たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

上野が遠い

2024年09月06日 14時14分21秒 | 日記

『神護寺展』があと3日で終わってしまう。暑すぎに終末は雷雨、行かねば行かねばと思いながらあっという間に月日はすぎゆく。チケットは買ってあるので不安神経症に打ち勝ってなんとか行かねば。

8月9日(金)日比谷の帰りに電車の中で緊急地震速報が鳴り、どうしても東日本大震災の恐怖を思い出す揺れ。最寄りに近いところまできていたものの緊張で体が震え怯えていると、電車の中を見回すと死んだ魚の目をしてうつろな表情でスマホをみつめるサラリーマンたち、パニックにならないのが日本人の美徳なれどそれはそれでぞっとした光景。

陽が暮れると涼しくはなってきたものの暑い、妹が死んだ9月も父親が死んだ9月も暑かった。まだまだ暑い。なれど9月、一日一日冬至は近づいているのだ。

4年前アマゾンで購入した冷蔵庫がそろそろおかしい。あっちもこっちも劣化、スマホもパソコンも買い替えねばならん。髪はすぐのびてくるのでまた美容院にもいかねばならん。お金かかるし、面倒くさい。

このおかしな暑さのせいか、去年までいなかった虫が湧いてきて退治しても退治しても湧いてくるしフンがすごくて掃除しても掃除しても汚れてしまってきりない。

横になるときに股関節痛いし、起き上がるときもいたいし、寝ている間もクッションはさまないと痛くていられないし、体のバランス悪くて常に緊張状態なので目がさめる時肩周りがごりごりで非常に疲れる、つらい。トアラセット一日一錠で十分気持ち悪い。

このペースだとこの世にいる間にためこんだ荷物を全部捨てられそうになく、でもこの世にいるかぎり諸々まだおりることはできない。もういいよと思ってもそんなわけにはいかない。まだ自分で自分の面倒を見続けなければならない。

部屋を出る時は不安神経症との闘い、靴下をはくときも脱ぐときも、靴をはくときも脱ぐときもつらい。でもまだ生きている。先はないがまだ生きている。いろいろきになり過ぎて落ち着かなさすぎだが行くと決めたのだから部屋を出て行かなければならない。股関節おかしいから膝も足首もおかしい。医者に関係ないとか言われたくない。つらいがまだ歩ける、歩いている。なんとか行く。

上野は遠い。有楽町駅も東京駅も越えなければならない。遠い。


20240904_新型コロナワクチン接種とワクチン後遺症を考える議員連盟

2024年09月06日 13時30分29秒 | 気になるニュースあれこれ

20240904_新型コロナワクチン接種とワクチン後遺症を考える議員連盟 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

 

訃報:悪童クラブ出身のイ・テグンさん41歳、新型コロナワクチンの副作用で闘病の末に(朝鮮日報日本語版) - Yahoo!ニュース

「【Pickcon】男性アイドルグループ悪童クラブ出身のイ・テグンさんが亡くなった。享年41歳。  

イ・テグンさんは4日に死亡したという。ニューデイリーは5日、「故人は3年前に新型コロナウイルス・ワクチンのブースター接種を受けた後、重態に陥り、長い間入院して治療を受けてきたが、忠清北道忠州市内の病院で息を引き取ったことが分かった」と報じた。

2002年に悪童クラブのメンバーとしてデビューしたイ・テグンさんは、後に4人組のThe A.Dとして再デビュー。しかし顕著な成果を挙げることはできず、歌謡界を引退した。

 その後は表舞台から遠のいていたが、青瓦台(大統領府)の国民請願掲示板にイ・テグンさんの妻が書いた文章が掲載されたことで関心を集めた。当時、イ・テグンさんの妻は「新型コロナウイルス・ワクチン接種後、副作用で夫が重態に陥った」と訴えた。最終的にイ・テグンさんは、およそ3年にわたる闘病生活の末、ついに息を引き取り、多くの人が悲しんでいる。」

 

 


『アンナ・カレーニナ(中)』-第四篇-3より

2024年09月06日 08時59分41秒 | 本あれこれ

『アンナ・カレーニナ(中)』-第三篇-32より

「「それはきみ、違うよ。まちがっているよ、アンナ」ヴロンスキーは相手の気持をしずめようとしていった。「でも、そんなことはもうどうだってかまわないさ。あの人の話はやめにしよう。それより、きみがなにをしていたか、それを話してください。え、どうしたの? 病気って、どんな病気なの? 医者はなんといっているの?」

 アンナは皮肉な喜びの色を浮べて、彼をじっとながめていた。どうやら、彼女はまた夫の中にこっけいで醜聞な面をいくつか見つけて、それを口に出す機会を待っているらしかった。

 しかし、ヴロンスキーは話をつづけた。

「ぼくの感じじゃ、これは病気じゃなくて、きみのからだのせいだと思うな。で、あれはいつになるの?」

 と、皮肉な輝きは彼女の目から消えた。しかし、すぐ別の微笑が-なにか相手にはわからないものを自覚し、それと同時に、静かな悲しみを覚えて生れた微笑が、それにとって代った。

