行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

アンダルシア 女神の報復、前作より良し

2011-07-11 23:22:44 | Weblog

2年前の7月24日、ブログで「アマルフィ 女神の報酬」について、ローマ見物もでき娯楽映画としてはまあ合格と書いた。梅雨明けの強烈な暑さを避け、近所のシネコンへ行き、その続編「アンダルシア 女神の報復」を見てきた。今回の主な舞台はスペイン、仏国境のアンドラ公国、バルセロナ、アンダルシアのロンダで、前作と同様観光気分も味わえる。主演の織田はすっかり黒田耕作になりきり、黒木メイサ、伊藤英明が助演し、そつなく演じている。黒木演じる投資銀行員がキーパーソンで、やくざの裏金のマネーロンダリングがからみ、筋書きとしては前作より現実味をおび、良くできている。

登場人物でよく判らないのが福山雅治演じる情報屋で、スペイン娘と絡み合うだけで、これもサービスなのか??主題歌のtime to say goodbyeは今回4人のヴォーカルユニット“イル・ディーヴォ”が歌っているが、前回のサラ・ブライトマンの方が良かった。
今回も理解できないのが女神の報復という副題、前回は報酬だったので益々判らない。???前回が報復で今回が報酬ではないかなあ、どなたか教えて下さい。

題名も、バルセロナでもアンドラでも変わりないのにアンダルシア、最後の舞台だからか、アンダルシアは広大で名だたる観光地が多くある。セビリア、コルドバ、コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)、なのに小さな山中のロンダだけしか登場しない。ちょっと不自然で、コスタデルソルの美しい地中海を加えて欲しかった。

エンターテインメントは前作ではサラが自ら出演したのに対し、今回はロンダでのフラメンコで、もうちょっと見せて欲しかった。ただ、ロンダの闘牛場(スペイン最古といわれている)で闘牛士が練習している風景は初めて見る光景で得した。今日来た観光会社からのダイレクトメールには早速スペインコースにロンダが入っている。

面白かったのは、最初の場面で日本の財務大臣と米国の財務長官がパリの汚いビストロで落ち合い、鰯のガレットを食べるところだ。最も庶民的な鰯の焼き物が財務長官の好物で、財務大臣が無理矢理付き合わせられる。普通だったら三つ星の場面だ。

黒木の鋭い目つきから、アンジェリーナ・ジョリー並みのアクションを期待したのだが、不発だった。ちょっと残念!

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787ドリームライナーをめぐり、米国内で抗争

2011-07-09 21:39:32 | Weblog

1998年、シドニー湾を望むシーフードレストランで私は全米機械工労組(IAM)会長のビュヘンバーガー氏と会食していた。翌日からの国際金属労連大会へ出席するために滞在していたので、米国の労働事情を聞くことが目的であった。しかし、彼の話の大半はボーイングで開発している新型機ドリームライナーに関するものだった。炭素繊維を使う画期的な旅客機だが、双方ともその主翼を日本メーカーが作るとは夢にも思っていなかった。
そのドリームライナーボーイング787が検証プログアム飛行を行うために先週日本に飛来した。中型機にも拘わらず燃費が良いので太平洋をノンストップで渡って来て、その日のトップニュースだった。ところが米国ではこのドリームライナーの組み立て工場をめぐって熾烈な抗争が起きている。

ボーイングの本拠地はシアトル、ここでほとんどの旅客機が組み立てられてきた。ボーイングを組織する労組は前述のIAMでシアトルはやはり最大拠点ある。ところがボーイング社は月産7機のシアトルの工場では生産の遅れを取り戻せないのでサウスカロライナに月産3機の組み立て工場を新たに建設したことが抗争の発端だ。ボーイング社とIAMは3年ごとの労働協約改定で1977年以来、5回ストライキが行われてきた。特に2008年は交渉がこじれ、58日にわたる長期ストを打たれた。

