宝塚大劇場の千穐楽は13時開演。万が一遅れてはと昨夜携帯アラームをセットしたはいいですがちょっと間違えてしまい、無用に早く起こされてしまった為6時間睡眠からのライブビューイング。アホなことに今日も資源ゴミ回収ボックスに服をいれたビニール袋を一袋だけ持ち込んでから二週間ぶりの電車、無事に映画館までたどり着きライブビューイングで見届けることができました。
宮本武蔵が幼い日に父を佐々木小次郎に倒されてから巌流島での小次郎との対決までを描いた齋藤吉正先生演出の『夢現無双』、吉川栄治の『宮本武蔵』原作を脚色した舞台で賛否両論見かけましたが、これは大劇場日帰りバスツアーに行きたかったなと思いました。一時間半の舞台にまとめるには登場人物が多く展開も早い早い。舞台転換が多かったので舞台裏のスタッフもすごく忙しいだろうなと思う作品でしたが、いつも目を大きく見開き荒々しい武蔵が珠城りょうさんにぴったりだと思いました。武蔵の着物姿と髪型がすごく似合うし、いつも己をさらけ出して葛藤する姿は武蔵そのものでした。30年ぐらい前、テレビドラマで役所広司さんが演じた武蔵を思い出しました。(お通は古手川祐子さん、又八が根津甚八さんだったと思います。)かつて女性だけで『忠臣蔵』を演じきった杜けあきさん率いる雪組あっぱれと思いましたが、専科が演じそうな役柄も月組生が演じていて、これだけの舞台を創り上げた月組あっぱれと思いました。刀さばきと所作、殺陣のシーン、ずいぶん稽古を積んだのだろうと思います。二部構成だともう少しゆっくりと丁寧に心情を描き込めたかなとは思いますが、なかなかに見応えがある作品でした。
巌流島で武蔵を待つ小次郎と小舟で潮の流れが変わるのを待つ武蔵、待ちくたびれた小次郎が武蔵を前にした時思わず鞘を投げ捨ててしまう姿に、武蔵が「小次郎、破れたり」という場面は有名ですね。お馴染みのシーンを、麗しの美弥るりかさん演じる佐々木小次郎と珠城りょうさんの武蔵で観ることができたところに大きな意味がありました。ショー『クルンテープ』で期待通り、二人のデュエットダンス?ありました。バッディとスィートハート、ドンとコズモ、逞しさがさらに増してきている感のたま様と細くて細くてしなやかなみやさん、男役同士として唯一無二のビジュアルと関係性だと思いました。手をつないだのはサヨナラショーでしたっけ。
若きトップスターとして上級生を送り出す珠城さん、フィナーレで大階段を降りてくるとき目がすでに赤いように見えましたが、カーテンコールでは誰よりも泣いていて、SNS上やトイレに並んでいる時聞こえてくるような好意的ではない声もきっと目に入っているだろうと思います。諸々の声もわかっていて、色々なものを背負いながら、誰よりもあったかい笑顔で舞台を包み、トップスターとしてまとめ上げるの、すごく大変なんだろうなと感じました。諸々の声をわかった上で退団者4名のうち3名は上級生という中、気をつかわせないような気配りをみせてすごいなあと思いました。頭のいい人なんでしょうね。この舞台をみたあと楽しい気持ちになって笑顔で帰っていただけたら嬉しいですとあったかい笑顔で繰り返す姿も印象的でした。
大劇場日帰りバスツアー、行けばよかったなあ、タダじゃないんだから仕方ないやね・・・。いつもピリピリしている武蔵の姿が、郷里に馴染めず居場所を見つけることに挫折してとげとげしている自分と少し重なってしまいました。なんのために、誰のために、何をめざして闘ってきたのか、色々な人との出会いをきっかけに葛藤し、生まれかわってきたはずの武蔵が小次郎を倒したあと胸に去来したのはむなしさだったというところに、この舞台の真髄がひとつあると思います。荒々しい武蔵の、繊細な心が客席をひきつけました。お通への恋心をようやく最後に文で伝えてまた己を磨く旅に出る武蔵。台詞あやしいですが、幼い日小次郎に倒された武蔵の父が姿を現し、お前が本当に倒したかったのはこの父ではなかったのか告げる場面が印象的でした。武蔵の父を演じているのどなたかとプログラムをみると紫門ゆりやさん。お見事。オープニングの小次郎と武蔵の父が対峙する場面、マイクがちゃんと入っていなかった?のかな、最初小次郎声が聞こえなかったのちょっと残念でした。ラストはお通のせつなさに涙。等身大の人間臭いドラマを、共感を呼びながらも女性だけで演じることにより美しく昇華させた舞台でした。
