成績的にはほぼ満点に近いある生徒が「先生、やってもやっても勉強が足りない気がするんです。焦りばかりが出てきて、どうしたらよいでしょうか」と言ってきました。
勉強渇望症とでもいった風の顔つきでしたが、今でも既に学校以外の時間の8時間くらいを勉強に充てているこの受験生に対しては、いわゆる量的な問題というよりも、質的な面でのアドバイスが必要であることは言うまでもありません。
彼に限らず、勉強が進んでいる生徒(必然として成績が伴っている生徒)は、勉強に対するこうしたストイックな姿勢の感じがよく似ています。
これをよくよく見詰めていると、そこには日常生活の中で如何に自由時間を上手く作り出しているかの工夫が出来ていることに気付きます。
そうして作り出した時間を勉強に充てているわけですが、こうした生徒とは反対に、この作業に重きを置いていない生徒、言って聞かせてもなかなかこれが出来ない生徒というのは、結局のところ受験期にあっても、その持てる時間の量の多くの部分を無駄に消費してしまっています。
これは「勉強に取り掛かるよりも前に既に半分負けてしまっている」に等しく、この「時間の作り方・使い方」が勉強そのものではないことを考えると、極めて勿体無いことであると思います。
周囲の大人たちは、勉強それ自体もさることながら、それをするための時間の作り方の時点から教えていかなければならないのだと思います。