青森県内の市立中教諭が昨年、「愚か者一覧」などと名づけた生徒の実名リストを校内に掲示していたことが分かった。同時期に生徒たちとの交換ノートに「ダメ人間」「問題児」などと記入したこともあったという。市教委は教諭と校長を訓告処分とした。
県教委によると、教諭は中2の学級担任だった昨年7~11月の保護者面談の日などに、提出物の提出率が低い生徒のリストを「愚か者」として廊下に掲示した。生徒や保護者から苦情があったため、学校側が口頭で教諭に数回注意し、教諭は生徒や保護者に謝罪した。その後、市教委の訓告や指導があった。
教諭は「提出率が低いままだと生徒が3年になって(高校受験の)願書提出などで損をすると思った」と釈明したうえで「活を入れなければならないと考えたが、配慮に欠けていた」と話しているという。
というニュースがありました。
読む人によって様々な感想があるかと思いますが、学習塾の人間として忌憚の無いところを言えば、これは「愚か者」と言われるほうにもそれだけの原因があるように思います。
実際に、提出物が成績を上げるために如何に大切な要素であるかについては、学校の先生や学習塾や予備校の先生などから、それこそ聞き飽きるくらいに聞いている筈です。
ですから、それでも尚それを守ろうとしない、提出物をないがしろにしてそ知らぬ顔をするというのは、「他人、しかもそのことについて責任ある人間のいう事を頭脳で理解できない」という意味において「愚か者」と言われても仕方ない。
頭脳で理解はしているよ、という人がいるかもしれませんが、しかし実際の行動でそれを実現しないのであれば、そんなものは理解でも何でもありません。
その証拠に、そんな屁理屈では、社会人になったら誰からも信用されないばかりか、そのために不遇な人生を送ってしまうことにもなるのだという例は掃いて捨てるほどあります。
自分がやるべきことをしないで、それでいて成績が実際にモノを言う段になると、それまでの自分の行動を棚に上げて、どこそこの(不相応な)学校に行きたいなどと言い放ち、そこに何の反省も因果も感じようとしない、そうした例が少なからず根底にあっての出来事ではなかったのか。
随分昔、アメリカのケネディ大統領が、その就任演説の中で、国民に向かって「国が何をしてくれるかを問いたもうな」と呼びかけたのは有名な話です。
ここには、国どころか、自分が通う学校に対して一方的に何かをしてもらうことばかり要求し、その反面自分がやるべきことは知らん顔という 情けない様子ばかりが透けて見えるような、そんな印象を持ったニュースではありました。