柳生石舟斎もどなたかとすごく気になったところ、この公演で退団される響れおなさんでした。2004年初舞台、同期のお花渡しは星組の如月連さん登場。武蔵の母を演じた玲実くれあさんも2004年が初舞台で退団。大階段を降りるときすごく緊張されていてほっとした表情でした。同期のお花渡しは雪組の千風カレンさん。宝塚を愛し続け、在団16年目での退団はそれぞれ本当にお見事。『エリザベート』に三回出演、退団の挨拶をされる姿に説得力がありました。珠城さんが入団して最下級生だった頃からすごくお世話になってきてと涙、涙。カーテンコールでは挨拶だけで退団者ひとりひとりへの言葉は楽屋で・・・と思っていましたがダメですねと誰よりも涙。ひとりひとりに丁寧に言葉を送り、「学ばせてください」「東京公演もよろしくお願いします」と笑顔で気配り。
美弥るりかさん、1993年に大劇場で『グランドホテル』を観劇し、まだ小さかった自分が男役になりたい!と思ったとのこと。『BODDY』のスィートハートで始まったサヨナラショー、元簿記係で余命いくばくなくグランドホテルにやってきたオットーの歌も歌われました。この『グランドホテル』はみていないのですが涼風真世さんの退団公演はみているし実況CDも持っているのですぐにこの作品の歌だとわかりました。美弥さんに涼風さんの姿がオーバーラップしました。観劇して心を奪われた作品に出演するというデカい夢が叶うまでには想像の絶するような苦悩の日々があったのだろうなとメッセージと挨拶をききながら思いました。もしかしたら苦しいことの方が多かったのかもしれない、決して順風満帆ではなかったであろうタカラジェンヌとしての日々。敬愛しているであろう涼風さんが退団公演で演じたオットーを演じられて悔いなしの宝塚人生かなと勝手に想像しました。星組から月組へと異動し、心をときめかせた作品に出演したってすごいことです。『1789バスティーユの恋人たち』のアルトワ伯も観劇していないですが、東宝の『1789~』の吉野圭吾さんで繰り返しみたのでそれとすぐにわかりました。女性が演じるアルトワ伯、美弥さんならではの美しさと妖艶さと麗しさでした。軽快なステップを踏む曲も『グランドホテル』からでしたね、珠城さんと月組生が登場。楽しい場面となりました。るりたまが手をつないだのはここでしたかね。タキシード姿のたま様すごく嬉しそうで、みやさん花嫁?みたい?で。『アンナ・カレーニナ』もすごく思い入れがある大切な作品ですね。ショーは怪我のため休演している海乃美月さんがアンナとして登場して二人でデュエット。星組時代の『アンナ~』はすごく憧れてオーディションを受けてカレーニン役を射止めたとのこと。2019年憧れの作品で主人公を演じられたことはご本人にとって本望かな。「自分の存在が誰かの人生のエネルギーになることができていると知った時はじめて自分を認めることができました」という内容の、美弥さん独特の低音で静かに語られたことばが胸に響きました。人知れぬ己との闘いがあったことと思いますが、最後の最後まで闘いなんだろうと思いますが、夢を叶えられる環境の中で憧れを現実に変えた宝塚人生。同期のお花渡しは専科の凪七瑠海さん登場。1993年の大劇場初観劇から宝塚に恋をし続け、17年目での退団はお見事。光月組長、「もっと美弥るりかをみていたい」と涙涙で、美弥さんもともとは星組生だったことを紅ゆずるさんの色々をみるようになってから知ったのですが、組替え後の月組で過ごした時間がそれまで以上にあったかく充実していたということだと思います。美弥さんで月城かなとさんも涙、涙でした。東京宝塚劇場千穐楽ライヴビューイングも見届けたいです。映画館にチラシありました。小次郎の美弥さんと武蔵の珠城さんが載っています。なかなかに素敵です。
次の公演で退団する紅ゆずるさん、3月24日に退団した七海ひろきさん、4月15日大劇場を卒業した美弥るりかさん、下級生の頃からスター候補生と目されていたわけではなかったところから真ん中に立つ存在へと歩み続けた日々を支えたのは、宝塚を愛する気持ちと己を信じる気持ちでしょうか。その人間力に脱帽です。
まとまりありませんが断片的に思い出すままに書き連ねてみました。毎日荷物減らしを続けているのよくないとわかりつつ、平成の間はと決めてもう少しだけ。それからどこに行こうかな、映画館が遠い、この距離感を毎日通勤は無理だよなあ、身軽になったらまたどこかに旅立ちたいな、どこに旅立つのだろう、自分・・・。
