経済産業省は先月27日、「大震災の経済的インパクトと回復度合い」という英文報告書を出している。その中で、東京の放射線量は香港やニュートークより低いとして、風評被害を抑えようと懸命だ。
東京の放射線レベルは時間あたり0.078μSvで香港の0.14μSvやニューヨークの0.095μSvより低く危険ではないことを強調している。先日外国人誘致を担っている観光業界の友人に会ったら、放射能のこともあるが首相自ら87%の確率で巨大地震が来ると宣言してしまったことで、外人観光客は二の足を踏むことは確かだと残念がっていた。
放射線量が現在は自然放射能レベルまで下がっていても、肝心の福島第一原発が安定せず、工程表も一ヶ月足らずで書き直すようでは外人観光客を呼ぶことは簡単ではない。今のままでは何時また水素爆発が起きるかそちらの方が不安だ。
遠くの神奈川県の新茶まで汚染されているという新事実が次から次と出てきているが、3月の2回にわたる水素爆発でかなり多くの放射性微粒子が吹き上がり、拡散し雨で地上に降ってきて、土壌に濃縮されていたとの分析だ。原発から20km圏内でも舗装道路などは雨水が流れ、下水に入るので汚染されにくいとのことだ。
21日には中韓の首相と大統領が福島を訪れるというが、多くのスタッフも伴うわけで、この訪問が吉と出るか否か微妙で、帰国してからの反応を注目したい。私の関係する国際労働財団でも中韓のリーダーを6月に招聘するべく準備を進めているが首脳陣の福島訪問が影響するだろう。