行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

製造業派遣禁止は一歩前進

2009-12-24 22:52:59 | Weblog
ようやく厚生労働省の労政審議会から製造業派遣原則禁止を含む報告が出され、法改正に準備が進められている。本来の派遣法にもどり専門職に限定することになる。派遣労働者を専門職から一般労働に広げることによって人間扱いされない悲惨な結果になってから一年、ようやくという気がする。

それでも日経新聞や一部学者からおかしな理解のしがたい反対論が喧伝されている。そのキーワードは「働き方の多様性が損なわれる」と「企業は海外に移る」だ。昨年の派遣村で年をこした人はもちろん、製造業派遣労働者ですすんで望んだ人はいない、異口同音に正社員になれないからなったのでこれを多様化というのは経営者が望むことだ。

トヨタをはじめ企業は派遣労働者が禁止されても直接自ら、期間社員やパートとして雇用しており、企業の海外移転と直接結びつけるやり方は恫喝みたいなものだ。派遣労働者を製造現場に可能にした90年代、企業は中国を中心に海外に工場進出を加速した。海外立地は多くの要因でなされ特に為替、円高が大きな要因だ。今回の派遣切りを見ても雇用関係と使用関係が別々の企業ということで、使用する側から見れば部品と同じ感覚で人を入れている。雇用関係が無ければ専門職でない労働者は人間扱いされない。

製造業派遣が禁止されても、非正規労働者は上記のように減ることはない。直接雇用で対応するので一歩前進といえるが、タイで最近実施されたように正社員との均等待遇を実現することが次の目標だ。
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