行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

イタリア紀行2012 チンクェ・テッレ

2012-07-14 18:58:44 | Weblog

リビエラ海岸の5つの村が世界遺産になった。何故これが文化遺産なのかいってみないと判りずらい。都市間戦争の犠牲者が海辺の断崖に逃げて住み着いたぐらいの知識であった。実際は「平地がなく、土地が痩せているチンクエ・テッレで、人々は生きるため、急斜面の固い岩盤を砕いてできた石垣の上に畑を作った。畑の土壌となるのは岩盤を砕いた際に出てきた砂。数百年かけて築かれてきた石垣の総延長は、なんと 6,700 キロメートルに及び、日本列島を往復できる距離である。努力のかいあってこの痩せた土地にも何とか根付いた作物がブドウであった。人々はこのブドウから作るワインで生活してきた」

日本だと石垣苺は有名だが、ここの石垣ワインについて1500年代の古文書は「ここで育つブドウは、あまりたくさんの実をつけない。しかし、そのぶん味が凝縮したコクのあるワインが産まれた。それは古くからジェノバの商人によって、広く輸出されていた」と記されている。こうした人々の永年の努力で街作りがなされ、文化遺産と認められた。

当日は、30度をこえる暑さで、坂道の街を散策するより、海を眺めながら地中海のマグロや鰯のカルパッチョで白ワインを味わうだけだった。

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イタリア紀行2012 アオスタ渓谷

2012-07-12 22:36:15 | Weblog

古代ローマ時代からスイス、フランスへの重要街道が走るアオスタ渓谷、今でもジュネーブとトリノを最短距離で結ばれている。街道の両サイドの通行重要拠点にはかつて通行料を徴収した出城とも要塞ともとれる石造りの遺物がにらみをきかせている。
急峻な崖にも拘わらず葡萄棚が張り付くように作られ、高地特産の白ワインを生産している。DOCワインもあるというから大したものだ。

スイス側からのマッターホルンは多くの写真で有名だが、イタリア側から見たらより接近して見られるというのでチェルビニアに先ず行くことだった。
天候は曇りで見え隠れしたが、ほんの数キロ先にマッターホルン(伊モンテ・チェルヴィーノ)が迫ってきた。

次にフランスとの国境に近いクールマイヨールの近郊、ラバリューからモンブランとグランドジョラスを望んだ。シャモニーからロープウェイで3800mまでのぼり、エギューデミディから見るモンブランやグランドジョラスはおなじみだが、イタリア側から見るとどうゆう山容なのか期待した。

モンブラン(伊モンテ・ビアンコ)は頂上が雲に隠れていたが、シャモニーで見るのと大違い、白いなだらかな姿でなく、厳しい針峰もある急峻な姿で氷河を従えていた。

グランドジョラスはイタリア側からも同じように荒々しい姿をしていた。

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鵺(ぬえ)みたいな欧州経済

2012-07-10 18:31:17 | Weblog

北イタリアを旅すると、経済危機をむかえている切迫感がない。ベローナ、ボルツアーノのような都会でも物乞いやアル中の類は見当たらない。辛らつな人はイタリア人は残業せず早く家に帰り、アルバイトに精を出し、その分は一切税金を払わないのが普通という。また、観光地は入場するだけで観光税を徴収する。ベローナは観光バス1台30ユーロ、ドロミテ地方の人気トレッキング地、トレ・チーメに至っては100ユーロをとる。このトレ・チーメの属するアウロンゾ村は森林資源にも恵まれ、実に豊かである。

イタリア経済が危機に瀕し、失業率が10%を超えているがコルティナ・ダンペッツォ地域は金融危機でも観光客は世界中からくるので、影響はないと山岳ガイドは言い切っていた。国の経済は苦しいが個人や地域によって豊かさが違うという構図は、消費税を21%(秋には23%を検討)にしても財政危機を解決できない。

新聞(こちらで読めるのはフィナンシャル・タイムズぐらい)ではユーロ危機脱出への小田原評定が続く中、メルケルは仏大統領がオランドに代わってからイタリア・スペイン連合に押されているが、欧州共同債だけは頑として受け入れないといった悲観的な記事に加え、スロベニアも財政赤字がGDPの49%に達し助けを求めるのではとか、アイルランドが欧州経済停滞で輸出が伸びず回復がとん挫している。ルーマニアも危ないといった具合だ。モグラたたき現象が起きており、鵺のような欧州経済だ。

悔し紛れに、欧州に気を取られているが、米国経済は失業率も8%に高止まりしており、欧州以上に危ないと評するエコノミストもいる。

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ワインへのイタリア人の執念

2012-07-08 23:32:22 | Weblog
北イタリアを旅すると山でも海でもワイン生産への執念を感じる。アオスタ渓谷はイタリアからフランス、スイスへの重要な街道であることは古代から変わらない。このローマ街道沿いの切り立った崖に葡萄のだんだん畑が続く。またドロミテの中心、ボルツァーノ周辺でも同じ景色が見られる。

リビエラではチンクエ・テッレが世界遺産になったが、断崖に貼りつくように集落があり、だんだん畑を作り葡萄や野菜を栽培していた。住民はいろいろな事情で迫害され、人が住みにくかった海辺の断崖に住まざるを得なかった。そんな厳しいなかでもワインを作るという執念とローマ時代からの伝統を感じる。
チンクエ・テッレの海岸は美しいが西伊豆の海岸と変わりない。世界遺産になったのは住民の執念を評価したのだろう。

