秋場所初日14日、このブログで「秋場所の見所怪物逸の城」と書いたが、見所どころか15日間満員御礼の原動力となった。白鵬の優勝は順当で、確かに優勝回数は千代の富士に並んだ。しかし、新大関豪栄道はようやく勝ち越し、期待の稀勢の里は後半ぼろぼろ、人気の遠藤は気力がなく大負け、逸の城の活躍なしには今場所は悲惨なものになっていた。先のブログでは幕内で誰が最初に逸の城に勝つかと書いたが、大関でも横綱でもなく勢が土をつけた、ほかの幕内力士は逸の城に歯が立たず、大関稀勢の里を出してきた。立ち合いから気圧され、稀勢の里は土俵に這いつくばった。それではと豪栄道を出したが力相撲で負け、横綱鶴竜は稀勢の里の2の舞で敗れた。まるで道場破りのようなことになり、ファンは固唾をのんで白鵬戦を見た。相撲界の面目を保つべく白鵬は逸の城を転がし国技館はどよめいた。満員御礼の興行に貢献したが相撲協会としてはほっとしたことだろう。敢闘賞、殊勲賞の両賞を逸の城が獲得したのは当然だ。
これまでプロとアマとの実力の差が歴然としていたのが相撲であったが、逸の城は別格だ。来場所は小結か前頭筆頭となり、上位陣と連日取り組み、おもしろいことになってきた。大型力士同士、たとえば碧山との戦いは馬力の勝負となるし、一方小兵遠藤との戦いも興味深い。千代鳳のような丸い力士はどう取るのか興味は尽きない。