行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ウーバータクシーの光と影

2016-06-19 22:22:47 | Weblog

ライドシェアで新事業を開拓したウーバーについては早速欧州や中国で新規参入があり、トヨタをはじめ自動車メーカーも提携を模索している。日本では規制が厳しく、一部経済特区で試験的な運行が行われているに過ぎないが、高齢化、過疎化が進む地方では受け入れを望む声も出てこよう。日本のタクシー業界は規制緩和と規制強化の試行錯誤で顧客のことを忘れている。サービスの良い京都のMKタクシーが冷遇されているのが良い例だ。乗りたくても駅には入れさせてもらえない、料金の値下げに業界団体が反対するなど壁は厚い。

日本のタクシーは地理に詳しい運転手が少ないのが欠点であったが、最近はカーナビの発展でカバーできるようになった。近距離に乗車拒否も最近はあまり聞かなくなった。年寄りに少しでも利用してもらおうと初乗りを730円(MKタクシーは640円)から400円台にすることが検討されている。など改善点も見られるが、地方に行くと駅には乗り場はあるがタクシーが全くないことが多い。ロンドンなども一定の地域以外は電話による呼び出しになっているが、すぐ来てくれる。高齢化の進む日本では、公共交通機関をどう確保するかが喫緊の課題だ。地方自治体は財政の事情でバスの運行は積極的でない。こうした背景の中でライドシェアは地域に運転手という雇用を生み、地域活性化にも寄与し、そこにウーバーの入り込む余地がある。

米国での実績を見てみると、陰の部分も見えてくる。運転手は何しろプロでないことは皆承知で乗るわけだが、運転手による暴行、客による運転手への暴行などもおきて、女性には女性だけの運転手を紹介するなど対策もせざるを得ない事態に。

もう一つ日本では報道されてない大きな問題、運転手とウーバー会社側の関係だ。米国では運転手が組合を結成し、会社に承認を求め提訴している。運転手が労働者か一人親方の経営者かという問題だ。賃金、労働時間、日本だと社会保険、など決めるのに会社側が一歩的に決めるのか、団体交渉によるのかまだ結論は出てない。

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