「じきよ。じきですわ。あなたは、こんな境遇はたまらない、なんとか結末をつけなくちゃ

っておっしゃいましたわね。でも、こんな境遇があたくしにとってどんなにつらいかってことは、おわかりにはなってないのよ! 自由に、だれはばかることなくあなたを愛するためなら、あたくしはどんな犠牲だってはらいますわ。そうなれば、嫉妬で、自分を苦したり、あなたにまで苦しい思いをさせることなんかなくなりますわ・・・そうなるのも、もうじきでしょうけど・・・でも、あたくしたちが考えているふうにはなりませんわ」

 そこで、それがどんなふうにやってくるかを考えると、アンナはわれながら自分が哀れになってきて、思わず涙が目にあふれて、話をつづけることができなかった。アンナは、ランプの光り輝く指輪をはめた白い手を、彼の袖の上においた。

「それは、あたくしたちが考えているふうにはいかないでしょうね。こんなことはお話ししたくなかったんですけど、あなたがいわせておしまいになったんですわ。もうじき、ほんとに、もうじき、なにもかもにけりがついて、あたしたちはみんな落着いて、もうこれ以上苦しむことはなくなるんですわ」

「ぼくにはわからないな」ヴロンスキーはその意味がわかっているくせに、わざとそういった。

「さっき、おたずねになりましたわね、いつ、って? もうじきですわ。それに無事にすみっこありませんわ。いえ、どうか、すっかりいわせてちょうだい!」アンナは急いで言葉をつづけた。

「あたくしにはそれがわかっているんです。ええ、ちゃんと、わかっているんですわ。あたくしは死ぬんですわ。でもあたくし、とってもうれしいんです、あたくしが死んだら、自分とあなたを救えるんですもの」

 アンナの両の目からは涙があふれ落ちた。ヴロンスキーは自分の不安を隠そうと努めながら、アンナの手にかがみこんで、接吻しはじめた。この不安にはなんの根拠もなかった。彼はそれを自分でも承知しながら、それに打ち勝つことができなかった。

「ええ、そうなるんですわ。でも、そのほうがいいんですわ」アンナは、激しい動作で彼の手を握り閉めながら、いった。「それだけが、それだけが、あたくしたちに残されているたった一つの道なんですわ」

 ヴロンスキーはわれに返って、頭を上げた。

「なんてばかげたことを! なんてつまらないたわ言をいうんです!」

「いいえ、これはほんとうのことですわ」

「なにが、なにがほんとうのことなんです?」

「あたくしが死ぬってこと。あたくし、夢を見ましたの」

「夢ですって?」ヴロンスキーは鸚鵡返しにいって、一瞬、自分が夢の中で見たあの百姓のことを思いだした。

「ええ、夢ですわ」アンナはいった。「その夢を見たのはもうずっと前のことですけど。こんな夢でしたの-あたくし、自分の部屋に駆けこんで行ったんですの、なにか取りに行くか、捜し物があって。ねえ、夢ではよくそんなことがありますでしょう」アンナは恐怖に目を大きく見ひらきながらいった。「そうしたら、寝室のすみっこに、なにかが立っているじゃありませんか」

「いや、ばかばかしい! なぜそんなことを信ずるんです?」

 しかし、アンナは彼に口をはさませなかった。アンナが今話していることは彼女にとってあまりにも重大なことだったからである。

「すると、そのなにかがくるっとこちらを向いたんですの。見ると、それはひげぼうぼうの小がらな、恐ろしいお百姓なんですの。あたくし、逃げようとしたんですが、そのお百姓は袋の上にかがみこんで、両手でもってしきりになにかごそごそやっているんですの・・・」

 アンナは、その百姓が袋の中をかきまわしているしぐさをして見せた。その顔には恐怖の色が浮んでいた。ヴロンスキーも自分の夢を思い浮べて、同じような恐怖が、心の中いっぱいにひろがっていくのを感じた。「そのお百姓はごそごそやりながら、それはそれは早口のフランス語で、『この鉄をたたいて、砕いて、練りあげなくちゃいかん』ってしゃべるじゃありませんか。あたくしはもう恐ろしくて恐ろしくて、早く目をさましたいと思ったとたん、やっと目がさめましたの・・・でも、目がさめたのもやっぱり夢の中なんですの。それで、これはいったいどういうことなのかしら、って自分で自分にたずねましたの。すると、コルネイがあたしに、『お産で、お産でお亡くなりになしますよ、奥さま、お産で・・・』っていうじゃありませんか。そこでやっと目がさめましたの・・・」

「そんなばかな。いや、まったくばかげてますよ!」ヴロンスキーはいった。しかし、自分でもその声に一片の説得力もないことを感じないわけにはいかなかった。

「でも、もうこんなお話はやめましょう。ベルを鳴らしてちょうだい、お茶を持ってこさせますから、あ、ちょっと待って。あたくし、今すぐに・・・」

 といったまま、アンナは不意に言葉を切った。その顔つきは、一瞬のあいだに変化した。恐怖と興奮にかわって、とつぜん、静かな、きまじめな、さも幸福そうなはりつめた表情が表われた。ヴロンスキーにはその変化の意味が理解できなかった。アンナは自分の体内に、新しい生命の胎動をききつけたのであった。」

(トルストイ『アンナ・カレーニナ(中)』昭和47年2月20日発行、昭和55年5月25日第16刷、新潮文庫、232-235頁より)