沢口靖子ちゃん主演の「ひとがた流し」というドラマがありました。ググってみると2007年12月に土曜ドラマとして3回シリーズで放送されました。
土曜ドラマ「ひとがた流し」
http://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/outline.html?i=hitogata
「第1回 「女友達」
テレビ局のアナウンサー・千波(沢口靖子)は、上司から「新しいニュース番組のメインキャスターに決定した」と告げられる。「長年の目標がついに実現する!」と喜ぶ千波を、親友の牧子(松田美由紀)と美々(高木美保)も祝福する。しかし、牧子に誘われて人間ドックに行った千波は、乳がんと診断されてしまう。手術を受ければ番組を降板することになる千波は、手術を勧める牧子と美々を「自分の人生は自分で決める」と拒絶する。
第2回 「絆(きずな)」
手術を受ける決心をした千波(沢口靖子)は、類(佐野史郎)に「写真を撮ってほしい」と依頼する。メスを入れられる前の体を写真に残しておきたいと考えたのだ。そんな千波の心情をつらい思いで受け止める牧子(松田美由紀)と美々(高木美保)。手術を終え、麻酔からさめた千波を、牧子と美々が見守っていた。退院した千波に、美々に背中を押された鴨足屋(瀬川亮)が交際を申し込むが、千波は素直に受け入れることができない…。
第3回 「永遠に」<終>
手術から半年後、千波(沢口靖子)は、再びカメラの前に立つ。インタビュー番組の企画を鴨足屋(瀬川亮)と語りあい、仕事に意欲を燃やす千波だったが、乳がんが再発。千波は牧子(松田美由紀)や美々(高木美保)に祝福されて鴨足屋と結婚。最後まで命の火を燃やす。千波の死後、千波の故郷の行事“ひとがた流し”に参加した牧子たちは「千波の思いを受け継ぎ、それぞれの人生を前向きに生きていこう」と、思いを新たにする。」
沢口靖子ちゃんのデビュー作、武田鉄矢さん主演映画『刑事物語3-潮騒の詩-』をみているので、いい女優さんになったなあと感慨深いものがありました。手術を受ける決心をした靖子ちゃん演じる千波は、入院するとわたしは一人だからと病院の売店で一人アメニティなど買い揃える場面がありました。もし自分が入院するとなるとこうして自力で全部やらなければならないのだろうかとふと考えながらみていた記憶があります。入院するにあたり、麻酔から目が覚めなかった時、支払いが滞った時の為に病院が担保したい緊急連絡先・保証人はどうしたのか、そんなこと知らなかったのでその視点はありませんでした。描かれていたのかもしれませんが記憶にありません。目がさめた千波のカメラアングルで牧子と美々がベッドに横たわる千波をのぞく姿が描かれていたことをおぼえています。術後、結婚した千波は束の間、最後の命の炎を燃やして生き抜きました。
原作は北村薫さんの『ひとがた流し』、積読本が多すぎて全部整理できるのを待っていたらこの世にいる間に読むのはむずかしいかもしれません。今の自分がこのドラマをみたら何を思うでしょうね。妹が自ら死んだのは1994年の9月、阪神淡路大震災の前の年でした。父は2010年に、母は2012年にこの世からいなくなりました。3回火葬場に行って思ったこと、人はみんな一人、みんな一人で生まれて一人で死んでいく、悲しいことかもしれませんが切ないことかもしれませんがこの世で得たモノは何一つ持っていくことができない、体一つでこの世から旅立っていく、携えていけるのは心の中にあるものだけなのだと。
右足の股関節が脱臼していることは知っていました。10代の頃思い出話としてギブスして母に背負われ大学病院に通っていたことを父からなんどかきかされたので。年をとったいつか手術をしなければならない日が訪れるなど考えたことありませんでした。すでに末期症状でとうに終わっているのに3か月前まで全く気づいていませんでした。手術などしたくありません、自分の体にメスを入れるなど考えただけで震えます。何か月も完全に無収入でブランクが長くなればなるほど、コロナ禍で失業者があふれている時におばあさんが社会に戻れる場所などなくなります。手術するとなると具体的にどうなのか、このままほうっておいたらどうなるのか、総合病院の整形外科に相談に行くだけ行ってみよとするとまた紹介状、また予約でいつになるのか、もういやじゃよ。仕事安定することがないし、一度帰省してしまったこともあり健康診断を4年間受けていません。かかりつけ医に行ったら話さなければと思いながらいつも忘れてしまいます。乳がん検診はどうする、不安と絶望で朝まで眠れないので朝早いのはきつくていけません。
草なぎ剛君主演の『僕の生きる道』も心に残っているドラマ。老後のためにと堅実にお金を貯めてきた高校の先生が余命を知って命を燃やして生きた物語。昨年10月に日生劇場で観劇したミュージカル『生きる』も定年退職を目の前に余命を知った公務員が最後の命の炎を燃やして生きる物語でした。わたしは余命宣告を受けたわけではなく、たかが2-3週間入院して手術を受ければいいって話じゃんってことですが術後の希望がどこにも見出せません。なんのために、どんな希望をもって手術しなければならないのかわかりません。このまま何もせず最後の砦か死かの二択が訪れる時を待つか。いずれその時は訪れる、その時が早まっただけといえば早まっただけ、力が湧いてきません。もういいです、もういい。
