「MUSICAL FANTASY
『CAPTAIN NEMO』…ネモ船長と神秘の島…
~ジュール・ヴェルヌ「海底二万里」より~
脚本・演出/谷 正純
ジュール・ヴェルヌの海洋SF小説『海底二万里』に登場するネモ船長──潜水艦ノーチラス号で植民地支配を目論む国々に敢然と戦いを挑む孤高の英雄を新たな視点で描くミュージカル・ファンタジー。
19世紀後半、イギリスの捕鯨船が南大西洋サウスサンドウィッチ諸島付近で謎の遭難事故を繰り返し、船乗りたちからは魔の海域と恐れられていた。イギリス政府は学者たちを招聘し調査隊を編成、南大西洋へと艦隊を派遣した。だが魔の海域に近付いたとき艦隊は次々に船底から爆発、沈没。救命ボートで九死に一生を得たわずかな学者たちは、地図にない島に辿り着いた。その島は植物も育たない寒帯地方にもかかわらず、海底火山帯の地熱で温暖な上、地熱を利用した発電装置まで備え、世界中の何処よりも発達していた。島の住民は、東欧・アジア・アフリカなど帝国の植民地支配から逃れてきた人々だった。そして、その島の主は、潜水艦「ノーチラス号」の船長ネモ、有能な物理学者でもある彼は、寡黙で謎に包まれてはいるが、島民からは絶大な信頼を得ていた。ところが、島の秘密は調査隊の知るところとなり、本国にも知られてしまった。島民たちを護るためネモ船長は「ノーチラス号」で敵艦隊に敢然と立ち向かって行く……。
争いを憎み、類い希な英知をもって地上の楽園を創り上げようとしたキャプテン・ネモの孤高の美学を、彼に思いを寄せる女性調査隊員とのロマンスを交えて描きます。 」(宝塚歌劇団HPより)
シリル【ロンドン・タイムズの新聞記者】@永久輝 せあ
「巨大な帝国の前ではお前らは虫けらなんだ。」
ネモ船長【潜水艦ノーチラス号の艦長】@彩風咲奈
「虫けらは君だ、巨大な帝国の後ろ盾がなくても同じことが言えるか。
君の人間としての価値はなんだ。ロシアの後ろ楯か、哀れな人間だ。
周りにいる人々をみるんだ。何の後ろ楯も力もない、いつも怯えている、
しかし必死に生きている、命の大切さを知っている人間は虫けらなどではない。
人間の価値は弱さだ、弱いから助け合い支え合う、弱いから強くなろうとする。
君の言う通り力が全てだ。この島の人間は生きる資格のない人間だ。
しかしわたしの家族だ、わたしの愛する家族だ。」
谷先生の、誰もが持っている弱さを肯定する、人への温かいまなざしを、咲ちゃん演じるネモ船長の言葉から感じたので文字にしてみました。弱いことは悪いことではない、みんな弱いんだよ、弱くていいんだよ、弱さは強さなんだよというメッセージのようにわたしにはきこえます。
『フォルティッシモシモ』『シルクロード』の千穐楽、退団者の挨拶で真地佑果くんと笙乃茅桜さんが谷先生の作品に出たかったので出演できて嬉しかったと話していた作品。上演当時必ずしも評判よくなかったっぽいですが、谷先生の想いがいっぱい詰まった面白い作品と思います。主演の咲ちゃん、船長の重そうな衣装でダンスをしたり、あまり動かない芝居を求められたり、大変だったと思いますがこの作品で主演できたことは財産なのでは。
ナウオンステージでジョイス博士【アイルランドの海洋学者】を演じている華形ひかるさんが谷先生は鬼のようにこわいけれど宝塚への愛にあふれていると。だいもん(望海風斗さん)は退団挨拶で谷先生から怒鳴られて、稽古しようと廊下に出たら仲間が何人もいた思い出を披露。ジェンヌさんたにとって厳しく演技指導してくれた先生はよりいっそう育ててもらったという感謝の気持ちと愛情を感じるのかな。
わたしの中で谷先生と言えば、1994年の天海祐希さん主演『エールの残照』。いつか振り返ることができればと思います。