生きることは闘い、あらためて思いました。
(写真は日刊スポーツよりお借りしています。)
宮本武蔵が幼い日に父を佐々木小次郎に倒されてから巌流島での小次郎との対決までを描いた齋藤吉正先生演出の『夢現無双』、吉川栄治の『宮本武蔵』原作を脚色した舞台で賛否両論見かけましたが、これは大劇場日帰りバスツアーに行きたかったなと思いました。一時間半の舞台にまとめるには登場人物が多く展開も早い早い。舞台転換が多かったので舞台裏のスタッフもすごく忙しいだろうなと思う作品でしたが、いつも目を大きく見開き荒々しい武蔵が珠城りょうさんにぴったりだと思いました。武蔵の着物姿と髪型がすごく似合うし、いつも己をさらけ出して葛藤する姿は武蔵そのものでした。30年ぐらい前、テレビドラマで役所広司さんが演じた武蔵を思い出しました。(お通は古手川祐子さん、又八が根津甚八さんだったと思います。)かつて女性だけで『忠臣蔵』を演じきった杜けあきさん率いる雪組あっぱれと思いましたが、専科が演じそうな役柄も月組生が演じていて、これだけの舞台を創り上げた月組あっぱれと思いました。刀さばきと所作、殺陣のシーン、ずいぶん稽古を積んだのだろうと思います。二部構成だともう少しゆっくりと丁寧に心情を描き込めたかなとは思いますが、なかなかに見応えがある作品でした。
巌流島で武蔵を待つ小次郎と小舟で潮の流れが変わるのを待つ武蔵、待ちくたびれた小次郎が武蔵を前にした時思わず鞘を投げ捨ててしまう姿に、武蔵が「小次郎、破れたり」という場面は有名ですね。お馴染みのシーンを、麗しの美弥るりかさん演じる佐々木小次郎と珠城りょうさんの武蔵で観ることができたところに大きな意味がありました。ショー『クルンテープ』で期待通り、二人のデュエットダンス?ありました。バッディとスィートハート、ドンとコズモ、逞しさがさらに増してきている感のたま様と細くて細くてしなやかなみやさん、男役同士として唯一無二のビジュアルと関係性だと思いました。手をつないだのはサヨナラショーでしたっけ。
若きトップスターとして上級生を送り出す珠城さん、フィナーレで大階段を降りてくるとき目がすでに赤いように見えましたが、カーテンコールでは誰よりも泣いていて、SNS上やトイレに並んでいる時聞こえてくるような好意的ではない声もきっと目に入っているだろうと思います。諸々の声もわかっていて、色々なものを背負いながら、誰よりもあったかい笑顔で舞台を包み、トップスターとしてまとめ上げるの、すごく大変なんだろうなと感じました。諸々の声をわかった上で退団者4名のうち3名は上級生という中、気をつかわせないような気配りをみせてすごいなあと思いました。頭のいい人なんでしょうね。この舞台をみたあと楽しい気持ちになって笑顔で帰っていただけたら嬉しいですとあったかい笑顔で繰り返す姿も印象的でした。
大劇場日帰りバスツアー、行けばよかったなあ、タダじゃないんだから仕方ないやね・・・。いつもピリピリしている武蔵の姿が、郷里に馴染めず居場所を見つけることに挫折してとげとげしている自分と少し重なってしまいました。なんのために、誰のために、何をめざして闘ってきたのか、色々な人との出会いをきっかけに葛藤し、生まれかわってきたはずの武蔵が小次郎を倒したあと胸に去来したのはむなしさだったというところに、この舞台の真髄がひとつあると思います。荒々しい武蔵の、繊細な心が客席をひきつけました。お通への恋心をようやく最後に文で伝えてまた己を磨く旅に出る武蔵。台詞あやしいですが、幼い日小次郎に倒された武蔵の父が姿を現し、お前が本当に倒したかったのはこの父ではなかったのか告げる場面が印象的でした。武蔵の父を演じているのどなたかとプログラムをみると紫門ゆりやさん。お見事。オープニングの小次郎と武蔵の父が対峙する場面、マイクがちゃんと入っていなかった?のかな、最初小次郎声が聞こえなかったのちょっと残念でした。ラストはお通のせつなさに涙。等身大の人間臭いドラマを、共感を呼びながらも女性だけで演じることにより美しく昇華させた舞台でした。