土曜ドラマ「ひとがた流し」
http://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/outline.html?i=hitogata
「第1回 「女友達」
テレビ局のアナウンサー・千波(沢口靖子)は、上司から「新しいニュース番組のメインキャスターに決定した」と告げられる。「長年の目標がついに実現する!」と喜ぶ千波を、親友の牧子(松田美由紀)と美々(高木美保)も祝福する。しかし、牧子に誘われて人間ドックに行った千波は、乳がんと診断されてしまう。手術を受ければ番組を降板することになる千波は、手術を勧める牧子と美々を「自分の人生は自分で決める」と拒絶する。
第2回 「絆(きずな)」
手術を受ける決心をした千波(沢口靖子)は、類(佐野史郎)に「写真を撮ってほしい」と依頼する。メスを入れられる前の体を写真に残しておきたいと考えたのだ。そんな千波の心情をつらい思いで受け止める牧子(松田美由紀)と美々(高木美保)。手術を終え、麻酔からさめた千波を、牧子と美々が見守っていた。退院した千波に、美々に背中を押された鴨足屋(瀬川亮)が交際を申し込むが、千波は素直に受け入れることができない…。
第3回 「永遠に」<終>
手術から半年後、千波(沢口靖子)は、再びカメラの前に立つ。インタビュー番組の企画を鴨足屋(瀬川亮)と語りあい、仕事に意欲を燃やす千波だったが、乳がんが再発。千波は牧子(松田美由紀)や美々(高木美保)に祝福されて鴨足屋と結婚。最後まで命の火を燃やす。千波の死後、千波の故郷の行事“ひとがた流し”に参加した牧子たちは「千波の思いを受け継ぎ、それぞれの人生を前向きに生きていこう」と、思いを新たにする。」
沢口靖子ちゃんのデビュー作、武田鉄矢さん主演映画『刑事物語3-潮騒の詩-』をみているので、いい女優さんになったなあと感慨深いものがありました。手術を受ける決心をした靖子ちゃん演じる千波は、入院するとわたしは一人だからと病院の売店で一人アメニティなど買い揃える場面がありました。もし自分が入院するとなるとこうして自力で全部やらなければならないのだろうかとふと考えながらみていた記憶があります。入院するにあたり、麻酔から目が覚めなかった時、支払いが滞った時の為に病院が担保したい緊急連絡先・保証人はどうしたのか、そんなこと知らなかったのでその視点はありませんでした。描かれていたのかもしれませんが記憶にありません。目がさめた千波のカメラアングルで牧子と美々がベッドに横たわる千波をのぞく姿が描かれていたことをおぼえています。術後、結婚した千波は束の間、最後の命の炎を燃やして生き抜きました。
原作は北村薫さんの『ひとがた流し』、積読本が多すぎて全部整理できるのを待っていたらこの世にいる間に読むのはむずかしいかもしれません。今の自分がこのドラマをみたら何を思うでしょうね。妹が自ら死んだのは1994年の9月、阪神淡路大震災の前の年でした。父は2010年に、母は2012年にこの世からいなくなりました。3回火葬場に行って思ったこと、人はみんな一人、みんな一人で生まれて一人で死んでいく、悲しいことかもしれませんが切ないことかもしれませんがこの世で得たモノは何一つ持っていくことができない、体一つでこの世から旅立っていく、携えていけるのは心の中にあるものだけなのだと。
右足の股関節が脱臼していることは知っていました。10代の頃思い出話としてギブスして母に背負われ大学病院に通っていたことを父からなんどかきかされたので。年をとったいつか手術をしなければならない日が訪れるなど考えたことありませんでした。すでに末期症状でとうに終わっているのに3か月前まで全く気づいていませんでした。手術などしたくありません、自分の体にメスを入れるなど考えただけで震えます。何か月も完全に無収入でブランクが長くなればなるほど、コロナ禍で失業者があふれている時におばあさんが社会に戻れる場所などなくなります。手術するとなると具体的にどうなのか、このままほうっておいたらどうなるのか、総合病院の整形外科に相談に行くだけ行ってみよとするとまた紹介状、また予約でいつになるのか、もういやじゃよ。仕事安定することがないし、一度帰省してしまったこともあり健康診断を4年間受けていません。かかりつけ医に行ったら話さなければと思いながらいつも忘れてしまいます。乳がん検診はどうする、不安と絶望で朝まで眠れないので朝早いのはきつくていけません。
草なぎ剛君主演の『僕の生きる道』も心に残っているドラマ。老後のためにと堅実にお金を貯めてきた高校の先生が余命を知って命を燃やして生きた物語。昨年10月に日生劇場で観劇したミュージカル『生きる』も定年退職を目の前に余命を知った公務員が最後の命の炎を燃やして生きる物語でした。わたしは余命宣告を受けたわけではなく、たかが2-3週間入院して手術を受ければいいって話じゃんってことですが術後の希望がどこにも見出せません。なんのために、どんな希望をもって手術しなければならないのかわかりません。このまま何もせず最後の砦か死かの二択が訪れる時を待つか。いずれその時は訪れる、その時が早まっただけといえば早まっただけ、力が湧いてきません。もういいです、もういい。