断崖のだんだん畑の葡萄は日当たりを考え、日本でよく見られる棚を作って這わせる方式を採っている。収穫の苦労が忍ばれ、地ワインを飲む時は感謝している。
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ルネサス高知工場縁起

2012-07-07 16:25:50 | Weblog
業績が悪化している半導体大手ルネサスエレクトロニクスがリストラの一環で高知工場(正式には高知事業所)の売却するとの報道を見て時代の流れを感じざるを得ない。かつて高知工場を建設する時、関わっただけに誠に残念んだ。

当時の関係者は故人となってる方が多いので高知工場の誕生経過を記憶から呼び戻し、売却しても半導体工場として残ることを願う。今は部外者だが、後輩が踏ん張っているので期待したい。

1970年代後半、半導体は産業の米とその将来性を疑うものはいなく赤字を出しても毎年設備投資は優先された。あるパーティの席で当時の三菱電機進藤社長に高知県知事から「岩崎弥太郎は高知の出身で三菱の創業者なのに三菱グループの工場がない何とか三菱電機の工場をお願いしたい」と要請された。社内で検討したが、何より半導体に力を入れてる進藤社長の強いリーダーシップで組立工場を高知に造ることとなった。高知県も税金などの優遇策を採ってくれた。

青写真の段階で、基幹社員は既存の半導体工場から転勤してもらうので労組の了解が必要だった。担当役員の説明を受け所定の手続きを私が担った。

数年前、国際労働財団で招待した外人を連れて高知工場を訪れて発展した姿を見て喜んだものだ。工場には進藤社長ご夫妻の銅像もあり、売却後はどうなることか
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イタリアの観光バスに乗って

2012-07-06 00:10:57 | Weblog
イタリアの観光バスはEUの共通特別法に従って運行される。4時間走れば45分の休憩をドライバーに与えなければならない。タコメーターでチェックされ違反したら厳罰が科せられる。

イタリアの高速道は大都市周辺以外は無料だ。料金所では外国車以外は日本のETCカードと同じシステムで徴収している。運輸費用は安く製造業や農業の競争力に貢献している。

高速道のサービスエリアでの売店はガソリンスタンドに併設され日本のような賑わいはない。でも最近はホテル、ショッピングセンターに併設される例も見られ新しい動きにだ。観光客としても土産が安く買え重宝だ。

ミラノから2時間余りモンブランやマッターホルンの麓へ、ローマ時代の街道に造られた高速道を走った。道路の両脇は延々とトウモロコシ畑が続き、北イタリアの主食だったことがわかる。トウモロコシで作ったポレンタをよく食べることから南部のイタリア人は北イタリア人をポレンタ野郎と揶揄する。

北イタリア人は南部を養っていると自負し北イタリアの独立を目指す北部同盟なる政党を立ち上げた。しかし、財政金融危機でそれどころではない。

若年層の失業率が2割に達すると云うのにミラノマルペンサ空港ではボーターが少なく見つけるのは難しい。

政治の停滞は日本だけではないようだ。
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世界最大のエアバスはイマイチだ

2012-07-04 12:43:43 | Weblog
早めの夏休みを北イタリアで過ごすべく成田から飛んだ。安い旅行なので直前までどこの航空便に乗るのか判らなかったが、何とルフトハンザの巨大新型機エアバス380だった。2階建てで1階のエコノミークラスだけでも1000人近く乗れるというのでいつかは乗りたいと思っていた。

心配の乗降時間だが、成田での搭乗はこれまでの大型機より少し時間がかかった程度だった。到着のフランクフルトでは2階ファースト、ビジネスクラスは2階の搭乗口から直接出られるので便利になった。
しかし1階のエコノミークラスは前方の出口だけなので、とてつもなく時間がかかった。ここ特別のセキュリティーチェックで時間もかかりミラノへの乗り継ぎ便にギリギリ間にあった。普通の大型機並みにもう一カ所出口を設置する工夫がほしい。

機内の椅子は相変わらず狭いがヘッドレストをつけたので枕は要らなかった。機内食は最低ランクでこれ何?といったものが出てきた。フランクフルトソーセージのホットドックでも出したらどうだろうか。

ワインはさすがに手を抜くことはなくエコノミークラスでもしっかりしたもので救われた。特にトロッケンのスパークリングワインは辛口でまずい食事をスッキリさせてくれた。

新鋭のAVに期待したところ、液晶画面は大きくなったが画素数が少ないためかイマイチだ。しかもタッチパネル方式を採用したが、感度が鈍い上に席によりばらつきがあり、いかにも安物といった感じだ。
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我が家の太陽電池発電所の実績と効果

2012-07-02 14:40:06 | Weblog

昨年末に4Kw強の太陽電池発電所を屋根につけてから毎日実績とにらめっこしながら節電している。冬には売電収入(昼間の発電量ー使用量)が5~6000円だったが5月に入ると10000円を超えている。
晴れの日は昼前に2.5Kw近く発電する。赤線が買電(東電から買う)青線が売電(東電に売る)

曇りの日は効率が落ちる。雨の少ない5月が1年で最も発電するというがこればかりは気候変動でどうなるかわからない。

雨の日でも雲の厚さによるが頑張ってくれる。

以上、昼間のピークカット対策には太陽発電が効果ある。

他に、預金や国債の利息より売電収入が多いので何となく得した気がする??

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