の淡水量は南部の5分の1で、以下に見るように土壌浸食、砂漠化、農地問題を深刻なものにしている。また都市の多い海岸地帯の水は3分の2が井戸からのもので、その急激な枯渇、塩水化、地盤沈下が問題になっている。
土壌浸食・流出が激しい。もともと森林は日本74%に対して中国は16%しかなく、乾燥した北部を中心に国土の40%が自然草地だが、そこの土壌流出、劣化が激しい。例えば、黄河中流域の黄河高原が、その70%の地域で浸食が進み、社会問題となっている。全国土の4分の1が、過放牧と開墾による砂漠化の影響を受けている。浸食土壌はその最後においては三大河川に流れていき、先述した水流停滞、汚染などの原因になっていく。
こうして一人当たり農耕地が世界平均の半分になった。これは、人口の多さの割に農地が少なくて食糧問題が世界で最も深刻になっている国、ルワンダ北西部と同等の狭さだ。

②中国国土の未来に関わって
さて、以上全ての難問への最大の「結節点的対策」が、この「退耕還林政策」であることは間違いない。それがもしも失敗もしくは大後退となるならば、中国行政には極めて大きな問題が内在しているということになるのではないか。僕が現在最も恐れている結末、恐ろしい中国の将来構図を夢想して、終わりに替えたい。
土壌浸食対策が進まなければ大洪水は繰り返され、、砂漠化、水問題などがさらに深刻になっていく。食糧の自給も絶望的になるだろう。都市遊民が溢れ、近隣諸国の穀物なども高騰していくはずだ。こうして、もの凄い難民問題が生じるのではないか。そして何よりも、こんなことが世界人口の2割が住む広大な隣国で起こるということが地球全体や日本にとって無関係であるわけはないと強調したい。
またなお、こういう未来が一定見えているのに対策に失敗する政府というものを考えてみたい。役人による予算のピンハネとか、出世目的の「本末転倒の見せかけ実績(これを中国では「形象工程」と呼んでいる)」とか、違法行為とかの馬鹿馬鹿しい障壁によって。このような国家の有様は文字通り、「我が亡き後に洪水は来たれ」というような管理能力のなさを示していると言えるのではないか。チェルノブイリ事故を起こしたような政府、また北朝鮮のように棄民を行う政府というものを想定してみて欲しいのである。

結論である。他国の問題であるからと言って、これを放置していて良いのか。放置するどころか、この隣国と子どものように『靖国の鞘当て』を演じ、発言権も失っているという有様で良いのか!
コメント (2)
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