経済発展著しいベトナムから時々友人からチャットが入ってくる。20年来のお付き合いだったが、彼がベトナム戦争で勲章をもらった勇士だったと知ったのはだいぶ後になってからで、足を引きずっていることは気がついていたのだが。その彼が定年をむかえ年金生活に入り、チャットする余裕ができたことを先ず喜びたい。
ところが、新興国でも年金財政がピンチになるかもと聞いた。現在の定年年齢は男性が60歳、女性が55歳。平均寿命が伸びているため、年金受給期間も平均で20年近くに伸びている。同国社会保険庁によると、現行制度のままでは2023年までに社会保険基金の収支がほぼ均衡し、2024年以降は過去の積立金から賄わざるを得なくなる。さらに2037年には財源不足に陥るという。
現在ベトナムでは労働法を改定する作業に入っていて、定年年齢引き上げも俎上に上がっている。社会保険庁は、2015年から2年毎に1歳ずつ定年年齢を引き上げて、定年を男性65歳、女性60歳にすれば、基金の財源を確保できる期間が約20年間伸びるとしている。また、労働社会科学研究所は、女性の定年年齢を男性と同じに引き上げれば、年間4兆5000億ドン(約177億円)の支出が削減できると試算している。男女とも同じ定年年齢にする議論も行われており、定年年齢引き上げで社会保険基金の財源が少しでも節約できると政府は目論んでいるが、重労働女性従事者は例外にしろといった議論も出ているようだ。