たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

舞台『未来少年コナン』-2024年6月1日

2024年06月07日 11時20分39秒 | ミュージカル・舞台・映画

「思えば、自分たちが暮らすかけがえのない星、地球を、自らの手で住めない場所へと荒廃させてしまう、誰一人勝利者はいない「最終戦争」の後の世界を描いた作品は数多い。こうした作品群が創り続けられるのは、民族や、国、更にはそれらを統べる地位を手に入れた者たちが、互いに共存しようとするのではなく、自分こそが唯一の支配者であろうとし、取り返しのつかない過ちをいつ起こしても不思議ではないこの世界の状況が、一向に改まらないどころか、むしろ一触即発の危機を感じさせているからだろう。

そんな警鐘が鳴らされている、名匠宮崎駿が初監督作品として世に出したこの「未来少年コナン」の世界と、ピントとダビッド・マンブッフの創造の架け橋になった伊藤靖朗の脚本も当を得ていて、新たな発見のなかから普遍のテーマが届けられる舞台になっている。そんな警鐘が鳴らされている、名匠宮崎駿が初監督作品として世に出したこの「未来少年コナン」の世界と、ピントとダビッド・マンブッフの創造の架け橋になった伊藤靖朗の脚本も当を得ていて、新たな発見のなかから普遍のテーマが届けられる舞台になっている。」

名作冒険活劇が全く新しい舞台として蘇る!舞台『未来少年コナン』上演中! │ シアターウェブマガジン[カンフェティ] (confetti-web.com)名作冒険活劇が全く新しい舞台として蘇る!舞台『未来少年コナン』上演中! │ シアターウェブマガジン[カンフェティ] (confetti-web.com)

 

アニメ作品よりも「生」を強く感じさせる舞台「未来少年コナン」 - スポーツ報知 (hochi.news)

 

【続・イベントレポート】舞台『未来少年コナン』見どころを少しだけご紹介!(ネタばれなし)|日本アニメーション株式会社 (note.com)

 

加藤清史郎、影山優佳ら出演、五感で体感する贅沢な舞台『未来少年コナン』が開幕 舞台写真&公演レポート、コメントが公開 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス (eplus.jp)

2024年6月1日(土)17時30分~、東京芸術劇場プレイハウス

電車が少し遅れかつ坐ることができず、足先は反ってしびれのきつい足にこたえましたがなんとか無事『未来少年コナン』を観劇することができました。三度目の東京芸術劇場、コスモポリタン池袋で相変わらず出口に最初迷いました。開演前に大急ぎでカフェにてコラボメニューをいただきました。劇中でジムシーがとても美味しそうに食べているボルシチと厚切りパン。器も物語仕様になっていて美味しかったです。なぜかこうして食べるパンの美味しいこと。贅沢しました。

 

 

 役者とダンサーによる究極の身体表現、観客の想像力に多くを委ねる抽象化された舞台装置、小道具をもつ黒子をみせる演出、効果音もすべて生演奏で右手袖で音を出しているところも全てみせているのは舞台の醍醐味。文楽とウエクミ先生の『フライングサパ』に通じる世界観を感じながら観劇しました。主演の加藤清史郎君、身体能力の高さを『るろうに剣心』で発揮していましたが今作でパワーアップ。足の指先まで超人的な身体能力をもつ野生児コナンそのもの、そして動くのひとつひとつがとても丁寧で綺麗でした。サメを追いかけて水中へほぼ垂直にもぐっていく冒頭の場面、幕のうしろで効果音を使って、ワイヤーでつられているにちがいないとわかっていても本当に海の中を自在に泳いでいるようにみえて素敵でした。ラナがコナンを助ける水中シーンでは、ラナが息継ぎのため海面に顔を出すところも効果音とラナの動きでリアルだったし、水中での泳ぎがコナンもラナもとても綺麗で珠玉の場面となっていました。クライマックスのラナを助けるべくコナンが壁をよじ登っていくシーンではワイヤーがみえていてもハラハラ、ラナを抱きかかえて高所から飛び降りるところもワイヤーに助けられつつ本当に抱きかかえていて着地したらギクギクなるところもアニメどおりに再現。コナンがラナ、ラナと呼ぶときの声の響きもとっても綺麗、二人が指さす先には実際には舞台にない世界がひろがっていました。実際に10歳ぐらい子役が演じることはむずかしい子供の心の世界はとても清らかで浄化されたような心持ち。影山優佳ちゃん、可愛いですね。鍛え上げらえたバネはバレエやってきたりしているのかな。

ジムシーの成河さん、ルキーニ以来、実年齢は清史郎君と親子ですが友達であることに全く違和感なし。二人が出会う場面も秀逸、楽しくて心に沁みました。南国の植物をのぼったりおりたり回ったり、植物に柔軟性があって動く演出が面白いと思いました。成河さんもかなり体が柔らかくて身体能力高いですね、驚きました。美味しいに食べるところがうますぎます。二人で狭い棚に入ったり出たり、小柄だからやれるのだと思いますが軟体動物のような柔らかさはびっくりでした。

椎名桔平さん、かつて日本が一億総中流社会だと信じ込まされていた頃トレンディドラマで名を馳せましたが渋いですね、長い長い説明台詞を物語として聴かせてくれるところはさすがの力だと思いました。

宮尾俊太郎さん、清史郎君とはTBSのドラマ以来で共演、バレエダンサーですが役者としても着実に力をつけてこられました。休演日に急遽ハリポタに出演したとかすごすぎます。舞台映えする背丈と身体能力にお鬚をつけたお顔は川崎真世さんと似ているようにみえたり。

モンスリーの門脇麦さん、コナンのYOUTUBEラジオを聴くとものすごく舞台映えのする素敵な声の方だと思いました。初見ですがこんな力のある役者さんがいらっしゃるんですね。

レプカの今井明彦さんも初見ですが立っているだけで説得力ある存在感。最後のコナンと対決する場面の三角形になった鏡だけを使った演出。コナンとレプカがそれぞれ乗る鏡をダンサーたちが柔軟に動かすことで現わされる二人の心情。万が一の時には身体能力の高いダンサーたちが受けとめてくれるようになっているのだとは思いますがギリギリのところで動いている感はより緊迫感を高めていました。

 

個性的な役者陣と身体能力の高いダンサーたちのぶつかりあいから生まれる舞台でしか味わうことのできない世界。原子炉枯渇、太陽光エネルギー、地殻変動、津波、プラスチックでつくられたパン・・・1970年代すでにこれらを描いていた宮崎駿監督はすごいですね。チケット代がなかなか厳しいですが今を生きる大人たちに観てほしい作品。現実はどこにも希望がありませんが、舞台には、劇場には、まだ希望が残されていると信じたいです。

清史郎君、舞台は初主演、ホリプロさん、グッズたくさん出してくれています。千穐楽まで無事に公演できるようにと祈ります。

 


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