与党側の争点は「アベノミクスの拡大」で、これまでの成果を強調するが、税収が21兆円増えたとか失業率が改善され、完全雇用に近づいているといった良い点を前面に出し、改憲は今のところ隠し通している。野党は実質所得の減少、消費減退などアベノミクススの失敗を強調し、改憲阻止を前面に出してるがのれんに腕押しでかわされている。
現在、英国離脱で世界経済先行きが不透明になりつつあり、日本国民はよく解らないまま、何となく不安といった状態だ。参議院選の大きな争点として、経済を取り上げて貰いたい。安倍首相がまくらことばによく言う暗い民主党政権時代のGDP成長率は2010年~2012年の3年間平均で1.7%のプラスで推移していた。浜田教授をはじめ鳴り物入りで登場したブレーンのリフレ派経済学者の金融緩和・インフレ目標導入を始めた安倍政権下では、2013年~2015年の3年間平均でわずか0.6%しか成長しなかったこれが明るい時代と言えるか?第3の矢、成長戦略は不発だったことは明らかだ。本日の日経で浜田教授はGDPはふるわないが日系企業が海外で稼いだ所得を加えた国民総所得(GNI)は2015年2.5%と好調だと言っている。
円安で輸出企業が潤い、昨年度はGNIが増え、税収も増えた訳だ。ところが輸出企業の好調が賃金を増加させ、トリクルダウンで日本中の賃金が上がるはずだったが、民主党政権下3年間の累計では0.5%増だったのに対し、安倍政権下3年間の累計では4.6%も減少してしまった。そしてGNIを増やした円安も今や円高局面に入った。どう打開をするのか、安倍、山口両首脳がよく口にするそれこそ「新しい発想」を出して、与野党の論戦を期待したい。