ボーイング社は労組の影響力の弱い南部にノンユニオンの新工場を建設したわけだが、IAMは労組のスト行動に対する見せしめで、憲法違反と国家労使関係委員会(NLRB)に提訴し、NLRBは不当労働行為と認定し、ボーイング社に是正命令を出した。治まらないのはサウスカロライナ州出身の共和党議員で、(ここには民主党の議員はいない)1000人の新工場は繊維産業衰退後、南部発展の基礎となる希望の星と一歩も引かない。労組を支持基盤にしているオバマ大統領が選任したNLRBの委員は労組よりで、議会の多数を握っているのは共和党だから、NLRBの予算をゼロにしてやると息巻いている。

労使対立だけでなく、南北対立、民主・共和対立となったことにより抗争は複雑になりつつある。IAMもサウスカロライナ工場を廃止せよとは言ってない、海外で作っている部品を持ち込めと言うが、主翼や、胴体の一部まですでに日本に発注しているので非現実と会社は主張している。裁判闘争になる雲行きだが、皆の夢を実現するのは難しい。

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孫正義社長の勇断を称える

2011-07-07 17:26:57 | Weblog

新エネルギー政策の中心は再生可能エネルギーの開発であることはいうまでも無い。先般、孫社長は東北での被災地で太陽光発電の事業を立ち上げると発表した。津波で塩を被った田畑や再び津波に被災する可能性の土地の有効利用として太陽光発電は一石二鳥の復興策だ。

それ以外に、東日本大震災の被災者支援と復興資金として個人で100億円を寄付すると発表し、さらに2011年から引退するまでソフトバンクグループ代表として受け取る報酬の全額を、震災で両親を亡くした孤児の支援として寄付するとも発表した。

これだけの勇断は経営者として賞賛されるべきだし、他の資産家や経営者は見習ってもらいたい。ところがこの勇断に対し、週刊誌メディアは再生可能エネルギーを食い物、はてなき商魂、強欲経営、などと活字を踊らせている。孫社長の実績は通信事業で目覚ましく、NTT独占の状態から見事に市場を開放し、価格競争を通じて日本経済の発展に寄与した。
もちろんソフトバンクの大株主として資産を築いたことは事実だが、リスクを取り事業を成功させて自らの力でのし上がってきた結果で、マイクロソフトにしてもアップルにしても創業者は巨額の資産を築いている。

週刊誌メディアはこれを妬んでのことか、まさか孫氏が在日韓国人だったという偏見からか?太陽光発電事業の難しさから新規参入を躊躇している企業家にとってソフトバンクグループが乗り出すということは勇気を湧かせるニュースだ。

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暗黒時代に入ったこの国の政治

2011-07-05 22:31:51 | Weblog

4月16日のブログで「政治による二次災害だけはnoだ」と書いたが、残念ながらそのとおりになってしまった。松本龍本人も言ってるように官邸で手をこまねいて眺めていただけの防災担当相を復興担当相に任命した菅首相の人を見る目のなさ、無責任さ、そしてその結果、民主党はとどめを刺された感がする。

自分の現役時代の仕事の中で何人もの国会議員を支援してきた。若手を育成したという自負もあった。そして政権交代を目指し、実現し、支援した議員の何人かは閣僚になり期待もした。が民主党は党の指導者、鳩山、小沢、菅によって自壊しつつある。野党も、果報は寝て待てとばかりで、この国の政治は暗黒時代に入った。

当然外国政府は日本政府を相手にしない。大企業は外国に新規投資を加速しはじめ、将来の雇用が失われて行く。若手の国会議員の奮起を期待する以外ないのか

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新エネルギー政策を考える視点

2011-07-03 21:15:38 | Weblog

1980年代にエネルギー政策に関わってきた者にとって、今やこれまでの政策とは180度違う新エネルギー政策を追求しなければならないという思いが強い。依然として中東石油への依存度は大きいが、天然ガスにおいては極東ロシアや東南アジアでの生産拡大で幾分調達地域の拡散が見られる点は安定感が増している。しかし、国産エネルギーとなると準国産エネルギーの原子力からの脱却という重い課題に直面せざるを得ない。