柳生石舟斎もどなたかとすごく気になったところ、この公演で退団される響れおなさんでした。2004年初舞台、同期のお花渡しは星組の如月連さん登場。武蔵の母を演じた玲実くれあさんも2004年が初舞台で退団。大階段を降りるときすごく緊張されていてほっとした表情でした。同期のお花渡しは雪組の千風カレンさん。宝塚を愛し続け、在団16年目での退団はそれぞれ本当にお見事。『エリザベート』に三回出演、退団の挨拶をされる姿に説得力がありました。珠城さんが入団して最下級生だった頃からすごくお世話になってきてと涙、涙。カーテンコールでは挨拶だけで退団者ひとりひとりへの言葉は楽屋で・・・と思っていましたがダメですねと誰よりも涙。ひとりひとりに丁寧に言葉を送り、「学ばせてください」「東京公演もよろしくお願いします」と笑顔で気配り。
美弥るりかさん、1993年に大劇場で『グランドホテル』を観劇し、まだ小さかった自分が男役になりたい!と思ったとのこと。『BODDY』のスィートハートで始まったサヨナラショー、元簿記係で余命いくばくなくグランドホテルにやってきたオットーの歌も歌われました。この『グランドホテル』はみていないのですが涼風真世さんの退団公演はみているし実況CDも持っているのですぐにこの作品の歌だとわかりました。美弥さんに涼風さんの姿がオーバーラップしました。観劇して心を奪われた作品に出演するというデカい夢が叶うまでには想像の絶するような苦悩の日々があったのだろうなとメッセージと挨拶をききながら思いました。もしかしたら苦しいことの方が多かったのかもしれない、決して順風満帆ではなかったであろうタカラジェンヌとしての日々。敬愛しているであろう涼風さんが退団公演で演じたオットーを演じられて悔いなしの宝塚人生かなと勝手に想像しました。星組から月組へと異動し、心をときめかせた作品に出演したってすごいことです。『1789バスティーユの恋人たち』のアルトワ伯も観劇していないですが、東宝の『1789~』の吉野圭吾さんで繰り返しみたのでそれとすぐにわかりました。女性が演じるアルトワ伯、美弥さんならではの美しさと妖艶さと麗しさでした。軽快なステップを踏む曲も『グランドホテル』からでしたね、珠城さんと月組生が登場。楽しい場面となりました。るりたまが手をつないだのはここでしたかね。タキシード姿のたま様すごく嬉しそうで、みやさん花嫁?みたい?で。『アンナ・カレーニナ』もすごく思い入れがある大切な作品ですね。ショーは怪我のため休演している海乃美月さんがアンナとして登場して二人でデュエット。星組時代の『アンナ~』はすごく憧れてオーディションを受けてカレーニン役を射止めたとのこと。2019年憧れの作品で主人公を演じられたことはご本人にとって本望かな。「自分の存在が誰かの人生のエネルギーになることができていると知った時はじめて自分を認めることができました」という内容の、美弥さん独特の低音で静かに語られたことばが胸に響きました。人知れぬ己との闘いがあったことと思いますが、最後の最後まで闘いなんだろうと思いますが、夢を叶えられる環境の中で憧れを現実に変えた宝塚人生。同期のお花渡しは専科の凪七瑠海さん登場。1993年の大劇場初観劇から宝塚に恋をし続け、17年目での退団はお見事。光月組長、「もっと美弥るりかをみていたい」と涙涙で、美弥さんもともとは星組生だったことを紅ゆずるさんの色々をみるようになってから知ったのですが、組替え後の月組で過ごした時間がそれまで以上にあったかく充実していたということだと思います。美弥さんで月城かなとさんも涙、涙でした。東京宝塚劇場千穐楽ライヴビューイングも見届けたいです。映画館にチラシありました。小次郎の美弥さんと武蔵の珠城さんが載っています。なかなかに素敵です。
次の公演で退団する紅ゆずるさん、3月24日に退団した七海ひろきさん、4月15日大劇場を卒業した美弥るりかさん、下級生の頃からスター候補生と目されていたわけではなかったところから真ん中に立つ存在へと歩み続けた日々を支えたのは、宝塚を愛する気持ちと己を信じる気持ちでしょうか。その人間力に脱帽です。
まとまりありませんが断片的に思い出すままに書き連ねてみました。毎日荷物減らしを続けているのよくないとわかりつつ、平成の間はと決めてもう少しだけ。それからどこに行こうかな、映画館が遠い、この距離感を毎日通勤は無理だよなあ、身軽になったらまたどこかに旅立ちたいな、どこに旅立つのだろう、自分・・・。
生きることは闘い、あらためて思いました。
(写真は日刊スポーツよりお借りしています。)