乃木坂の国立新美術館で開催されてるルノワール展、質量ともに歴史的な展示といっても良いほどの内容だ。100を越える作品で、ルノワールの全てが判るほどで、出されている作品も初来日ムーラン・ド・ラ・ギャレットを始めフランスの至宝が集まっている。オルセー美術館とオランジュリー美術館の作品の中から選ばれているが、これだけの大作が日本に来ているということは、今観光でパリに行っている人はルノワールが見られないということで、フランス政府のバックアップがあってこその展示だ。
ルノワールは日本人に人気が有り、5月に京都へ行ったときは市立美術館で、フランス以外の国から作品を集めて展示していた。今回のルノワール展も既に20万人も来場していたが、先月終わった若冲展ほどではないので、10時前にい行けば楽ちんで入れる。フランスの印象派は江戸時代末期から明治にかけて活躍したが、ルノワールの今回の作品の中では脱印象派を思わせる女性裸像の作品にも焦点を当てている。当時フランスに於いて浮世絵がかなりの影響(ジャポニズム)を与えたことは有名だがルノワールの今回の作品田舎のダンスで後に妻となるアリーヌが日本の扇子を持っている。現代のフランスではジャポン・エキスポが毎年パリ郊外で開催され、ゴスプレで若い人々が集まり、アニソンで盛り上がっている。また国宝級の狩野派のふすま絵の展示をパリで行ったり、日仏の文化交流は最盛期と言っても良いだろう。若冲展をパリで行ったらどのような反応を見せるか
今回多くの作品の中でオーと思ったのはルノワールがパレルモに行ったときに書いたワーグナーの肖像画だ。偶然二人がそこで会わなかったら生まれない絵で、老いたワーグナーだが頑固親父と行った姿だ。
国立新美術館ではサービスの一環として休憩室でムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会に写真で参加できる。だけど幽霊みたいであまりできが良くない。