行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

興味の尽きないマイナス金利の行方

2016-06-03 18:01:43 | Weblog
日銀がマイナス金利を導入したときは衝撃が走り、又黒田サプライズだとマスコミは報じた。狙いは円安誘導であったがこれは今のところ円高になっている。もう一つの狙いは銀行が日銀に預けている預金にコストをかけ、銀行が融資を増やし、設備投資を増やし景気を良くすることだった。そして2%のインフレターゲットを達成することだった。ところがヘンな方向にメガバンクが転換しだした。
 
マイナス金利を発表した日のブログで庶民感覚としてはデフレになるような気がする。一般の普通預金利息も下がるので現金所有が増え、空き巣が喜ぶのでは、銀行は手数料収入に注力するなど予測した。
 
今日の新聞報道では、佐藤日銀審議委員がマイナス金利は「長く続ければ金融機関の収益基盤を弱め、金融システムの安定性に影響を及ぼす」と言いだした。先日みずほ銀行のトップが「融資で利ざやを稼ぐ業務から、資産運用やM&A(合併・買収)による手数料ビジネスに軸足を移して脱金利を進め、事業モデルの転換に本腰を入れる」と言っていた。ATMでの手数料を値上げするといった小さなことでなく、銀行と証券会社の垣根を無くしたため、なりふり構わない株売買で手数料を稼ごうとの動きには驚く。昨日も三菱銀行から何と「未公開株」を買わないかと電話があった。
 
かつて金利の高い時代、「銀行は寝てても1日経てば金利が増えて稼げる良い身分」だと揶揄されたが、未公開株などまで売るとなるとかなりのリスクがある。もちろん元本保証など無いし、客が大損害を被ったら売り方によっては損害賠償訴訟が頻発するのではないか。マイナス金利は銀行を証券会社に化けさせるのであろうか。まさに金融システムの安定性に影響を及ぼし始めている。
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