オレの日課である夜の散歩中に出会った若者が、どうも黄泉に引かれかけている様子だった。大事な人を事故で亡くしたらしいが、無念を残した魂は、生前の性格はどうあれ大概が生者にとって危険な存在となり果てる。だからどうしても夜道を歩きたいなら上着に袖を通さず肩に掛けておけと忠告した。
それ以来夜の散歩で若者を見ることはなくなったが、しばらく経ってから休日の昼間にショッピングセンターで買い物をしているのを見かけた。
ちなみに声は掛けなかった、それが夜を歩くもののルールだから。
それ以来夜の散歩で若者を見ることはなくなったが、しばらく経ってから休日の昼間にショッピングセンターで買い物をしているのを見かけた。
ちなみに声は掛けなかった、それが夜を歩くもののルールだから。