個別指導塾が栄えだしたのはもうかなり昔のことですが、それから今に至るまで、同じ個別でも様々な工夫がなされ、今では実に多彩なバリエーションがそこには見て取れます。
「個別」というからには、講師と生徒が1対で向き合って授業をするというのが一般的なイメージでしょうが、実際はさにあらず、講師1名対生徒複数という方が今ではむしろ一般的であるように思えます。
周辺のとある塾では、講師1名対生徒10名なんていう猛者もあるほどで、それのどこが個別なのかと思いますが、同じ疑問をある保護者が抱いて、そのまま経営者に尋ねたのだそうです。
すると、そこで得られた答えは「1対1ですよ。1対1×10組の個別」という、なんだか禅問答みたいな、しかしよく考えれば馬鹿にされているんじゃないのかと感じるようなものだったとか。
青と黄色の看板で全国的に有名な個別指導塾は、同じく講師1名に生徒3名くらいの「個別」だそうで、しかしこれは上に書いたパターンの授業形式ではなく、講師が生徒の机の間を巡回して指導するのだそうです。
こう書くと、なんだかこれらに問題があるような印象を与えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
授業形式だけで全てが判断できるということは無く、それ以外にも、使用する教材や授業料などといった要素を十分の踏まえて考えることが重要です。
一般に完全個別『1対1』は、授業料がどうしても割高になりがちです。
しかし、他の生徒の存在を完全に遮断して授業を受けたいという前提がもしもそこにあるのなら、授業料の高さはそれを確保するためのものですので、致し方ないと思います。
そうではなくて、一斉授業では駄目、出来れば個別「的」授業で勉強したいというだけであるなら、完全個別に比べて割安な授業料で授業を受けられるメリットを享受すればよいということでしょう。
学習塾を構成するこうした様々な要素のどれに着目すべきなのかが、後の満足度、もっと言えば成功するか失敗するかの別れ道の一つになるのだと思います。