脱原発という点では国民的コンセンサスであるが、即か徐々にやるかという点では意見の分かれる点である。エネルギー全体の需要に占める原子力はせいぜい11%だが、電力供給にしめる原子力の比率は稼働率にもよるが30%強を占める。

従って、主要な課題は電力ということになる。原発を停止すると電気料金はどうなるかという試算が日本エネルギー経済研究所から出された。54基の原発で35基が停止中で19基が稼働している。この19基が停止した場合、液化天然ガスなどの調達費用が3兆5000億円増えるので標準的家庭の電気料金は18%上昇し、額では月1000円の負担増となる。富士通総研の試算では2020年には35%増、月額1800円の上昇としている。

こうした情勢を踏まえ、新エネルギー政策を考えるにあたっては、現行9%を占める再生エネルギーである太陽光、風力、水力の開発を急ぐ必要があることはいうまでも無い。この6月16日ブログでも触れたが、スペインは35%を再生エネルギーで調達し、電力を輸出している。

上記の料金の問題では、日本の電気料金は韓国や米国の倍もするので、今の料金が半分になれば1800円ぐらいの値上げは吸収可能だ。米国は電力分野の規制緩和を行い競争政策により画期的に料金が下がった。基本は発電に誰でも参入でき、売ることが可能というシステムで、これを行うには発電と送電の分離が不可欠だ。日本は9電力の地域独占を政官財で固く守ってきた。そのおかげで停電が少ないと強調し、電事連では、停電は日本16分、米国ニュ-ヨーク12分、カリフォルニア162分、ドイル37分、英国100分、フランス57分というデータを出している。

再生可能エネルギーは発電スポットが小電力で不安定だが全国ネットの送電会社がどの地域でも電力を買い上げられなければならない。安定化に向けてはスマートグリッドや気象予報の技術が必要で、これこそ新エネルギー政策の要諦だ。

一昔前の通信事業とよく似ている。電話事業を自由化したら質が落ちるといわれた。確かにインターネットの回線では一部ADSLなどスピードが出ないといったこともあったが、多くの参入で爆発的に市場が拡大し、日本の発展に寄与した。携帯電話もしかりだ。
新エネルギー政策が成功するかは先ず、発送電分離が鍵を握っている。楽天の三木谷社長のように経団連を脱退してでも発送電分離を推進するべしという人も出てきている。

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ベランダのヒヨ鳥の巣立ち

2011-07-01 21:34:03 | Weblog

6月30日、ヒヨ鳥が巣から落ちたとの連絡を受け急遽帰宅、2羽がベランダの床に、1羽が巣に残って、1羽が行方不明の事態だ。昨日までの様子では大きくなり巣に入りきれないと心配いた。泣いてしきりに親鳥を呼んでいるが親はベランダの床に2羽いることに気がつかない。給餌はどうなるのかやきもきしたが、友人の安藤さん(野鳥の会)からメールで「保護してはだめほっておくことと」のアドバイスで見守っていたら、行方不明の1羽が向かいの屋根にいることが判り、これは予想外に早い巣立ちと判った。生まれて10日だ。巣にいた1羽も向かいの屋根に飛び、残された2羽がベランダでしきりに泣くけど、羽ばたきの練習をしているし、親鳥も見つけては給餌しているので一安心。

巣立ちの前日、旺盛な食欲だった

30日ベランダで泣いて親を求めている

網戸に上り羽ばたきの練習

 

7月1日朝、親鳥に促され1日遅れで2羽が飛び立ち向かいの屋根に何とか飛んだ
ベランダの縁に飛ぶ決心をする最後の雄姿

 

ヒヨ鳥一家は近所にいるらしいが子供の姿は見られない。親鳥が突然庭に来て、子供を呼んでるところを見ると居場所を定めてないのか、4羽のヒナの無事を祈るしかない。ベランダが急に静かになって寂しくなった。

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