人間たまには夢のような話をしてみたくなるものだ。先日テレビで宇宙エレベーターの特集を放映していた。宇宙エレベーターについては何となく聞いていたが現代のバベルの塔みたいでホラ吹き話と思い込んでいた。エレベーター塔を宇宙まで積み上げるなんて不可能だからだ。ところが先日の放映を見て、静止衛星を打ち上げ、先ず一本のケーブルを地球上に垂らしてそのケーブルで上下させるクライマーを設置し、徐々にケーブルを太くして行き、やがて宇宙船(エレベーターの篭)をケーブルにはわせて宇宙旅行を楽しめるという。鉄やアルミのケーブルでは強度不足で弱く、宇宙エレベーター構想はほら話であったが、最先端技術のカーボンナノチューブの出現により俄然現実となった。宇宙エレベーター協会が発足して着々と研究が進められているので詳しくはホームページを見ていただきたい。
もう一つは、原発問題の講演会でたまたま出た話で、まさに逆転の発想から出た深海工場の構想だ。日本にタップリあるのは海であることは当たり前だが、以外と空気みたいで見逃している。また、日本の周囲にある海底には豊富な金属を含むマンガン団塊があることは何回もニュースで報じられている。それなら早く掘って採りだしたらと思うが、これまで調査だけに終わっている。炭酸ガスのかたまりメタンハイドレードも豊富にあり、ガス化すれば自前のエネルギー源となる。これもすぐできそうであるが、なかなか手がつけられない。いずれもコストがかかりすぎて商業ベースにのらないのが原因だ。そこで深海や海底に精錬工場をつくり製品にして採り出せば安くなるという。水圧に耐えられる素材の開発が進めばこれも現実となる。
自分が生きている中に実現できるか疑問だが、技術の革新、発展があれば意外と早く実現するのではと期待している。1970年代、IBM360の時代にそれ以上の性能を持つコンピューター(スマホ)を個人が保有するなどとはどんな学者も予想できなかったからだ。