3月1日に開催されたゴールデングローブ賞授賞式、コロナウイルスのパンデミックが続いていることから1か月遅れとなり、一部受賞候補者らはリモートでの出席となりいつものドレス姿の華やかなムードはなかった。
映画業界の2020年は新型コロナ感染拡大防止のため劇場の一時閉鎖、作品の公開延期が世界中で相次いだため、劇場公開作品が激減、その結果、変革の嵐が起きた。ノミネート作品もいつもと違うことに、映画部門で動画ストリーミングサービスの作品数が大きく増加し、ハリウッドに替わり、躍り出たのがNetflix、映画22、テレビ番組20と大量にノミネートされた。テレビドラマ部門では英国王室を描いた「ザ・クラウン」が作品賞をはじめ4部門、テレビコメディ・ミュージカル部門でも「シッツ・クリーク」が作品賞を獲得した。
他のストリーミングサービスの作品としては、Amazonプライム・ビデオの『続ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』が、映画(コメディ・ミュージカル)部門作品賞と、主演男優賞を(サシャ・バロン・コーエンが)獲得した。さらにテレビ(コメディ・ミュージカル)部門では『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』のジェイソン・サダイキスが主演男優賞を手にし、Apple TV+初のゴールデングローブ賞となった。またディズニーの動画配信サービスDisney+はアニメーション映画賞および作曲賞を『ソウルフル・ワールド』で受賞した。
世界的な巣ごもり需要のなかで席捲したストリーミング勢だったが、最も注目される映画(ドラマ部門)の作品賞を受賞したのは、劇場公開でかなりの好評価を得ていたヒューマンドラマ作『ノマドランド』で、これだけは譲れないと映画業界の意地を見せた。ノマドというのはジプシーのようにさまよえる民のことだが、「夫を亡くした女性が米国の田舎町で車上生活を送りつつ、夫の思い出を引きずりつつも、ほかのノマド(流浪の民)な車上生活仲間たちとの交流を描く作品」で舞台は米国だ。先にヴェネツィア国際映画祭、トロント国際映画祭でいずれも最高賞を得ており、監督のクロエ・ジャオが中国系の女性である点も注目される。日本公開は3月26日より、
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