当初、日本からの情報が少ないとクレームをつけていた海外のメディア、ここへ来て各種の情報を取り込み、今回の事故について総括的な報道をしている。その典型が4月27日のインターナショナル・トリビューン紙の第一面トップ記事で、今回の事故の原因は政官業と一部学者による癒着構造「日本原発村」にあると報じている。
規制の国日本で原発に対する規制が緩かった点を次のように上げている。第一に福島第一原発1号機のように30年経たのに政府は津波の危険性を指摘されながら安全性を東電の自注判断に任せ10年の延長を認めた(大震災の1週間前のこと)。またかつて東電の安全規則違反に対する処分も原発を維持することを優先にした緩やかなもので、会長や社長は辞任しても相談役で残り、役員の報酬カットでお茶を濁した。
これは癒着の文化の中で形成された「日本原発村」が背景にあると同紙は厳しく追及、経済産業省原子力保安院が規制当局でありながら、1959年から2010年までに経済産業省の上級官僚4人が連続して東電副社長に天下りをしており、、これは癒着の文化そのものとしている。さらに保安院のメンバーには原子力産業の企業から専門家が天上がりしており、出身の企業に対する規制は厳しくできないだろうと分析している。
また、原子力分野の研究は財政的に政府か電力業界によって支えられており、学者にしても批判的な人物は遠ざけられ、協力的な学者だけが原発村に入れるとここでも癒着の構造を指摘している。政界では1955年から2009年まで政権の座にあった自民党で元東電副社長加納時男参議員(現在は東電相談役)が原子力政策を含むエネルギー政策に大きな影響量力を行使してきたと個人名まであげている。
以上、いちいちもっともな指摘で真摯に受け止め、今後の原発政策に生かして行かなくてはならない。