年明けから株価は調整の動きが続いて、日経平均株価は12月30日高値の16,320円から5日水曜安値の13,995円まで、2,325円幅の下落、率にして14.24%の下落となった。世界の株価も日経平均株価ほどではないが連鎖的に下落した。第一線の専門家さえも予想だにしなかった動きで、「相次ぐ決算発表で、企業は増収増益なのに何故こんなに下落したのか」と首をかしげている。
株下落の原因といわれた「米国のドルばらまきのペースを落とす」ということだけで、新興国から資金が米国に回帰するというこれまでの事例も大きな動きでなく、「アルゼンチンペソの下落でデフォルトになるかも」ということも、ギリシャより経済規模が小さい国の出来事で、その後トルコが影響を受けたぐらいだし、株価の大幅下落は説明が出来ない。売却した資金で米国の国債や日本の国債を買っているという動きもそれほどではないから今お金はどこにあるのだろうか?不思議だ!
下落の原因を説明できるとすると、何となく不安に駆られて世界中でマネーが動いているというぐらいか。ドルに頼り切った世界の金融では米国の一挙手一投足に影響され、しかも増幅されて小さな波が高潮となり世界各国に押し寄せる。今回は米国の大寒波による経済活動の低下が増幅され、「史上最高値にまで登ったダウ平均株価が暴落するのでは」という不安を呼び、日本に高波となって押し寄せたのではないか。トルコやアルゼンチン以外の新興国の大部分は通貨の下落でインフレを防ぐために金利を上げて今回の荒波を海岸線で防いだ。外貨を貯め込んでいることも97年の時の危機とは違っている。それでも97年アジア通貨危機を想起し、現代人は不安に陥る。
現代人の不安は世界中にリスクの種が存在することにあり、いつ株価が暴落しても不思議ではないと認識しておくことだ。