たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『朝』

2017年03月26日 17時09分29秒 | 本あれこれ
 「カムチャッカの若者が
 きりんの夢を見ているとき
 メキシコの娘は 
 朝もやの中でバスを待っている
 ニューヨークの少女が
 ほほえみながら寝返りをうつとき
 ローマの少年は
 柱頭(ちゅうとう)を染める朝陽にウインクする
 この地球では
 いつもどこかで朝がはじまっている」

 (谷川俊太郎詩・吉村和敏写真『朝』アリス館より)


 昨日の午後は渋谷で元タカラジェンヌのトークイベントに参加。駅近ですが造りが複雑すぎてわかりづらいのでやっぱり迷いました。(舞台のお仕事で)退団後はじめての仕事で周りに気を使い過ぎてしまっていた、~しなければならない、こうでなければならない、を自分の中で取りはらった時この役を演じることが楽しめるようになった、という内容の話を聴いていた時なんだか涙が流れてしまいました。終演後なんとか新宿へ移動して吉村さんの『MORNING RIGHT』の写真展へ。渋谷も新宿も人の多さが尋常ではなく疲れましたが行くことが出来ました。3.11のあと毎日都心へ出勤するのにいつも恐怖感と背中合わせになりました。東京は人が多すぎますね、ほんとに。

 さて写真展、カナダのロレンシャン高原の朝の光を浴びた緑、B&Bの朝食が並んだテーブル、カナディアンロッキーの雪をいただいた山並に朝陽が降りそそぐ光景などが特に印象に残れりました。わたしカナダに何回も行っているのにまだカナディアンロッキーに行っていないことを思い出しました。この世にいる間に一度は行きたいです。プリンス・エドワード島にもまた行きたいし、目標があるのでまだまだあきらめられないです。今の業務でわたしとほぼ同じ年齢で仕事もなくなにもなく、短命の家系だからいつ逝ってもいいよ、っていう方に会ったことありますがわたしはまだそんなこといいたくない、あきらめたくない、こうししたいって思うことがあるっていうことが大切なのかなと写真を拝見しながら思いめぐらしていました。自分が訪れたことのある、スイスのグリンデルワルド、いまにもハイジとペーターが飛び出してきそうなアイガーをいただく山肌に家が点在する光景、どこから撮影されたのかと気になりました。ペルーのマチュピチュ、イタリアのサン・ジミニアーノの教会に朝陽が降りそそぐ光景、アメリカのグランドキャニオン・・・、絶景と呼ばれる場所の写真が満載でした。トルコのカッパドキア、カンボジアのアンコールワット、ベトナムのハノイの花市場、台湾の台北の寺院、インドのガンジス川の朝の沐浴も。自力で全部行くことはできないので、しばし世界の朝を旅するような心持ちになることができました。これ全部渡航されたのかと思うと、すごいとしか言いようがありません。

 上記の詩は、手元にある『朝』から。3.11の後の連休、不安と恐怖におののきながら池袋の吉村さんの講演会に出向きサインいただきました。(ちょっと汚してしまいました。ごめんなさい。)

 わたし朝は苦手な方。カイシャで働いているときは気がついたら、2時に就寝して朝7時になんとか起きる生活になっていました。完全オーバーワークの7年間、その後突然ほされたようなかたちになってストレスで破裂しそうだった2年間、それからさらに1年間、己に鞭って鞭打って出勤していました。鞭打たないと出勤できませんでした。そんな辛くってどうしようもない朝、電車の中で開いていた一冊。プリンス・エドワード島の写真と谷川さんの詩に癒され元気をもらい、なんとかカイシャにたどり着いていたのでした。わたし、なんでがんばったんだろうなあ。今もがんばらなきゃよかったと後悔。すぐに辞めることを責める社会が、結果的にポイ捨てにされたのでモノ申したらこんどは辞めなかった自分が悪いんだと責める。どうすれば正解だったのかわかんないです。妹が旅立ってしまった時のわたしはほんとに愚かでどうしようもなく、人生をやり直したかった、もう逃げたくなかった。そんな想いで契約社員の仕事をみつけてカイシャで働き始めたはずでした。それが気がついたらボタンの掛け違いのようなハケンカイシャ移籍という違法行為によって10年間も働き続けることとなり、最終的にはカイシャからポイ捨て、全部働き続けたあなたがが悪いんですよ、という結果になりましたとさ。

 朝が早くなった分、今はもう夜更かしできなくなりました。週末には1時半近くに就寝することありますが、もう2時まで起きているなんて考えられません。カイシャで働いているときは40キロ切っていました。カイシャの弁護士との闘いになりずたずたにすり減ってしまった時は38キロを切りました。今は43キロぐらい。もう少し太ったかな。これからどうしていきましょうね。5月からのこと、なんにも考えられないまま、また一週間の海へ漕ぎ出していかなければなりません。31日の夕方、無事宝塚の地方公演の開演に間に合うかな、っていうことばかり気になっています。

 やり直しの時、ヘロヘロなってもまた朝になったらまた目が覚めてなんとか出勤できる自分になっている。この繰り返しで昨年の2月8日からやってきています。わたし、えらいね。またなんとか無事に一週間が過ぎていきますように・・・。

 「どんな闇夜もやがて朝がくる」(レミゼ)

 「All sorts of morning are interesting don,t you think?

You don,t know what,s going to happen through the day,

and there,s so much scope for imagination.」

  (Anne of Green Gables)

 

 


あさ/朝
谷川 俊太郎,吉村 和敏
アリス館