カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

[ 不安 / 鉱物 / 無神論(バチカル) ]より・祟る神

2015-05-25 19:06:16 | 三題ランダムキーワード
 神が宿ると人々から崇められていた石を棄て、祠を壊したのは仕事の為で他意はない。それ故に仕事仲間はいちいち気にしていられるかと強気だったが、日が経つにつれて徐々に覇気を失い、しまいには神社や寺に次々とお祓いを片っ端から頼みはじめた。
 その時点であいつは気付くべきだったのだ。神は、正確には神に対する畏れは、他ならぬ己自身の裡にあったのだと。

 ただし、それに気付いたときには全てが手遅れだった。
 あいつだけではなく、俺自身も。
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