今回の内閣改造、挙党一致を目指すというお題目であったが、前回の総裁選挙で安倍さんに肉薄した石破さんを幹事長にした時も同じ言葉を使った。今回は誰が見ても明らかに石破幹事長外しが第一の目的であることに変わりなく、挙党一致に意味が変わってきたのである。来年の総裁再選のためならなりふり構わず攻めに攻めた安部首相の寄り切り勝ちで、石破さんは人事権もない新設の地方創世担当の臨時大臣に甘んじた。
改造の第二の目的は消費税増税路線を遂行するために、民主党政権時代消費税10%を目指した谷垣元総裁を幹事長に据えたが、総裁経験者が幹事長になるなんて異例中の異例だ。谷垣派から逢沢一郎など当然入閣があると思っていたが力で押さえ込んだようだ。以前ジョージ・ソロス氏を囲む会合で逢沢一郎議員と名刺交換をしたため彼からはまめにメールが来る。先日のメールは衆議院議院運営委員長としてもう一度頑張るとの決意表明であったが、裏には無念さが感じられた。
日経世論調査では今回の内閣改造への支持が高いが、それは女性閣僚を5名登用し認証式後、女性大臣が安倍首相を囲む写真が影響したのだが、女性の地位向上への信条は5人とも違うようで今後国会答弁で舌禍を起こす爆弾を抱えたかもしれない。
100%完勝の人事などあり得ず、今回の内閣改造は無理した完勝とも言え、ほころびが出て来るだろう。最大の問題は安倍さん自身の右バネで、第二次世界大戦戦犯への考え方は中国、韓国だけでなくかつての欧米連合国とも全く異なるので、これが出て来ると最大の危機をむかえよう。