『CAPTAIN NEMO』…ネモ船長と神秘の島…
~ジュール・ヴェルヌ「海底二万里」より~
脚本・演出/谷 正純
ジュール・ヴェルヌの海洋SF小説『海底二万里』に登場するネモ船長──潜水艦ノーチラス号で植民地支配を目論む国々に敢然と戦いを挑む孤高の英雄を新たな視点で描くミュージカル・ファンタジー。
19世紀後半、イギリスの捕鯨船が南大西洋サウスサンドウィッチ諸島付近で謎の遭難事故を繰り返し、船乗りたちからは魔の海域と恐れられていた。イギリス政府は学者たちを招聘し調査隊を編成、南大西洋へと艦隊を派遣した。だが魔の海域に近付いたとき艦隊は次々に船底から爆発、沈没。救命ボートで九死に一生を得たわずかな学者たちは、地図にない島に辿り着いた。その島は植物も育たない寒帯地方にもかかわらず、海底火山帯の地熱で温暖な上、地熱を利用した発電装置まで備え、世界中の何処よりも発達していた。島の住民は、東欧・アジア・アフリカなど帝国の植民地支配から逃れてきた人々だった。そして、その島の主は、潜水艦「ノーチラス号」の船長ネモ、有能な物理学者でもある彼は、寡黙で謎に包まれてはいるが、島民からは絶大な信頼を得ていた。ところが、島の秘密は調査隊の知るところとなり、本国にも知られてしまった。島民たちを護るためネモ船長は「ノーチラス号」で敵艦隊に敢然と立ち向かって行く……。
争いを憎み、類い希な英知をもって地上の楽園を創り上げようとしたキャプテン・ネモの孤高の美学を、彼に思いを寄せる女性調査隊員とのロマンスを交えて描きます。 」(宝塚歌劇団HPより)
シリル【ロンドン・タイムズの新聞記者】@永久輝 せあ
「巨大な帝国の前ではお前らは虫けらなんだ。」
ネモ船長【潜水艦ノーチラス号の艦長】@彩風咲奈
「虫けらは君だ、巨大な帝国の後ろ盾がなくても同じことが言えるか。
君の人間としての価値はなんだ。ロシアの後ろ楯か、哀れな人間だ。
周りにいる人々をみるんだ。何の後ろ楯も力もない、いつも怯えている、
しかし必死に生きている、命の大切さを知っている人間は虫けらなどではない。
人間の価値は弱さだ、弱いから助け合い支え合う、弱いから強くなろうとする。
君の言う通り力が全てだ。この島の人間は生きる資格のない人間だ。
しかしわたしの家族だ、わたしの愛する家族だ。」
谷先生の、誰もが持っている弱さを肯定する、人への温かいまなざしを、咲ちゃん演じるネモ船長の言葉から感じたので文字にしてみました。弱いことは悪いことではない、みんな弱いんだよ、弱くていいんだよ、弱さは強さなんだよというメッセージのようにわたしにはきこえます。
『フォルティッシモシモ』『シルクロード』の千穐楽、退団者の挨拶で真地佑果くんと笙乃茅桜さんが谷先生の作品に出たかったので出演できて嬉しかったと話していた作品。上演当時必ずしも評判よくなかったっぽいですが、谷先生の想いがいっぱい詰まった面白い作品と思います。主演の咲ちゃん、船長の重そうな衣装でダンスをしたり、あまり動かない芝居を求められたり、大変だったと思いますがこの作品で主演できたことは財産なのでは。
ナウオンステージでジョイス博士【アイルランドの海洋学者】を演じている華形ひかるさんが谷先生は鬼のようにこわいけれど宝塚への愛にあふれていると。だいもん(望海風斗さん)は退団挨拶で谷先生から怒鳴られて、稽古しようと廊下に出たら仲間が何人もいた思い出を披露。ジェンヌさんたにとって厳しく演技指導してくれた先生はよりいっそう育ててもらったという感謝の気持ちと愛情を感じるのかな。
わたしの中で谷先生と言えば、1994年の天海祐希さん主演『エールの残照』。いつか振り返ることができればと思います。