先日、スペインで開催されたCOP25の会議の過程で日本はNGO団体から栄えある化石賞を受賞しました。
日本が一人当たりの二酸化炭素排出量の多い国の中に殆ど顔を出してこない事は嬉しい限りです。でも 、こちらのデータだけで喜ぶわけにはいきません。少ない事に越したことはありませんが、このグラフの算定は一人あたりです。従って、人口が少なく且つ工業国であったり、人口が少なく石油産出国であったりすると一気に上位に顔をだしてきます。その例が、戦後の1950年からの二酸化炭素の産出国のトップを1962年迄占めるルクセンブルグが示したている通り工業国(製鉄やその他の工業生産の為)が上位をトップを占めていました。石油の産出が多くなると産油国が上位に名を連ねてくるようになりました。一人当たりの統計上のあやで、人口が少なく少し突出していると、ルクセンブルクの製鉄と同様に上位に顔をだしてきます。地球への温暖化の負荷と言う意味では少し異なるかもしれません。第二次世界大戦後のデータでは工業国であれば多くなるとの事も近年ではそれ程顕著ではないようです。石油産出国で且つ豊かな中東の国が上位を占めているようです。しかし、今回のスペインでのコップ25で石炭発電で後ろ向きと責められた日本ですが、福島原発事故(2011年)の為にエネルギー政策に手かせ足かせ状態です。少し難しい面があるのは事実です。地球温暖化の観点から言えば原子力発電は地球温暖化問題では地球にやさしい発電方法です。強いてあげれば、排熱を冷却するために地球を暖める程度です。
二酸化炭素のみで、地球温暖化を述べるのであれば二酸化炭素が問題になっているのは気体として存在する時です。親水性があり個体にすることもそれ程大変だとは思えません(素人考えですが)。石灰化して個体として固定するのも可と思うのですが。ただ、個体にするために大量のエネルギーを消費したのでは本末転倒です。有能な専門知識を持つ科学者が二酸化炭素を個体にし温暖化を救う事を述べていないようですから未だ成功していないのかも。それとも、エネルギー的にか経済的に折り合わないのかも。
今回のCOP25時期に日本は名誉ある化石賞を頂きました。世界の流れに背を向けて火力発電、それも石炭火力です。(太陽光が長い時間を掛けて降り注いだ石炭たる化石燃料の預金を下ろして使うのです。)その他の主な発電は以下の通りです。
発電について:化石燃料で言えば、最悪の石炭火力、石油関係、天然ガス(LNG)と負荷は減りますが、総て過去の地球の貯金です。
太陽光による発電は、太陽光が出ている日中でかつ、晴れて居なければ発電しない事。砂漠などの晴天率によって発電量もことなります。
風力は、風車が絶えず廻って発電している事が好ましい。その為にも一定の風力で、途切れることなく吹き続ける風が吹く場所が必要であること。ヨーロッパでは浅い洋上発電など発達しています。既に30年以上前にロスからサンフランシスコに向かう道路沿いに巨大な風車が乱立しているのには驚きました。
水力発電は起動すれば、ものの数十分で発電を開始でき、電力の調整としての機能が高い事。最大の電気の欠点。それは蓄電に向かない事です。大量の電気エネルギーを安価に蓄える装置はまだない。その為にも位置エネルギ―に変換して揚水水力発電所が意味を持つのです。大陸を洋々と流れる大河のヨーロッパより、高低差がある滝のような川の日本は位置エネルギーに富んでいるのです。水利権を整備して、水の落差、位置エネルギを有効に利用すべきなのです。どんなに小さな流れでもです。小さな小さな発電機を多用して利用すべきだと思うのです。権利の上に眠る者を保護する必要はありません。水利権の問題を解決して安価な位置エネルギをコントロールすべきです。例え、化石賞を頂けなくなったとしてもです。
地熱発電は省略。
以上がエネルギー発電の主なもの。
原子力発電ですが、神の領域に足を踏み入れた原子力です。アインシュタインのが既に神の領域でした。今のエネルギー需要を確保して行くなら、最大の努力と注意を払い神の領域に足を踏み入らねばならないと思っています。あなたは、馬車に乗り輸血も受け付けないアーミッシュの生活を実践できますか。車には乗る、夜になれば電気は付ける、TVは見る、スマホは使用するが、地球温暖化には反対だなどと主張できるでしょうか。
統計の最初から最後まで1位から10位以内に付けているルクセンブルク、立派と言えば言えますが人口の少なさと鉄鋼業のなせる業かもです。日本と同じ工業国のドイツですが、グラフの最初の1950年から1994年までは20位以内でした。その後、20以内から出たり入ったりを繰り返して、2001年から20位以内に顔を出さなくなりました。立派と言えば立派かもです。化石賞は頂いた物のそれ以上に似た日本は立派です。20位以内に顔を出すのは東日本大震災の2011年以後の2014年に初めて顔をだします。原発事故の為に稼働停止が響き2016年の二度のみでした。アジアで特筆すべきはブルネイでしょうか。産油国で世界一の裕福な国とも言われる昨今です。油田からのガスを燃焼させるために絶対量は多くなくても一人当たりとなると顔を出してしまいます。
石炭火力に頼らずに、天然ガスで発電すべきだと開発途上国に言えますか。原子力発電所を建設し維持管理が行えと思えますか。安価で危険も大きくありません。でも、CO2を排出します。技術の進歩した最先端の日本の火力発電所(石炭)を普及させることが化石賞になるとしてもです。考える問題提起になれば幸いです。