行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

テロルを克服できなかった英国は反面教師

2016-06-24 15:36:33 | Weblog
6月16日英国労働党議員で2児の母親、ジョー・コックス氏(41)が兇弾に倒れたニュースを見て、戦慄が走った。これまで高校時代、浅沼社会党書記長が公衆の面前で刺された時やケネディ大統領が兇弾に倒れた時を思い出した。いずれもテレビの生々しい映像で忘れることはできない。コックス氏は国会議員になったのは去年5月で、政治家になる前は英国の大手NGO(非政府組織)、オックスファム(Oxfam)で人道支援キャンペーンを主導するなどし、セーブ・ザ・チルドレン、英国児童虐待防止協会(NSPCC)などのNGO団体に在籍した経験もあり、貧困や差別問題にも積極的に取り組んできた。そして議会での初演説においてコックス氏は「こんな多様な選挙区を代表できることは、喜びである(中略)私たちのコミュニティーはカトリック系のアイルランド人であれ、インドのグジャラート、あるいはパキスタンの、主にカシミール出身のイスラム教徒であれ、移民によってその価値がより深められた。こうした多様性を尊ぶとともに、選挙区を回るたび、私はいかに互いの中に、違いよりも共通項が存在し、より団結しているのかに驚かされる」と述べ、シリア難民の支援に関しても積極的に発言し、この問題に取り組む議会グループを設立、下院での議論も主催した。
 
テロル犯人の背景は反移民のグループで、EU離脱派、コックス氏がEU残留の集会を開催している現場で白昼に襲っている。私はこのテロルで犯人の思惑通りに英国が行かないことを願ったが。本日の国民投票では残念ながら離脱が決定的のようだ。英国は国会での徹底的な議論で物事を決めてきた民主主義のお手本のような国で、今回のEU離脱問題も与野党を問わず賛成反対論者が口角泡を飛ばす議論をしてきた。国会外でもハイドパークでの自由な議論は見ていても迫力がある。そうした伝統的な民主主義の国でテロルが起きたことは移民や外国人労働者への反発がシニア層を中心にいかに大きかったことかが判る。これを簡単に島国根性と片づけてはなるまい。同じ島国日本の反面教師と捉えたい。
 
円高になった。株が暴落した。と列島は大騒ぎしてるが私たちの生活にすぐ影響するわけでないのに何故こんな騒ぎになるのか庶民の理解を超えるところだ。この2、3日は投機家が腕をさすって喜んでいることだろう。
コメント
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